エリザベス女王杯の指数と見解

　この記事は日曜日に行われる重賞レース（重賞が重複した場合は格が高い重賞を優先）の指数と見解を述べる記事となっています。
　まず最初に先週の回顧をします。興味が無ければ読み飛ばしていただいて構いません。次に予想するレースのポイントをまとめます。過去５年分のデータを参考にどういった特徴を持った騎手あるいは馬が馬券対象に好走するのかを、分かり易く簡潔にお伝えします。最後に指数と見解を発表します。全馬の指数・私の印を提示し、能力指数・ＰＲＤ指数・総合指数のトップ５を引用にまとめ、印を打った理由を明確に示します。
　なお、この記事は無料記事です。詳しい予想方法につきましては『隼の予想スタイル』をご覧下さい。指数の回収率につきましては『今後の予定＆前半戦振り返り』をご覧下さい。

　他にも私が予想家を始めた当初から投稿している『今週の厳選馬』（週末に行われる中央競馬全レース／暫くはＯＰクラスを対象に、穴馬を多数取り上げる記事）・フォロワー５０名様突破記念として投稿している『新馬のすゝめ』（関西圏で行われる全新馬戦の中から最も馬券的に面白い１鞍を勧める記事）もよろしくお願いします。それぞれ先週の結果につきましては下記の説明欄か今週出される記事をご覧下さい。

　『今週の厳選馬』は基本有料／１００円ですが、記事を購入して下さった方には特典として、この記事レベルに自信があるレースをプラスしてお伝えします。先週の対象レースはみやこＳで本命のアシャカトブ、対抗のスワーヴアラミス共に馬券外でハズレ。購入者限定特典は２／２Ｒ的中（阪神４Ｒ３連複・阪神５Ｒ馬連）という結果でした。
　先週は分析力強化月間（１１月）の成果を出せた１週間だと思います。みやこＳは外してしまいましたが、土曜日の京王杯で馬連７４倍、日曜日の両新馬で取りこぼしなく的中できました。今週も気を抜かずに頑張ります。
　有料後の回収率につきましては下記の記事をご覧下さい。今週取り上げるレースは福島記念を予定しています。土曜日の武蔵野Ｓ＆デイリー杯２歳Ｓはサポートを下さった方にのみ予想を公開します。

　『新馬のすゝめ』は完全無料です。新馬戦なので普段使用している指数を運用できませんが、代わりに血統・調教・騎手・厩舎・生年月日といった、新馬戦で重要なファクターを詰め込んだ「レーダー」を用いて予想していきます。そのレーダーの詳細・『新馬のすゝめ』の概要等につきましては下記のマガジンからご覧下さい。

新馬のすゝめ｜隼｜note

１．アルゼンチン共和国杯の回顧

アルゼンチン共和国杯の予想《以下の記事参照》

　レースタイムは２：３２．４。過去１０年でみると４番目に遅いタイムで、重馬場を除くと３番目に遅いタイムです。レース全体の指数もＯＰ級同等で低調でした。好走馬が次走そこそこのＧ２・Ｇ１で人気した場合は危険視すべきだと思います。
　本命のフライライクバード。道中は勝ち馬並の手応えがあったので、これは貰ったと思いましたが直線に向くと思ったより伸びませんでした。条件・レース展開共に向いただけに、気持ち距離が長そうです。ただこのレースが２０００ｍだと勝ってたかと言われると微妙なラインで、なかなか評価が難しいですが現状現級では力不足の可能性が高いと思います。指数は十分出ているので、中日新聞杯を目指して調整して欲しいです。
　対抗のマイネルウィルトス。レース前予想の見解で述べた前進気勢（道中行きたがる面）が多々見られましたが、流石にこのメンバーでは力上位でした。この馬もフライライクバード同様気持ち距離が長いというか、前進気勢が強いので本来持つであろう距離が持たないんだと思います。もし重賞を取りたいのであれば、札幌競馬場のような小回りの競馬場が良いでしょう。
　単穴のアンティシペイト。道中あれだけ掛かると厳しいです。良い仕上げだっただけに悔やまれますね。暫くはＯＰ級で経験を積むと良いと思います。競馬場を問わないタイプなので、積極的に使っていくべきでしょう。
　最後にオーソリティ。よくこのデキで勝ちましたね。といっても流石にメンバーレベルが低すぎたといった感じでしょうか。おそらく今年もこのレースをステップに有馬記念だと思うので、どれだけ指数が出るか楽しみです。

