【100円記事】「CTの線量が半分になったら画像は白くなるんじゃないんですか?」

仮に120kV 200mAsの画像とする

ここに水ファントム(模型)を撮影したCT画像があります。
(実験で取得した画像なので中央に高吸収物質がインサートされていますが気にしないでください)

さて、このときに「X線の出力を半分にしたら、画像はどうなるでしょうか?」ということを病院実習の学生さんに聞くと、実に様々な回答が返ってきます。

  • 画質が悪くなる(1点)

  • 絵が汚くなる(0.5点)

  • 画像がぼやける(0点)

  • 分解能が悪くなる(0点)

  • コントラストが悪くなる(2点)
    (※5点満点とする)

その中でも、非常に多い答えが「画像が白くなる」です(0点)。
私よりも10年以上も若いデジタル世代なのに、意外とアナログな発想が出てくることに驚きです。
ちなみに5点満点の正答は「ノイズが増える」「粒状性が悪くなる」「画像SDが大きくなる」になります。さすがに現役放射線技師さんたちは余裕でしょう。

本記事は診療放射線技師として10年近く働いてきた経験を活かして、学生さんから100円を巻き上げるという何とも極悪非道な銭ゲバの技師野郎の記事になります。大人は回れ右。

CTの画素値って何?

意外にも意外なんですが、放射線系の画像の画素値(ピクセルに格納されている値)というのは、ほとんどが「相対値」です。相対値とは言い換えると「値の大小には意味があるが、その絶対値には意味がない」と言うもので、その大小もリニア(直線)であったり、Logであったり指数であったりします。

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