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エルムSの指数と見解

 この記事は、日曜日に行われる重賞レースの中からより自信のある重賞レースの指数と見解を述べる記事となっています。

 下に貼ってある表がベースで、評価の横に記載してある各馬のポイントについて触れながら印をうった馬のコメントをしていきます。コメントだけでは足りないと思った場合は、さらに表や図を付け加えたりして、より分かりやすい解説にしたいと思っています。なお、この記事は無料記事です。詳しい予想方法に関しましては下記の記事をご覧下さい。

 私が毎週投稿しているもう1つの記事『今週の厳選馬』(週末に行われる中央競馬の全レースを対象に、厳選した穴馬を1頭取り上げる記事)も宜しくお願いします。有料(100円)ですが、記事を購入してくれた方には特典として、この記事レベルに自信がある馬の情報をプラスしてお伝え致します。先々週はプラスで推奨した馬が2着で的中🎯、先週もプラスで推奨した馬が3着で的中🎯しました。有料前の回収率に関しましては下記の記事をご覧下さい。

1.クイーンSの結果

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 少し難しい展開になりましたね。直前で雨が降って馬場が急激にタフになったり、その分どの馬も前目につけて道中のペースが上がってしまったり、なかなか事前に読みづらいものがありました。その中でも筆者が本命に推したフェアリーポルカはよく頑張ってくれました。道中前目につけて馬券に残ったのは2着のマジックキャッスルだけですし、他馬よりも斤量が1㌔重かったことを考えると、三浦騎手は最善を尽くしてくれたのかなと思います。馬券としてはハズレですが、予想レベルは確実に上がってきていると感じるので、何とかして夏競馬で大きな馬券を当てたいですね。

 1着のテルツェット。いわゆる「C.ルメールの神騎乗」ですね。この馬自身いつもスタートが悪く、内前が有利といわれる中、どういった競馬をするのかなと思って見ていたんですが、スタート後無理なポジションを取りませんでした。もちろんこのレース自体でスタートが悪かったというのもありましたが、その後無理に押し上げなかったのは、ペースが上がるだろうという読みがあったのではないでしょうか。実際直前から強い雨が降り出しており、前目につけたいと考える騎手も多かったはずです。見事にそれがはまりテルツェットの勝利に繋がりました。こういった特殊な条件で力を出せたのはこの馬の今後の糧になるでしょうし、崩れたのはレース間隔を詰めたヴィクトリアマイルだけですから、能力指数的にもしっかりとレース間隔を空けてG1に臨むことができれば十分勝機はあると思います。

 2着のマジックキャッスル。先行馬が続々と馬券外に沈む中、よく2着に踏ん張りました。この馬はいわゆる「横綱競馬」で、スタートから4番手(2番手集団)の好位をキープしつつ、4コーナー過ぎで芝が傷んでない外に出すという戦法。直前に雨さえ降らなければ、この戦い方で問題なく押しきれていたと思います。ただ、勝ち馬が想像以上に切れ味ある差し脚を持っていたのも事実で、今後そういった馬と戦う時に、いかに自分の競馬でねじ伏せることができるか(少々のオーバーペースでも抜かされない持続力・スタミナ)が課題となりそうです。とはいっても、良馬場なら期待を裏切らずに走ってくれる馬ですし、古馬になるにつれて脚質も広がってきましたから、今後どういう風に成長していくのかが楽しみです。

 3着のサトノセシル。格上挑戦の中、この結果は驚きました。「イメージより少し後ろになりましたが、馬の後ろで何とか我慢しました。タフな馬場も苦にしませんでした。」と大野騎手。展開に恵まれた感はありますが、このメンバーでも能力指数は見劣らなかったわけで、自己条件ならもっとやれそうです。ただ、この先にG1まで見据えているとなると、PRD指数の強化(具体的には調教内容)が必須ですし、馬体が併さると掛かる面や、気難しい面も解消しなければいけません。馬齢ももう若くはないので、使いつつそういった面を直していければといったところですかね。


