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【スキルアップ・勉強法】核医学新人ローテで役立つ、無料PDFだけで参考書作っちゃおう

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新人で核医学配属とかキビィことしますね。どうも。自宅療養中(意味深)のペサ山です。久しぶりにキーボードを打ってます。

核医学業務でオススメの参考書といえばオーム社のアレ(7,150円)とか、超実践マニュアルなんとか(5,280円)とか、あと個人的に良書だと思ったのがメジカルビュー社のアレ(6,050円)とか。最近だと放射線技術学会の叢書のアレ(2,000円)とかですね。全部そろえるとざっくり20,000円くらいですね。

とにかくお金がない山田は可能な限り参考書は職場のお金で買ってもらって勝手に私物化するのがルーチンですので、実は家にはほとんど技師関係の本って置いてないんです。その代わりamazonのfire HDタブレットにネットで拾った無料pdfを溜め込んで読んでいます。また新人がローテートで核医学に来た時に、ノルマとして読ませる教材として「pdfセット(32文献)が用意してあり、印刷してファイリングされています。これのいい点は、参考書だと「今日はここまで読む!」みたいなノルマってなかなか芯の強い人じゃなきゃ続かなくて、pdfだとA4用紙で5枚とかなので結構サラっと読めるし、週に4タイトル(1日1タイトル+週1で予備日)読むと2ヶ月で勉強が終わるって感じで進捗もわかりやすいんですよね。

そこで今日はtwitterのマシュマロ質問にお答えするために、pdfセット32文献と、その選考に漏れてしまった文献たちをご紹介します。結構ボリューミーな記事になると思います。
※当院の核医学部署は骨密度検査も行うため32文献それも含まれていますが、今回は核医学にのみ絞りますため数が前後します。

1.日本放射線技術学会 核医学部会雑誌より

日本放射線技術学会(JSRT)の専門部会雑誌は、公開から3ヶ月過ぎたものはオープンアクセスになり、なんとJSRT会員じゃなくても見れます。JSRT本体の雑誌の教育講座とかは会員ならば購読者番号が知れてJ-STAGEでpdfが取れることが多いのですがあまり新人に優しくないですね。その点、専門部会は優しいですし、より臨床業務に近い教育講座が載ってるのでオススメです。

難点は講座の1章ごとにpdfファイルが分かれているのではなく、部会雑誌まるまる1冊で1ファイルになっているので、データ化する際はツールを使って分割するといいと思います。

●核医学部会誌 通巻第70号 2015年4月(春号)
(1)「核医学専門医が求める核医学業務~読影補助にむけて~」(p13-18)
(2)「核医学担当業務に必要な知識と技術-基礎編-」(p23-26)
(3)「読影補助に必要な知識と技術-脳分野-」(p27-31)
(4)「心臓核医学に必要な知識と技術-心臓領域-」(p32-35)

●核医学部会誌 通巻第71号 2015年10月(秋号)
(5)「核医学担当業務に必要な知識と技術-内分泌(甲状腺・副甲状腺)領域-甲状腺・副甲状腺専門病院における核医学診療補助」(p22-25)
(6)「核医学担当業務に必要な知識と技術-骨シンチグラフィ-」(p26-29)
(7)「核医学担当業務に必要な知識と技術-当院における局所肺機能検査に関する読影補助の取り組みについて-」(p30-35)

●核医学部会誌 通巻第72号 2016年4月(春号)
(8)「核医学担当業務に必要な知識と技術-腎臓編-」(p18-23)
(9)「核医学担当業務に必要な知識と技術-腫瘍・炎症系シンチ-」(p24-29)
(10)「核医学担当業務に必要な知識と技術-消化管シンチ-」(p30-p35)

●核医学部会誌 通巻第73号 2016年10月(秋号)
(11)「核医学担当業務に必要な知識と技術-腫瘍PET-」(p29-33)
(12)「核医学担当業務に必要な知識と技術-神経伝達機能-」(p34-39)

●核医学部会誌 通巻第74号 2017年4月(春号)
(13)「核医学担当業務に必要な知識と技術-小児-」(p16-19)
(14)「核医学担当業務に必要な知識と技術-内分泌腫瘍-」(p20-25)
(15)「核医学担当業務に必要な知識と技術-内用療法におけるイメージングについて-」(p26-28)
(16)「神経内分泌腫瘍診断薬「オクトレオスキャン®静注用セット」について」(p29-33)

●核医学部会誌 通巻第75号 2017年10月(秋号)
(17)「放射性医薬品・抗悪性腫瘍剤「ゾーフィゴ®静注」について」(p42-44)

●核医学部会誌 通巻第83号 2021年10月(秋号)
(18)「新規PET薬剤アルツハイマー型認知症診断薬ビザミル」(p41-43)
(19)「神経内分泌腫瘍に対するペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)について」(p44-47)

