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有馬記念の指数と見解

 この記事は日曜日に行われる重賞レース(重賞が重複した場合は格が高い重賞を優先)の指数と見解を述べる記事となっています。

 まず最初に先週の回顧をします。あまり今週のレースには直結しないので、時間が無い方は読み飛ばしていただいて構いません。次に予想するレースのポイントをまとめます。過去5年分のデータを参考にどういった特徴を持った騎手あるいは馬が馬券対象に好走するのかを、分かり易く簡潔にお伝えします。最後に指数と見解を発表します。全馬の指数・私の印を提示し、能力指数・PRD指数・総合指数の上位馬を引用にまとめ、印を打った理由を明確に示します。

 なお、この記事は無料記事です。詳しい予想方法につきましては『隼の予想スタイル』をご覧下さい。指数の回収率につきましては『今後の予定&前半戦振り返り』をご覧下さい。

 他にも私が予想家を始めた当初から投稿している『今週の厳選馬』(週末に行われる中央競馬全レース/暫くはOPクラスを対象に、穴馬を多数取り上げる記事)・フォロワー50名様突破記念として投稿している『新馬のすゝめ』(関西圏で行われる新馬戦の中から、最も狙いたい1鞍を紹介する記事)もよろしくお願いします。それぞれ先週の結果につきましては下記の説明欄か今週出される記事をご覧下さい。

 『今週の厳選馬』は基本100円ですが、記事を購入して下さった方には特典として、この記事レベルに自信があるレースをプラスしてお伝えします。先週の対象レースはディセンバーSで本命ハーメティキストは届かず6着。明らかに内前有利のトラックバイアスが効いていて、この傾向は有馬記念でも使えそうです。購入者限定特典は1/2的中(阪神10R馬連29.7倍)という結果でした。

 いよいよ今週で今年が終わります。振り返ってみると記事を投稿し始めて丁度9ヶ月が経ちました。ここまで応援して下さった皆様、本当にありがとうございます。授業がある時期や週末忙しい時期は、記事の入稿が遅れたり指数を出す時間が遅くなったりと、たくさん迷惑をかけてしまいましたが、それでも毎週続けてこれたのは皆様のおかげです。来年は全記事で回収率100%超えを目標に頑張ります。また新しい記事や読者様を交えた企画など、様々なことにチャンレンジしていきたいです。

 有料後の好走馬につきましては下記の記事をご覧下さい。今週取り上げるレースは火曜日に行われるホープフルS(G1なので豪華版)を予定しています。土曜日の阪神C&日曜日のりんくうSはサポートを下さった方限定で予想を公開します。

 『新馬のすゝめ』は完全無料です。新馬戦なので普段使用している指数を運用できませんが、代わりに血統・調教・騎手・厩舎・生年月日といった、新馬戦で重要なファクターを詰め込んだ「レーダー」を用いて予想していきます。そのレーダーの詳細・『新馬のすゝめ』の概要等につきましては先週の記事をご覧下さい。


1.朝日杯FSの振り返り

➊ 朝日杯FSの結果

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➋ 朝日杯FSの予想記事
➌ 朝日杯FSの回顧

 1着のドウデュースは見た目以上に強い競馬でした。直線に入って仕掛けられてからのストライドの伸びと一歩一歩の力強さは、古馬に通ずるレベルで、現時点での完成度の高さに驚きました。同じハーツクライ産駒でいうとこのレースを圧勝したサリオスが思い浮かびますが、その時よりも強い衝撃を感じます。来年のクラシックは当然のこと無敗の三冠馬を狙える逸材かもしれません。ただサリオスのように古馬になってからの伸び悩みがこの馬のポイントになりそうです。

 2着のセリフォスはダイワメジャー産駒らしく最後キレ負けしてしまいました。やはり新潟2歳Sのパフォーマンスを見る限り、左回りの直線が長いコースがベストなんでしょう。それは前走のパフォーマンスの低さからも言えることで、成長していくに連れカバーできるものかもしれませんが、皐月賞よりもNHKマイルC向きかなと現時点では思います。ただ兄弟や父を見てると、無難にこなしてしまいそうな気もしますが…

 3着のダノンスコーピオンは条件が合った馬らしくそれなりに走ってくれました。過去2戦をみると一生懸命追わないと脚を使えなかったり、いずれも僅差の勝利など、心許ない点が多々ありましたが、多頭数でも大きく変わることなく同じパフォーマンスができたという点は評価すべきだと思います。ただこれからマイル路線を使われていく中で、軽い仕掛けで速い脚を使えないとなれば、大舞台で不利になることは間違いないでしょう。


