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毎月リレー投稿 第4回「専門家の方へのインタビュー」

 毎月リレー投稿、第4回目は広報局の森田が担当します!
 今回のテーマは「専門家の方へのインタビュー」です。

今回インタビューを行った専門家の方は助産師の萱場友莉江様です。助産師でありながら、子育てもされているというパワフルな方です。9月から始めたここらくでの活動内で出会い、今回インタビューをお願いしました。今回は生理の基礎的な情報について質問させていただきました。

※インタビューにあたり、萱場さんからは 「内容を分かりやすくするため、医学的な内容に関して説明を簡略化する場合があります」とのコメントを貰っています。


Q1.萱場さんはどうして助産師になろうと思ったのですか?

A.もともと子供や赤ちゃんが好きで、仕事としても子供や赤ちゃんに関わることが出来たらと考えていました。
子どもに関わることが出来る仕事にはいくつかありますが、その中で「赤ちゃんがこの地に降り立つお手伝いをする」という助産師の仕事に特に魅力を感じ、助産師としての道を目指すことにしました。大学で助産師の資格を取れるコースに進むには、人一倍勉強をしなければならず、やりたいことをセーブして勉学に取り組むのは大変でした。また、実際に助産師となって働き始めるとハッピーなことだけでなく色んなことがありました。
ただ、やっぱり子どもは可愛いし、小さな命を必死に育てようとしているお母さんやお父さん方が愛おしく思えて、仕事をしながら「助産師として仕事をしていて良かったな~」と思ったことを今でも覚えています。
6年前に自分自身が子供を授かってからは、病院勤務の助産師は一度お休みし、自分自身の子育てと両立できるペースで“NPO法人そら”さん と連携した助産師相談会などと通じて、地域のお母さんやお父さん方の子育てに関する悩みを伺ったり、
地域の農家さんを始めとした方に協力を頂きながら、子育て家庭が楽しめるイベントを定期的に開催したりしています。
同じ妊娠・出産・子育てでも、周りにいる人の関わりによって感じることができる「幸せ」は大きく変わる様に感じます。
まだまだ私自身も勉強中の身ではありますが、今後も私なりの活動を続けながら、子育てを頑張るお母さんやお父さん方が「子育てって幸せだな~」と感じる瞬間を増やしていけたらと思っています。


Q2.生理中の症状、生理痛やPMSが起こるメカニズムなどについてお聞きしたいです。

A.生理中の症状である生理痛やPMS(月経前症候群)については、Webなどでも詳しい説明に触れることができますが、
ここでは簡単に説明させて貰えたらと思います。

~生理痛について~
生理は “子宮の内側を覆っている子宮内膜が剥がし、血液(経血)と共に体外に排出する” 身体の動きですが、
その血液(経血)を身体の外に押し出す時には、子宮自体が収縮する動きをします。
この子宮の収縮には痛みを伴うことがあり、この痛みが一般的に生理痛を呼ばれているものです。

~PMS(月経前症候群)について~
女性ホルモンとして、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があるのですが、生理前後でこのホルモンバランスが大きく変化する傾向にあります。その際の身体にとってのホルモンバランスの崩れが、PMS(月経前症候群)の大きな要因と言われています。感情の落ち込みや身体の倦怠感など、症状は人によって様々です。


Q3.生理痛の対処法についてお聞きしたいです。

A.先ほど”生理痛”について簡単に紹介させて貰いましたが、痛みの元になっているのは「子宮の収縮」です。過度な子宮の収縮が行われていたり、子宮の収縮のリズムが乱れていたりすると、痛みとして現れやすくなります。例えばですが、血が滞っていると子宮はその分だけ一生懸命に血を出そうとして子宮の収縮を強める傾向がありますし、生理に関わるホルモンバランスの乱れが大きいと、子宮の収縮のリズムが崩れてしまう傾向があります。
ここまでの内容を踏まえた上で、まずは「生理痛が来てしまった時に出来ること」を紹介できたらと思います。