また、ちょっと古い部会雑誌(核医学”分科会”時代)にもいくつか良いものがあったので紹介します。

●核医学分科会誌 2013 年 66 巻 p. 44-49
(20)「遠隔転移とその理解 : PETによる遠隔転移検索」

●核医学分科会誌 2012 年 64 巻 p. 23-27
(21)「SPECT : 脳血流量の測定原理と臨床的意義について(各モダリティにおける脳血流測定法-特徴と問題点-」

●核医学分科会誌 2011 年 62 巻 p. 22-32
(22)「PETによる癌診断の有用性」
2011 年 62 巻 p. 36-41
(23)「センチネルリンパ節の検出法 : ガンマカメラ・SPECT/CT」
2011 年 62 巻 p. 42-45
(24)「センチネルリンパ節の検出法 : ガンマプローブ・小型半導体検出器」

2.日本核医学技術学会 医学画像の定量化・基準化のための調査研究ワーキンググループ報告

日本核医学技術学会(JSNMT)の学術雑誌は会員限定なのですが、ワーキンググループ報告だけはなぜかここから見れます。最終報告はかなり読み応えがあるものですが、画像処理には必要な知識です。

(25)「臨床に役立つ基準画像の収集・処理・表示・出力のポイント」(核医学技術2008; 28: 131-66)

3.放射線診療研究会 機関誌「臨床核医学」より

放射線科ドクターの研究会ですが、機関誌が無料で読めたり勉強になるリンクが見やすくまとまっていたり、核医学を学ぶ人間ならばブックマークしておきたいHPです。技師向けのpdfをピックアップ。

(26)「FDG-PET/CTによる大血管炎の診断」(2018; Vol. 51 No.4: 50-55)
(27)「BMIPP心筋シンチの臨床活用とその読影法」(2018; Vol. 51 No.4: 56-59)
(28)「心筋シンチ読影テキスト」(百瀬満・松本直也著、ニュータウンカンファレンス編)

(29)「ガンマカメラにおけるコリメータの基礎、ガンマ線検出器の役割と特性」(2014; Vol. 47  No.1: 9-12, No.2: 25-28,)
(30)「SPECT装置による撮像から画像処理まで」(2014; Vol. 47  No.3: 38-41)
(31)「心臓画像再構成の基礎」(2014; Vol. 47  No.4: 50-53)
(32)「心筋SPECT における吸収補正・散乱補正の基礎」(2014; Vol. 47  No.5: 50-53)
(33)「ジェネレータの原理と臨床への適用」(2014; Vol. 47  No.6: 88-90)
(34)「PET装置による撮像原理」(2015; Vol. 48  No.1: 7-11)
(35)「ドパミントランスポータシンチグラフィーの基礎技術」(2015; Vol. 48  No.3: 38-42)

4.その他Pick Up

(36) 「小児核医学検査適正施行のコンセンサスガイドライン2020」(日本核医学会)
・・・全部読む必要は無いが、存在は知っていないとダメ。

(37)「陽電子放射断層撮影 (PET) 装置とその検出器」(陽電子科学 第1号2013; 13–25)
・・・日本陽電子科学会(JPOSS)という謎の団体の会誌より。装置についてとても詳しい。

(38)「核医学検査 正常値・基準値」
(39)「放射性医薬品別の実効線量に関するICRPデータ一覧表」
(日本メジフィジクス株式会社HP「核医学(製品関連)FAQ」-放射性医薬品全般 より)
・・・すぐに取り出せるところに置いておくと良い。

おまけ

あすなろ核医学技術研究会
・・・青森県内の核医学に関する研究会。発表スライドが基本的に全部公開されている。

・日本放射線技術学会 近畿支部雑誌 VOL.21 No.1 MAY 2015(第21巻1号 平成27年5月31日)
・・・超基礎講座『核医学』という特集がある。(※要会員登録)

・日本放射線技術学会 近畿支部雑誌 VOL.25 No.2 OCT 2019(第25巻2号 2019年10月1日)
・・・ステップアップ臨床セミナー『脳について学ぶ ~脳血管障害から神経変性疾患まで~』に核医学とPETのいい資料がある。(※要会員登録)

・日本放射線技術学会雑誌 76 巻 (2020) 5 号 基礎講座─定量とその不確かさ─「11.SPECT 画像定量化技術〈脳〉」
・・・脳血流定量法について割と詳しく書いてある良文献。(※要JSRT会員購読者番号)

・日本心臓核医学会HP
・・・機関誌「心臓核医学」も全部無料で読めるし、HP内にある「心臓核医学セミナー」(web記事)も勉強になる。


以上。なんか恐ろしいボリュームになってしまいましたが、これらに目を通せれば成書2冊分くらいの知識は無料で身につけられると思います。

それでは。

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