2.エルムSのポイント

 今年のエルムSは、先週取り上げたクイーンSと同様に、オリンピック等による変則開催の影響で、札幌競馬場から函館競馬場に舞台を移しての開催となります。したがって、過去のレース傾向(札幌競馬場で施行されたエルムS)が全く使えませんので、2013年に施行された同舞台のエルムSを参考ににしつつ、データを集めてみようと思います。

ポイント➀ 血統(2013エルムS)

1着 フリートストリート

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2着 エイシンモアオバ―

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3着 ブライトライン

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 1つ目の特徴は、母父(母父父)もしくは母母父にノーザンダンサー系の血が入っていることです。特に1着のフリートストリートと3着のブライトラインはサドラーズウェルズ系でスタミナ溢れる血統でした。

【今年の該当馬】(以下馬番順)
・ダンツキャッスル/母母父
・ケイティブレイブ/母母父
・アメリカンシード/母父
・スワーヴアラミス/母父(サドラー系)
・タイムフライヤー/母母父
・トップウイナー/母父(サドラー系)
・ヴェンジェンス/母母父
・オメガレインボー/母母父
・デルマルーヴル/母父・母母父

 2つ目の特徴は、3世代以内(母方/父方)にネイティヴダンサー系の血が入っていることです。特に、1着のフリートストリートと2着のエイシンモアオバ―はミスタープロスペクター系(ここではキングマンボ、フォーティナイナーを血を持たないものを指す)でスタミナに優れる血統でした。

【今年の該当馬】
ダンツキャッスル/父
・アメリカンシード/父母父(ミスプロ系)
・ウェスタ―ルンド/母父(ミスプロ系)
・ロードブレス/父母父(ミスプロ系)
・ロードゴラッソ/母父
・オメガレインボー/父
ポイント➁ 前走4角位置

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 上記の表は、2021年度第1回函館競馬場開催(7月3日~8月1日)で施行された2勝クラス以上ダート1700mのレースで1着になった馬を集計した表になっています。特に注目して欲しいのは前走4角位置で、勝ち馬全頭が6番手以内の前目や好位につけた競馬をしていました。その中でも半数以上が3番手以内につけているように、前が止まらない函館競馬場では追い込み脚質の馬には厳しい条件となるでしょう。

【今年の該当馬】(3番手以内)
・アメリカンシード/1番手
・スワーヴアラミス/3番手
・タイムフライヤー/2番手
・トップウイナー/2番手
・ヴェンジェンス/2番手
・レピアーウィット/1番手
・ロードブレス/3番手
・オメガレインボー/3番手
ポイント➂ 調教パターン
・2013年 エルムS
⋯1着⋯ フリートストリート 中間7本
日曜 函W5F 72.5ー13.5 馬也 併入  
最終 函W5F 66.6ー13.1 G追 併入
⋯2着⋯ エイシンモアオバ― 中間5本
週前 函W5F 67.4ー13.3 直追 遅れ
最終 函W5F 66.8ー12.8 G仕 
⋯3着⋯ ブライトライン 中間6本
週前 函W5F 66.4ー12.9 直追
最終 函W5F 64.2ー13.4 一杯 

・傾向❶❷❸
❶1週前(日曜)、最終共に函Wでの追い切り
❷1週前(日曜)、最終共に負荷をかけた調教内容
❸中間(滞在含め)5本以上の追い切り本数を消化

 2013年に施行されたエルムSで馬券内にきた3頭の調教パターンを分析しました。驚くべきことに、3頭中3頭とも函館Wでの追い切りで、しっかりと負荷がかけられていました。中間の追い切り本数が極端に少ない馬や、終始馬也の追い切りを続けている馬は要注意です。

【今年の該当馬】(❶❷❸の中から2つ以上)
・ダンツキャッスル/❶❷
・スワーヴアラミス/❶❷
・ソリストサンダー/❶❷❸(週前函ダ・日曜函W)
・ロードブレス/❶❷
・ オメガレインボー/❶❷
ポイント➀➁➂ 総括

 以上上記に挙げたポイント①➁➂に該当した馬は、オメガレインボーです。よって今回はオメガレインボーをデータからみる注目馬とします。実は6月1週目に掲載した『今週の厳選馬』の記事内でも取り上げたことがある馬でして、個人的に思い入れがある馬の1頭です。レースを見ていても鞍上と手が合っている印象が強いですし、ここは大いに期待したいと思います。