2.有馬記念のポイント

➊ 昨年のレース前指数

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 流石グランプリだけあってどの部門でも高い指数が求められます。特に去年の1、3着馬は全部門で60を越える高指数をマークしていました。人気薄狙いたい場合は、変に能力が高い馬よりも、舞台相性や状態が良い馬を狙うといいでしょう。少なくともPRD指数55以上は欲しいです。

➋ 有力馬のレース前指数診断 ※近3走平均は海外戦を除く
・推定1人気 ⑦クロノジェネシス

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 この指数を見てもらえれば分かる通りレース前指数がそのままレースパフォーマンスに直結するタイプの馬で、近3走とも全部門で60を越える指数を叩き出しています。また宝塚記念のレース前指数とレースパフォーマンスが抜けていることから、瞬発力勝負よりも持続力勝負が得意な馬だと言えるでしょう。今年はどちらかと言えば持久力に向きそう(1枠2番のパンサラッサと大外のタイトルホルダー)なので、展開面での心配はありません。ただ昨年の調教と比較すると、今年の状態面が心配です。

・推定2人気 ⑩エフフォーリア

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 1番人気が予想されるクロノジェネシスとは真逆の存在で、あまり指数が安定していません。前走の天皇賞秋は圧勝したものの、レース前指数は日本ダービーを僅かに下回っていました。このことからこの馬で大勝負というのはあまりおすすめできませんが、それでも連対を外していないのが1つの魅力で、今回圧倒したレース前指数をマークできれば、逆に堅い軸になるのではないかと考えています。ただスローの瞬発力勝負が得意という点では、クロノジェネシスに分がありそうです。

・推定3人気 ⑨ステラヴェローチェ

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 異常に指数が高く見えるかもしれませんが、これは近2走メンバーレベルに恵まれた証で、ハイレベルの日本ダービーでは平凡なレース前指数をマークしていました。これに加え1つ気になるのが、前走これだけのレース前指数をマークしておきながらも4着に甘んじてしまった点です。いくら状態が悪かったにしても、最後の直線で2頭をかわせなかったのがどうしても頭に残ります。今回状態が良いのは調教から間違いないので、今の時点でどれだけ上記2頭に迫る指数を出せるのか注目です。

・推定4人気 ⑯タイトルホルダー

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 元々指数をそこまで出さない馬で、この傾向は東京スポーツ杯から続いています。前走も圧勝でしたが、レース前指数は53程度で相手筆頭までの評価でした。今回一気にメンバーレベルが強化されますが、この馬は指数よりも馬込に入るか入らないが争点で、その点では大外枠がプラスに出る可能性が高いです。ただ1枠2番にパンサラッサがいるので、重賞未勝利の横山和生騎手には少し荷が重いかなと思います。仮にレース前指数が覚醒したとしても、そこまで重い評価は打ちません。

・推定5人気 ➄ディープボンド

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 上記4頭と違う点はここまでのキャリアで60を越えるレース前指数を出したことがない点(重賞限定)と、相手が一枚落ちる天皇賞春でしかG1好走経験がない点です。また推定4人気のタイトルホルダーでさえ皐月賞で好走したことを考えると、上記4頭よりは1枚下の能力だと思います。ただそれでも今回に向けて1ヵ月前から乗り込んでいる点は評価できますし、何と言っても最終追い切りの動きが今までとは違う動きで、これをこの馬の完成期だと考えると、自ずと無視はできない存在でしょう。

➌ 過去5年のデータ分析 ※該当馬は総括の表に掲載
ポイント➀ 騎手所属〔栗東・外国〕

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ポイント② 馬の年齢〔3~5歳〕

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ポイント➂ 生産者〔ノーザンF&ヤナガワF〕

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ポイント➃ 前走人気〔1~5人気〕

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ポイント➄ 前走着順〔1~4着〕

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ポイント➅ 前走着差〔勝利・0.6 秒以内〕

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ポイント⑦ 前走斤量〔 55.5 ~ 57 ㌔〕

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ポイント⑧ 前走クラス〔G1〕

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ポイント⑨ G1勝利経験〔過去2年以内〕

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ポイント⑩ 有馬記念の調教パターン〔➊&➋〕

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ポイント➀~⑩ 総括〔データから見る注目馬〕

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 以上、上記に挙げたポイント➀~⑩の内、ポイント➀を除く9つに該当したエフフォーリアをデータから見る注目馬とします。前走の勝ち方、ダービーでのパフォーマンスを見るに距離延長は問題なさそうですし、皐月賞で1度中山競馬場を経験しているのも大きなアドバンテージだと思います。後は全部門で60を越える高指数を出せれば、文句無しの本命ですね。