生理痛が来てしまった時には、まずは「身体を温める」ということを是非実施して貰えたらと思います。身体を温めて血行を良くすれば、その分だけ経血は「サーッ」と外に出やすくなるため、結果として痛みの原因である子宮の収縮も緩和され、生理痛を抑えることができます。温め方についてですが、ホッカイロなどを使って”特に痛みを感じるところ”を温めるという対応で大丈夫です。
痛みを感じるところの近くに血の滞りがあることが多いので、それによってある程度緩和することが出来ると思います。
ただ、痛みがあまりに強い傾向がある時は”放散痛”と呼ばれるのですが、”痛みを生じているところと痛みがあると感じるところ”にズレが生じる場合があります。痛みを特に感じるところだけでなく、お腹周りを中心に万遍なく温めると良いかと思います。
出来る人は足浴を試してみると良いかと思います。浴槽や少し大きめの桶を使って膝下くらいまでお湯に浸かるイメージです。
お湯の温度は“心地よい”と感じる温度で大丈夫ですが、短時間しか足浴できない時は少し熱めのお湯を使っても良いです。
足を温めることによって、結果的に全身の血流が上がり、血行が良くなることによって生理痛を軽減することができます。
生理中、浴槽に浸かっても大丈夫です。体に不純物は入らないので、悪いことはないですが、経血が浴槽に入るのが嫌な人は足浴でも大丈夫です。無理して全身浸かる必要はないです。

また、別の温め方としては薬局に売っている「お灸」もあります。「お灸」と聞くと、”寝っ転がって火を使って、、、”というイメージが強いかもしれませんが、最近は火を使わない服の下に貼るだけのお灸も売っています。
温度的にはホッカイロよりも高いことが多いですが、温めている面積が小さいので心地よい温かさとして感じることができます。
もし、興味をもって頂けましたら一度覗いてみてください。一緒にツボについても調べてみると一層効果をアップできます。
どうしても、耐えられない時にはロキソニンを飲む形になるかと思います。ロキソニンを飲むと薬の働きで痛みを抑えることが
できますが、私としては「生理痛は身体のバロメーター(身体の健康状態を図る指標)」と考えているので、辛いですが、痛みと少し向き合って生活を振り返ってみる時間を大切にして欲しい想いもあります。


Q4.生理痛が酷くならない様にするために、大切なことはどのようなことですか?

A.先ほども少し触れさせて貰いましたが、「生理痛は身体のバロメーター(心と身体の健康状態を図る指標)」と私は考えています。
生理痛が来てしまった時に、それを和らげる方法も紹介しましたが 「来てしまった生理痛を色々やって和らげる」というのは、少し専門用語になりますが ”対症療法”でしかないと私は考えています。対症療法を簡単に説明すると “起きてしまった痛みに対して対処を行うことによって、痛みを軽減すること” を指します。

“対症療法”ではなく、根本的に生理痛を抑えようと思ったら、生理ではない時の日頃の生活習慣を整えることが大切です。
「何を食べていたか?」「どんな生活を送っていたか?」「身体を冷やす様な格好はしてなかったか?」など、そういうことを丁寧に考えながら、自分の生活を顧みていくことにより、生理痛の発生そのものを抑えることが出来る様に考えます。
ちなみに私は、生理痛と向き合いながら身体を整えていった結果、今はほとんど感じない程度の生理痛になりました。

例えば、睡眠に関しては太陽の動きと共に就寝・起床を行うことで身体を整えることが出来ます。専門用語になりますが、私たちの身体は”サーカディアンリズム”と呼ばれるリズムを持っており、日の出と共に起きて日の入りを意識して就寝することによってこのリズムは自然と整います。もしかすると「そんな生活できない」と思われる方もいるかもしれませんが、電気が世の中に浸透していなかった時には、みんな自然と行っていたことです。

とは言え、「どうしてもやらないといけないこと」はあると思います。大学生であれば日々多くのレポートに追われていると思います。
そういう時は、ドリンクなどを使って無理やり身体を起こして夜更かしするのではなく、”思い切って早く寝て、太陽と共に起きて”取り組んでみることを意識してみると、身体のリズムが崩れないため、生理痛が酷くなることを防げるかもしれません。

