あまさぐじょー

学生のモラトリアムを持て余してます。やけに老いさらばえたような言動をしてしまう・・・なぜ?

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The catcher in the rye (ライ麦畑でつかまえて) 講評(1/3)

 心乱れる瞬間は多く、求める平凡とは程遠い。そう感じるときに小説が生まれ、詩ができるのならば、それは婉曲に嘆きの形をとる。The catcher in the rye (1951, J・D・サリンジャー) は、作者の歩んできた人生を色濃く投影しているという点において、その一つである。  ところで、この作品について講評する前に断っておくが、今回は野崎孝訳(1984, 白水uブックス)について話す。のちに出版された村上春樹訳は未読であるから、そこは了解していただきたい。 作品

    • A Christmas Carol 講評

      "A Christmas Carol" (Charles Dickens, 1843) では、物語の主人公である、守銭奴のScroogeが、こんな言葉を発している。 「俺には楽しいクリスマスなんてないし、他人を喜ばすために金を使うつもりもない。俺たちはただ刑務所と救貧院に金を払うだけで十分だ。貧しい奴らはみんな、そこに行けばいいだろう」 クリスマス・イブの夜、極度にケチなSrcoogeは、同業者と思われる男との会話の中で、ある意味では、現実的ともいえるほどの言葉を発した。