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3.有馬記念の指数

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【能力指数/ベスト5】
1位 ➆クロノジェネシス   69.88
2位 ⑩エフフォーリア    65.82
3位 ⑯タイトルホルダー   53.19
4位 ➀ペルシアンナイト   53.16
4位 ➅ウインキートス    52.98
【PRD指数/ベスト5】
1位 ⑩エフフォーリア    65.33
2位 ➆クロノジェネシス   64.96
3位 ⑨ステラヴェローチェ  58.98
4位 ⑯タイトルホルダー   58.45
5位 ⑭アサマノイタズラ   55.57
【総合指数/ベスト8】※人気は土曜日深夜時点
1位 ➆クロノジェネシス    68.27 2人気
2位 ⑩エフフォーリア     65.93 1人気
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3位 ⑨ステラヴェローチェ   55.72 3人気
4位 ⑯タイトルホルダー    55.42 4人気
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5位 ➀ペルシアンナイト    53.28   11人気
6位 ➁パンサラッサ      51.85 9人気
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7位 ⑬アカイイト       49.90 6人気
8位 ⑫シャドウディーヴァ
  47.67   15人気


4.有馬記念の見解

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 本命はエフフォーリア。上記で取り上げたデータはもちろん、一皮剥けた指数(自己ベスト)をマークできたのも良い点です。ただ気になる点もあって、距離が少し長い点や、前走より状態を落としている点など、パフォーマンスを下げる要素がいくつか散見されます。そういう意味では怖い本命ですが、余程展開が向かない以外は馬券外になることが考えられませんでした。

 対抗はクロノジェネシス。この馬も本命同様自己ベストの指数をマークしていますが、状態面ではエフフォーリアに劣るので対抗に印を下げました。というのも昨年の最終追い切りと比較した際に、併せた馬に騎乗している騎手の反応、クロノジェネシスの足さばきを見て、やはり昨年のデキには無いと確信しました。そこが本命と対抗のPRD指数にも表れています。

 単穴はステラヴェローチェ。この馬はパフォーマンスの割にレース前指数が出やすいタイプですが、このメンバー相手に55の指数を出せたことは一つの成長だと思います。あとは展開面だけで、内枠に入ったパンサラッサがどれだけ速いペースでいくのか、また大外のタイトルホルダーがどこまでそれについていくのか、前走を見る限りそこまで流れて欲しくないです。

 4番手はタイトルホルダー。指数を出す前も出した後も気持ちは変わりませんが、相当厳しくなると思っています。何度も言いますが前走は横山武史騎手が完璧に騎乗したレースで、その割には飛び抜けた指数が出ている訳でもありません。ましてや過去馬券内にきたことがない大外枠で、重賞未勝利の横山和生騎手ですから、仮に上手く乗ったとしても連下まででしょう。

 5番手はペルシアンナイト。ここからは能力が一枚落ちますが、この馬に関してはスタート次第で距離をごまかせる馬で、3走前の札幌記念のような乗り方をすれば、馬券内にきてもおかしくありません。鞍上がCデムーロ騎手なのも好都合で、あまり後方のポジションを好む騎手ではないですから、仮にスタートが失敗しても良い位置でレースをしてくれることでしょう。

 6番手はパンサラッサ。この馬は道悪での走りが非常に良い馬で、人気薄ながら好走したラジオ日経賞、2年連続稍重のオクトーバーSを好走など、馬場が悪化した方がパフォーマンスが上がるタイプの馬です。今回グッと気温が下がる中山競馬場では霜が降りる可能性が高く、降雪の予報もありますから、この影響が残った場合を考えると全くの無視はできません。

 7番手はアカイイト。正直指数は足りませんし、遠征競馬は結果を残せていませんが、前走のパフォーマンスをフロックと思えないので抑えました。能力はあるので、その遠征競馬さえこなせればといった感じです。

 穴馬はアサマノイタズラ。セントライト記念も高評価をしたんですが、如何せん中山に合う調教パターンをこなす馬で、セントライト記念よりも動きが良いとなると、能力は足りませんが穴という面では面白いと思います。


5.有馬記念の買い目

⑩-➆⑨⑯-➀➁⑦⑨⑬⑭⑯ 3連複15点

受け取ったサポートは指数の精度を向上させる研究に使わせていただきます。また、サポートして下さった方にはお礼として、他重賞で狙っている馬の情報をお伝えします。