また、食事については “エストロゲンやプロゲステロン等の女性ホルモンの材料がたんぱく質や脂質で出来ている事” をまず理解して貰えたらと考えています。もちろん、脂質にも色々と種類はありますが、なんでもかんでも避けてしまうと、女性ホルモンを
作るための材料が足りなくなり、その結果としてホルモンバランスが乱れ、生理痛が酷くなることに繋がってしまうかもしれません。

“口から取り入れるもの”という観点では「命の母」という漢方薬を使ってみることを私としてはオススメしています。
睡眠や食事を含めた生活習慣を整えることはまずはベースとして意識して貰いながらも、必要に応じてサプリや漢方薬を使って身体のサポートしてあげると、生理の期間をより快適に過ごすことが出来る様になると思います。
自分の身体と整えていくことは一朝一夕で出来ることではなく、少し気長な対応が必要ですが、自分の身体と向き合っていく事は大切なことですので、まずは出来るところから少しずつチャレンジしてみて貰えたらと思います。


Q5.インターネット上に書かれている内容の信憑性、著者や発信元など、どの点に注意するべきですか?(インターネットの情報でカフェインの効果が良い場合と悪い場合の2つ見つかりました。)

A.この点は、確かに多くの人が気になる観点かもしれませんが、私として 「その情報を受け通ったご本人の方が、”その内容”に取り組んだ時に心と身体がどの様に変化するか?」に着目することが大切であると考えています。

例えば、質問の中で挙げて頂いた「カフェイン」の観点ですが、カフェインには”血管を収縮させる働き”があります。血管が収縮すると、その分血液の流れが悪くなるため血行が悪くなりますので、生理痛は酷くなってしまう方向です。

ただ、日頃からコーヒーを飲む習慣がある人が生理の時だけカフェインを取るのを避けようしてコーヒーを控えようとすると、
その分イライラしてしまい”心の健康”を損ねてしまうかもしれません。ストレスが溜まると、ホルモンバランスは乱れてしまう傾向に
あるため、その方にとっては「カフェインを控えようとしたが故に、生理痛が酷くなってしまう」ということを起こしかねません。

Webで発信されているコラムなどの情報は、「発信されている方の体質や嗜好に影響を受けている」ことが多いです。
発信されている方と同じ体質や嗜好を持っている人にとっては、そのまま鵜呑みにして取り組んでみても十分な効果はあるかもしれませんが、異なる体質や嗜好を持つ人だと鵜呑みにして実践すると逆効果になる場合もあると感じます。

Webで見つけた情報は、自分の生理と向き合っていくための”ヒント”として捉えて頂きながら、その“ヒント”を元にしながら「自分自身の心と身体の健康」にしっかり向き合い、”自分に合う方法”を見つけていく」のが良いと私としては考えます。


Q6.生理中にしてもよいこととしてはいけないことはどのようなことですか?

A.先ほどの話にも繋がりますが、「心と体を酷使し過ぎない」ことがまずは大切です。例えば、Webで「生理痛 軽減」と調べると、「あれをしなさい」「これをしなさい」だったり、もしくは「あれをしてはダメ」「これはしてはダメ」みたいなことが多く目に留まりますが、それを意識し過ぎることにより、心を酷使してしまうと、逆にストレスが溜まりホルモンバランスが崩れてしまうので本末転倒です。「色々頑張って試してみたのにホルモンバランスが崩れたことで生理痛が酷くなる」という悪循環を生じてしまう可能性もあります。

もちろん、心の健康を保つためとは言え、”暴飲暴食をしたり” などの身体を酷使する様なことはもちろん避けるべきですが、明らかに不健康な生活を送っていない限りは、「生理だから」何か特別なことをするのではなく、”ホルモンバランス”という観点を頭の片隅に留めながら”心の健康を保つ”ことに意識を向けてみると良いのではないかと思います。
ちなみにここまでの話の中で、エストロゲンやプロゲステロンという女性ホルモンには触れましたが、生理の時の子宮収縮を司っているのはプロスタグランジンというホルモンです。このホルモンは出産の時の子宮収縮を促す時にも放出されています。
もし興味があれば、一度調べてみてくださいね。


Q7.年代別の生理の違い、注意すべきことはどのようなことがありますか?

