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毎月リレー投稿 第5回「生理痛のメカニズムについて」

NPO法人お客様がいらっしゃいました.のメンバーがそれぞれ個人的に興味関心のある生理と関わるテーマを設定し、調べ、noteにアップしていくリレー投稿。
 第5回は、寄付募集事業の尾本が担当します!
今回のテーマは「生理痛のメカニズムについて」です。

*専門家の情報や、書籍などを参考にして、まとめていますが、メンバー自身は専門家ではないので、あくまでも独自調査によるまとめになります。


なぜ私がこのテーマを選んだかについて

 男性の私にとって生理痛は未知のもので、なんとなく「お腹が痛い」というイメージはあるものの、その実態についてはあまりよくわからないというのが正直なところです。皆さんはいかがでしょうか?生理痛は、生理当事者の約8割が経験すると言われています。しかしながら、生理非当事者はもちろん、生理当事者であっても、自分や他人の「生理痛」について理解できている人は少ないのではないでしょうか。また、そもそも男性は、知ろうと思っても、知る機会が少ないのではないでしょうか。そこで、NPO法人お客様がいらっしゃいました.の男性メンバーとしてだけでなく、一人の人間として、生理痛について知りたいと思い、このテーマを選びました。


生理痛とは?

そもそも生理痛とは、何なのでしょうか。日本女性心身医学会によると、以下のようなものが生理痛だそうです。
 
生理の直前から、生理中にかけて、子宮が収縮するために起きる下腹部や腰の痛みのことを言いますが、頭痛、胃痛、吐き気、めまい、腸蠕動痛(ちょうぜんどうつう)・下痢などを伴うこともあります。

生理痛は、ただお腹や腰が痛いだけではないということなんですね。僕自身とても驚きました。また、腹痛や、腰痛、頭痛など、生理痛の症状の中には、PMS(月経前症候群)と同じ症状もありますが、PMSと生理痛の違いは、生理前に出るか、生理中に出るか、だそうです。


生理痛が起こる仕組み

次に生理痛のメカニズムについて見ていきたいと思います。
予防医療・栄養コンサルタントの細川先生(2021)によると、生理痛は、10代と20〜30代ではその原因が異なるそうです。その違いを以下にまとめましたので、ご参照ください。

10代
10代では、子宮の出口が狭いことにより、この痛みがおきます。この年代では、子宮がしっかり育っていないので、子宮の出口が狭いのです。それで、生理の血がスムーズに外に押し出されず、血を押し出そうとして子宮の出口に圧がかかり、痛みが生じます。
20〜30代
20〜30代になると、子宮は育つのですが、ストレスを感じたり、偏った食事をしたり、不規則な生活になったりということが原因で子宮の収縮が強くなって、生理痛になります。
つまり、20〜30代の生理は、食生活を中心とした生活習慣を整えることで改善が見込めるということです。
また、「子宮の収縮」という言葉がありましたが、これはどういうことなのでしょうか?
細川先生(2021)によると、この子宮の収縮の指令を出す役割なのが、「プロスタグランジン」という痛み物質だそうです。プロスタグランジンは、多く分泌されるほど痛みが増します。多く分泌される原因には、「出産経験がなく、膣が狭いこと」や、「子宮の位置や形的に血液が通りにくくなっていること」、そして「プロスタグランジンの生成が多い遺伝子を持っていること(つまり生まれつき)」などが挙げられます。また、プロスタグランジンのせいだけではなく、血液がドロドロになることで、子宮頸管(子宮と膣をつなぐ細い管)を通りにくくなり、痛みが生じることもあります。
つまり、
プロスタグランジンを必要以上に分泌させないこと
・「血液をサラサラ」にして、血のめぐりをよくすること
に気をつけることで、生理痛の痛みを緩和できる可能性があります。


生理痛の対策

上記において、生理痛を緩和させるためには、
①食生活を中心とした生活習慣を整える
②プロスタグランジンを必要以上に分泌させないこと
③「血液をサラサラ」にして、血のめぐりをよくすること
を意識することが重要であるとわかりました。
では、それぞれどうすれば良いか、詳しく以下にまとめましたので、ご参照ください。

①食生活を中心とした生活習慣を整える
カップラーメンやポテトチップスなどの偏った食生活をするのではなく、バランスの良い食生活を送ることが大事です。例えば、朝ごはんを食べる、マグネシウムを摂取するなどです。実は、朝ごはんを食べる人は生理痛が軽いことがわかっています。生理痛が軽い人の割合がなんと、74%もいたそうです!
マグネシウムが大事である理由は、筋肉を収縮したり、食べたものをエネルギーにかえたりします。つまり、パワーの共源です。子宮や心臓、腸の収縮もさせます。そのため、マグネシウムを摂取することで、生理痛の痛みを緩和できます。マグネシウムが含まれている食べ物は、ほうれん草、アーモンド、納豆、豆乳、しらす干しなどがあります!これらの食材を朝ご飯と一緒に取ってみるとさらに良いと思います。

②プロスタグランジンを必要以上に分泌させないこと
これには、「食生活の改善」が大切です。上記のとおり、偏った食生活をするのではなく、バランスの良い食生活を送ることでプロスタグランジンの分泌が緩和されます。

③「血液をサラサラ」にして、血のめぐりをよくすること
とにかく血のめぐりをよくするには、身体を温めることが大事です。例えば、「お風呂に入る」、「散歩をする」、「温かい飲み物を飲む」などがよいです。それにより、身体の体温も上がり、血のめぐりがよくなります。

以上が生理痛の対策です!
ぜひ試してみてください!^^

感想

ひとえに生理痛と言っても、その症状は人それぞれであって、たくさんの対処法があることを知りました。「男性は生理当事者ではないから、生理について本当に理解することはできないのではないか」という意見を聞くことがあります。確かに、生理を実際に経験することはできないので、実際の痛みや辛さを完全に理解することは難しいと思います。ですが、少なくとも生理痛について知ること、学ぶことはできます。知ることで、完全に理解はできなくとも、周りの方が生理痛で辛い思いをしているときに適切な対応をすることができると、今回の調査を通して感じました!

参考文献

一般社団法人 日本女性心身医学会.「女性の病気について」. JSPONG.
https://www.jspog.com/general/details_08.html,  (2022年11月30日)

細川モモ (2021).『自分の体を守る正しいデータをもてなかった女性たちへ—生理で知っ ておくべきこと』, 日経BP