２．エリザベス女王杯のポイント

　ポイントに入る前に、昨年のレース前指数が残っているので、昨年の結果から考える指数傾向と、今年の有力馬の指数について解説していきます。
　最初に昨年の指数傾向から。昨年人気馬の中で唯一大敗したノームコアにはある特徴がありました。それはズバ抜けたＰＲＤ指数です。圧倒的１位で筆者はまんまとそれに釣られ本命にしてしまいました。このように本レースではＰＲＤ指数よりも能力指数が重要になります。実際１着のラッキーライラック、３着のラヴズオンリーユーは６０越えの高指数（上記表）をマークしていました。今年は６０越えの能力指数を出した馬に注目です。

　さてここからは有力馬が過去に出した指数（レース前）を分析していきます。まずはアカイトリノムスメ。今年の３歳世代はレベルが高く、特に牡馬でいうダービー、牝馬でいう桜花賞にこの世代の強さが詰まっています。その桜花賞では４着と惜敗したものの、最後の一冠秋華賞は見事なパフォーマンスを魅せ勝利しました。実はレース前の段階では前走よりも若干指数を落とし気味だったんですが、それでも総合指数５８で勝ち切るあたり、改めて今年の３歳世代のレベルの高さを感じます。

　次にレイパパレ。こちらは世代トップレベルの牝馬で、三冠を成し遂げたデアリングタクトに並ぶ実力馬です。特に今年の大阪杯では、競馬界を牽引するコントレイル・グランアレグリアに大勝しました。その後パッとした指数が出ませんが、レース前能力指数で６５を超えるなど、順調に成長していることが分かります。今回は（おそらく）叩いてＰＲＤ指数上昇、圧倒的能力派と好走条件が揃いました。 距離も３回目なのでこなしてくれることを期待しています。

　最後にウインマリリン。今年に入り牡馬混合のＧⅡを２勝するなど着々と力をつけていますが、一つ大きな転機となったのが天皇賞春で出した指数でしょう。明らかに距離が長くほぼ大外枠という完全劣勢の中で高指数をマークできたことは、この馬が一皮剥けた証だと思います。あとは状態面で毎回中間に一頓挫ある馬なだけに心配していたんですが、どうやら今回も中間に熱発したらしく、それがどうレースに影響するか心配です。ちなみに調教師はこれまでのデキにないと明言しています。（＝オールカマーを１０としたら今回は？と調教師に聞くと「８以上はあると思う」と返答）

　以上上位人気馬を指数と共に振り返りましたが、昨年の傾向に合致するのがレイパパレ、どう転んでも好走しそうなのがアカイトリノムスメ、ＰＲＤ指数が水準以上あって欲しいウインマリリンといった感じでしょうか。今週はなるべく早く指数を出すつもりなので楽しみにしていて下さい。

ポイント➀　馬と騎手の所属

【今年の該当馬】※両条件に該当
・アカイイト／幸騎手・中竹厩舎
・イズジョーノキセキ／和田騎手・石坂厩舎
・シャムロックヒル／団野騎手・佐々木厩舎
・ステラリア／松山騎手・斉藤厩舎
・ソフトフルート／岩田騎手・斉藤厩舎
・デゼル／武豊騎手・友道厩舎
・ムジカ／秋山騎手・鈴木厩舎
・リュヌルージュ／富田騎手・四位厩舎
・レイパパレ／ルメール騎手・高野厩舎