A.年代別での生理の違いもある程度はありますが、年齢を経るほど身体の健康状態にも幅があることを踏まえると、私としては“その人次第”という印象の方が強いです。例えば、仕事が忙しくなったり、子育てに追われていたりなど、その方が置かれている状況の違いを背景とした”生活習慣の違い”の方が、生理の違いを生じやすいのではないかと感じています。

一般的には年齢が上がり更年期に差し掛かってくると、若い時に比べてホルモンバランスが乱れやすくなる傾向にあります。それによって、「これまではこんなことなかったのに、、、」という様な不正出血であったり、「ちょろちょろと血が出ていたと思ったら、突然ドバっと出たり、、、」の様な生理トラブルを生じやすくなります。同様に、生理が始まったばかりの頃もホルモンバランス等がまだ十分に整っていないことを背景としたトラブルを生じやすいです。

いずれにしても、「自分自身の心と身体の健康にしっかりと向き合う」ことに是非注意を向けて貰えたらと私は考えています。「今まではこうだったから」ではなく、「今の自分はどうなっているか?」ということを考えながら過ごしていくことができれば、年齢を重ねていく中でも、生理と良い付き合い方を続けていけるのではないかと思います。


Q8.生理に悩む女性に男性がどう接しているか、どう接したらいいですか?

A.男性側の接し方についてですが、まずは「女性の生理を理解しよう」という心構えを持って貰えれば嬉しく思います。身体の違いがあるので男性側が女性側の気持ちを100%理解することは難しいかもしれませんが、女性側から男性側に生理の話を積極的には言わないことも多いので、”まずは男性側から聞いてあげる”ということが大事かと思います。

その上で、「パートナーの生理がいつ頃に来るのか?」を男性側もちゃんと把握しておき、
「生理前は余計なことを言わない様にしよう」などを意識してくれるだけで、女性側はとても気が楽になると思いますし、生理前で気分が不安定な時のも”穏便な生活”が守られるのではないかと考えています。

生理の時には感情の落ち込みや身体の倦怠感があるため 「余計なことをしないで欲しい」 という想いを女性側は大なり小なり持っていることが多いです。男性側の「何かしてあげよう」という気持ちは大事ですしとても素敵だと思いますが、少し視点を変えて「何をしない様にするべきか」という点に対しても、少し考えて貰えるとより良い関係を築けるかもしれません。

一方で 「お腹が痛い」「腰が痛い」と女性側は言っている時には、難しいことは考えずに摩(さす)ってあげて欲しいと思います。お腹や腰を直接摩(さす)るのが難しい時は、背中などでも摩(さす)ってあげるだけでだいぶ女性側はだいぶ楽になると思います。
また、生理の時には”生理を通して多くの血が身体の外に出てしまっている”が故に元気が無くなりがちです。側にいる方が、生理中の女性に対し「お肉や魚を交えた栄養豊富なご飯を作ってあげる」など出来るとより素敵だと思います。

最後に、多くの男性の皆様は理解されているとは思いますが、生理中の性行為はもちろんNGです。専門的な観点から一言添えますが、”生理中の性行為”は“身体の外に出さないといけない血を体内に再び押し込む”という行為になりますので、女性側が感染症を患うリスクが非常に高いです。大切な女性のパートナーを務められる男性の皆様には、その点を頭に留めて頂いた上で、優しく女性側に寄り添って貰えたらと思います。

・最後に

 萱場さんはお話をしていて、すごく気さくな方で、この方なら悩みをすらすらと打ち明けることができるなと思いました。またインタビューの内容もすごく丁寧に考えていただきました。私自身、生理中の即効性の対処法ばかり気にしていたのですか、日頃の生活から変えていくという言葉を聞いて、意識できていないことだと思ったので、普段から生理についてきにしていこうと思いました。また、萱場さんは「自分で気づくことが1番大切」という風におっしゃっていました。自分の体は自分がよく知っています。生理だけでなく、いろんなことに関わりがあると思い過ごしていきたいです。

 以下、萱場さんのSNSになります。気になった方はぜひ、連絡を取ってみてください。
【ご参考になるページ】

①ホームページ「助産師 友莉江」
https://midwifeyurie.theblog.me

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(親子さん向けの口調ですが、内容は皆さんに当てはまります💡)

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