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3.エルムSの指数

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【総合指数ー上位馬ー】
1位 ⓹タイムフライヤー 62.18 推定7人気
2位 ⓸スワーヴアラミス 58.29 推定4人気 
3位 ⓾レピアーウイット 55.76 推定5人気
4位 ⓷アメリカンシード 54.79 推定1人気
5位 ⓻ソリストサンダー 54.33 推定2人気
6位 ⓼トップウイナー  54.41 推定9人気


4.エルムSの見解

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◎➄タイムフライヤー 武豊 57.0

 総合指数と人気妙味を踏まえて本命に。ここ2走は不甲斐ない競馬が続いているが、かしわ記念はダートの質が合わなかった、マリーンSは外枠で我慢がきかなかったと考えるとノーカウントでいい。転厩後の成績が良くないという見方もあるが、1週前・最終追い切り共に抜群の調教内容だった。このレースの調教パターンとは合致しないが、復調とみて期待したい。

○➃スワーヴアラミス 松田大作 56.0

 決して優秀な持ちタイムがあるわけではないが、このメンバーであっても十分通用するとみる。理由は小回りコースと馬具(ブリンカー)装着にあって、ブラジルC(5着)や、平安S(5着)は明らかにコースが向いていなかったし、気難しい気性をもっているからである。調教ではブリンカーの効果があまりなかったらしいが、実戦では何とか機能して欲しい。

▲③アメリカンシード C.ルメール 56.0

 ポイントは血統で、いかにも函館ダート1700mに向いているといえる。2013年のエルムSはもちろん、今開催でも活躍が目立っており、このメンバーであれば鬼に金棒だろう。過去のレース内容からもこのコースと合っていそうで、すんなり逃げることができれば圧勝まで期待できる。ただ、メンタル等不安定な要素もあるのでこの印まで。

△₁⑩レピアーウィット 横山武史 57.0

 ここまで好走しているレースの競馬場が中山・東京競馬場とあるように、輸送が不得意(輸送が気性に影響するタイプ)なのだろう。今回はそれを考慮してか、1ヶ月前には札幌に入厩している。中間は砂のキックバック(対策)の練習等、この馬なりにできる対策はやってきたと堀宣師。このメンバーであっても指数は見劣らないし、勝っても不思議はない。

△₂➇トップウイナー 和田竜二 56.0

 前走は血統適正もあり2着に好走。レース後のコメントでは「いいスタートを切れたし、道中もいい手応えで、もまれない位置につけられました。自分の競馬ができれば力はある馬です。」と和田竜二騎手。今回メンバーを見渡しても、積極的に前目につける馬は見当たらなそうで、すんなり位置を取れればまたもや好走できる可能性が高い。

△₃➆ソリストサンダー 戸崎圭太 56.0

 この馬も対抗のスワーヴアラミス同様、小回りのダートコースの適正が高く、58㌔で勝利した門司Sは驚くべきパフォーマンス内容だった。前々走のフェブラリーSをノーカウント(内前が伸びるトラックバイアス)とすると堅実に走れる馬でもあり、このレースの調教パターンとも合致していることから、大敗はないだろう。気になるのは道中の位置取りだけ。

☆⑬オメガレインボー 横山和生 56.0 

 上記で取り上げたポイントに全て当てはまっているように、条件面では1番このレースに向いている馬。前走のマリーンSは4角3番手まで押し上げて2着に好走するなど、新たな1面も垣間見ることができた。ただ、PRD指数の低さが1番の懸念材料で、2走前に好走したアハルテケSと比べるとやや劣ってしまう。能力でカバーできれば良いが...


5.エルムSの買い目

③-➄      ワイド      1点
➄-③➃➆➇⑩⑬ 3連複1軸流し 15点


受け取ったサポートは指数の精度を向上させる研究に使わせていただきます。また、サポートして下さった方にはお礼として、他重賞で狙っている馬の情報をお伝えします。