ポイント➁　レース間隔

【今年の該当馬】
・アカイイト／府中牝馬Ｓ
・アカイトリノムスメ／秋華賞
・イズジョーノキセキ／西宮Ｓ
・ステラリア／秋華賞
・デゼル／府中牝馬Ｓ

ポイント➂　前走の着順

【今年の該当馬】
・アカイトリノムスメ／秋華賞１着
・イズジョーノキセキ／西宮Ｓ２着
・ウインキートス／オールカマー２着
・ウインマリリン／オールカマー１着
・クラヴェル／新潟記念３着
・コトブキテティス／六社Ｓ１着
・ソフトフルート／新潟牝馬Ｓ２着
・テルツェット／クイーンＳ１着
・ムジカ／新潟牝馬Ｓ３着
・レイパパレ／オールカマー４着

ポイント➃　前走の距離

【今年の該当馬】
・アカイイト／１８００ｍ
・アカイトリノムスメ／２０００ｍ
・イズジョーノキセキ／１８００ｍ
・クラヴェル／２０００ｍ
・シャムロックヒル／１８００ｍ
・ステラリア／２０００ｍ
・テルツェット／１８００ｍ
・デゼル／１８００ｍ

ポイント➄　上がり１位馬の成績と共通点

【今年の該当馬】
・ウインキートス／オールカマー（ＧⅡ）
・ウインマリリン／オールカマー（ＧⅡ）
・クラヴェル／マーメイドＳ（ＧⅢ）
・テルツェット／クイーンＳ（ＧⅢ）
・レイパパレ／大阪杯（ＧⅠ）

ポイント➅　調教パターン（同舞台で良馬場のＧⅠ）

・２０１９　宝塚記念
１着 リスグラシュー
週前 栗坂４Ｆ 51.6 37.8 24.7 12.4 一杯 先着 助手
最終 栗坂４Ｆ 54.3 39.4 25.4 12.1 馬也 先着 レーン
２着 キセキ
週前 ＣＷ５Ｆ 65.9 51.2 37.3 11.6 Ｇ追 ⋯⋯ 助手
最終 ＣＷ５Ｆ 67.1 51.9 38.0 11.8 馬也 ⋯⋯ 助手
３着 スワーヴリチャード
週前 ＣＷ６Ｆ 81.2 65.7 51.4 12.0 馬也 先着 Ｍデム
最終 栗芝６Ｆ 80.7 64.2 50.1 12.3 馬也 ⋯⋯ Ｍデム

・２０２０　エリザベス女王杯
１着 ラッキーライラック
週前 ＣＷ６Ｆ 81.1 65.4 50.6 11.9 馬也 ⋯⋯ 助手
最終 ＣＷ６Ｆ 80.5 65.9 51.5 12.3 馬也 先着 Ｃルメ
２着 サラキア
週前 ＣＷ６Ｆ 80.3 64.6 50.0 11.9 馬也 ⋯⋯ 北村
最終 栗坂４Ｆ 52.6 38.3 24.7 12.3 馬也 ⋯⋯ 助手
３着 ラヴズオンリーユー
週前 ＣＷ６Ｆ 78.2 63.6 49.9 12.0 馬也 ⋯⋯ 坂井
最終 栗坂４Ｆ 55.9 39.5 24.8 11.9 馬也 ⋯⋯ 坂井

・軸馬の傾向
❶週前か最終で騎手騎乗の追い切り
❷週前か最終で併せ馬先着
❸最終追い切りは馬也

【今年の該当馬】
・イズジョーノキセキ／和田・先着・馬也
・ウインキートス／丹内・先着・馬也
・ステラリア／松山・先着・馬也
・ソフトフルート／岩田・先着・馬也

ポイント➀～➅　総括〔データから見る注目馬〕

　以上上記に挙げたポイント①～➅の内、ポイント➃を除く５つに該当したイズジョーノキセキをデータから見る注目馬とします。流石に能力的に厳しいと思いますが、指数がある程度高ければ相手に拾います。

