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第一回 春木ゼミ課題 出生数と合計特殊出生率のグラフから


ゼミっぽくないかもしれないが、思考の過程を書いてみる。

まずここ数年の変化を見てみる。

出生数が減っているのは何となく報道から知っている。

グラフの中で、合計特殊出生率は女性が一生の内に子供を何人産むかであるが、これも減っている。しかし出生数と比較すると、さほど低下していないように見える。低下数と低下率が乖離しているのだろうか?

そこで考えたのは以下の通り。

• 合計特殊出生率の分子は出生数なので、合計特殊出生率があまり変化していないのは、分母の女性の数が減っているため

女性が減っている?

まさか、多死社会で高齢女性が死亡しているのを表しているだけ?

何と、出生率関連の話なのに、死亡を表していた?

いや待てよ。合計特殊出生率は国家試験で学んで以来、定義が曖昧だ。という事で、合計特殊出生率を調べてみた。

合計特殊出生率は「15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」で、次の2つの種類があり、一人の女性がその年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数に相当する。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai11/sankou01.html

こんな年齢の縛りってあったっけ?今国試受けたら落ちるな…

50歳以上の出産は増えている気がするが、それをsupportするdataはあるだろうか?

50歳以上の年齢での統計は見つけられなかったが、45歳以上での出産数は増加傾向にある。しかし、2023年の出産数は1745人なので、合計特殊出生率に与える影響は小さそうである。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai23/dl/h3-4.pdf

そこで、今一度グラフを見てみると、2005年から合計特殊出生率は大きな変化なく、かつ2040年の推定では1.43と、今よりも増加する事が見込まれている。対して出生数は今後も減る一方。分子が減っているという事なので、合計特殊出生率が変化していないという事は、分母が減っている、つまりここ数年の変化は、15~49歳までの女性の数が減っているという事を示している。

出生数、合計特殊出生率の推移

もう少しマクロな視点で見てみる。

筆者は、ギリ団塊ジュニア世代ではない(かと言ってバブル世代という気もしない。ただ昭和が残っていたのは事実)が、妹は団塊ジュニア世代に相当する。毎日遊び相手には困らなかったし、家に居ようものなら、母親から熱を計られたくらいだ。

団塊ジュニアから出生数はずっと低下をしているのが、ここ50年のトレンドである。合計特殊出生率も出生数に比例して低下していたが、2005年頃を境に合計特殊出生率は低下が止まった。つまり、分子は低下し続けている事を考えると、この頃から分母の低下が顕になってきたという事だ。世代で言うと、団塊ジュニア世代が子供を産まなかったという事であり、親の人数そのものが不足していると言うことになる。

最近では官製のマッチングアプリも登場しているらしい。少子化対策の一貫としてだろうが、そもそも親となる世代の人数が少なくなっているのが問題少子化の原因であり、一朝一夕に出生数が増える訳ではない。

出生数が増えないと、将来税金を払ってくれる人が減る事を意味し、税を含めた社会保障制度は現状を維持できない。

今後合計特殊出生率がここ数十年変化しないであろう事を考えると、今くらいが案外バランスが取れた安定した時代なのかもしれない。この人口動態の中で、出生数増加だけでなく、どのように社会を運営していくかが、今回のゼミを通して大事な事だと思いました。

以上、第一回春木ゼミで考えた事です。今後も放送を楽しみにしています。

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