３．エリザベス女王杯の指数

【能力指数／ベスト８】
１位 ➀レイパパレ　　　　　７１．７１
２位 ⑨ウインマリリン　　　６２．７１
３位 ➂アカイトリノムスメ　６２．１７
４位 ⑥ランブリングアレー　５７．３４
５位 ➇テルツェット　　　　５４．７７
６位 ⑮ウインキートス　　　５３．７６
７位 ⑫デゼル　　　　　　　５３．２３
８位 ➁クラヴェル　　　　　５０．２４

【ＰＲＤ指数／ベスト８】
１位 ➀レイパパレ　　　　　６５．９０
２位 ⑥ランブリングアレー　６１．６７
３位 ⑨ウインマリリン　　　６０．６０
４位 ➂アカイトリノムスメ　５７．０５
５位 ➁クラヴェル　　　　　５６．０５
６位 ⑮ウインキートス　　　５３．７１
７位 ➄ステラリア　　　　　５２．９８
８位 ⑫デゼル　　　　　　　５１．４７

【総合指数／ベスト８】
１位 ➀レイパパレ　　　　　７０．０３
２位 ⑨ウインマリリン　　　６２．２４
３位 ➂アカイトリノムスメ　６０．５０
４位 ⑥ランブリングアレー　５９．３０
５位 ⑮ウインキートス　　　５３．８５
６位 ⑫デゼル　　　　　　　５３．６１
７位 ➁クラヴェル　　　　　５２．５９
８位 ➇テルツェット　　　　４９．０８

４．エリザベス女王杯の見解

◎➀レイパパレ　Ｃ．ルメール　ポ：距離

　かなり悩みましたが高指数ということで本命にしました。問題の距離もＣ．ルメールの騎乗技術なら無難にこなせると思います。馬自身はオールカマーより良い状態で来れているので、あとはペース次第でしょうか。

○➂アカイトリノムスメ　戸崎圭太　ポ：間隔

　斤量などを踏まえてこちらを対抗にしました。上記にも記しましたが今年の３歳世代はレベルが高いです。その中で片手に入る実力の持ち主ですから、レース間隔が詰まった今回でもお役御免ではありません。

△₁⑨ウインマリリン　横山武史　ポ：状態

　本当なら▲評価をつけたかったんですが、迷いに迷って相手評価に切り替えました。やはり状態面が気になります。調教時計を見てもオールカマー以上のデキはなさそうなので、完璧な競馬ができても勝ちはないと思います。

△₂⑮ウインキートス　丹内祐次　ポ：輸送

　状態面だけで考えるともう少し評価したいところですが、輸送が気掛かりです。というのも調教前馬場入りをゴネるなど気性が難しく、成長するにつれて酷くなっているように思えます。輸送に影響がでなければ良いですが…

△₃⑫デゼル　武豊　ポ：叩き

　前走は度外視して良いでしょう。この馬の脚質とは違った戦法でしたし、最終追い切りがいつもと違うパターンでした。今回は最終坂路に戻してきましたし鞍上武豊ですから、いつも通りの末脚が発揮できるはずです。

△₄➁クラヴェル　横山典弘　ポ：気性

　この馬はウインキートス同様気性が難しい馬ですが、横山典弘との相性が良いのか、ここ３走は能力以上のパフォーマンスを魅せています。距離延長さえこなせれば、デゼル同様良い末脚を発揮できることでしょう。

△₅➇テルツェット　Ｍ．デムーロ　ポ：能力

　本当は消しても良かったんですが、能力指数が高い馬を買いたかったので最後に相手に加えました。ただウインキートス・クラヴェル同様気性に問題がある馬なので、相手上位で買う方は返し馬をチェックしましょう。

☆⑥ランブリングアレー　吉田隼人　ポ：調教

　穴馬ならこの馬を推奨します。戦績以上の実力の持ち主であること、素晴らしい追い切りだったことを踏まえれば、本命対抗に一矢報いてもおかしくありません。吉田隼人には秋華賞・菊花賞の雪辱を果たして欲しいです。

５．エリザベス女王杯の買い目

➀➂－➁➅➇⑨⑫⑮　３連複６点