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ローズSの指数と見解

 この記事は、日曜日に行われる重賞レースの中からより自信のある重賞レースの指数と見解を述べる記事となっています。

 下に貼ってある表がベースで、評価の横に記載してある各馬のポイントについて触れながら印をうった馬のコメントをしていきます。コメントだけでは足りないと思った場合は、さらに表や図を付け加えたりして、より分かりやすい解説にしたいと思っています。なお、この記事は無料記事です。詳しい予想方法(能力指数・PRD指数・総合指数)につきましては『隼の予想スタイル』をご覧下さい。指数の回収率(~8月1週目)につきましては『今後の予定&前半戦振り返り』をご覧下さい。

 他にも記事を始めた当初から投稿している『今週の厳選馬』(週末に行われる中央競馬の全レースを対象に、厳選した穴馬を1頭取り上げる記事)、フォロワー50名様突破記念として投稿している『新馬のすゝめ』(関西圏の競馬場で行われる新馬戦の中で1番自信のある1鞍を分析し、馬券の軸となるような馬を推奨する記事)もよろしくお願いします。それぞれ先週の結果につきましては下記の説明欄か今週出される記事をご覧下さい。

 『今週の厳選馬』は基本有料(100円)ですが、記事を購入してくれた方には特典として、この記事レベルに自信がある馬の情報をプラスしてお伝え致します。先週の軸馬は鼻出血で大敗、購入者限定特典は中京9Rのみ的中という結果でした。個人的には土曜日の中京12Rを皆様にお伝えしたかったとつくづく後悔しています。少し自慢にはなりますがこういう夢のある買い目を提供できるという証拠のためにも、予想画像を貼っておきます。有料前の回収率に関しましては下記の記事をご覧下さい。

中京12

 『新馬のすゝめ』は完全無料ですが、新馬戦なので筆者がオリジナルで算出している指数等(能力指数・PRD指数・総合指数)は提供できません。ただその分血統や調教、騎手、厩舎、生年月日などを駆使して作成した簡易的なレーダーを記事にて提供します。そのレーダーの詳細、『新馬のすゝめ』の概要等につきましては下記のマガジンからご覧下さい。

1.セントウルSの振り返り

セントウルS結果

セントウルSの予想記事は⇩コチラ⇩

 人気順でしたが少ない点数で三連複(17.9倍)を的中🎯できました。圧倒的な指数、データを記録したレシステンシアが1着。そんなレシステンシアに勝てるとしたらと対抗にしたピクシーナイトが2着。最後苦しくなったがなんとか粘り切ったクリノガウディーが3着。3頭とも十分評価できるレース内容だったと思います。悔やまれるのが4着ジャンダルム。スタートさえ決まれば3着以内は確定していたと言わんばかりの末脚で、陣営も相当仕上げていたんでしょうか(最終追い切りの終い11.7は阪急杯3着時に匹敵する速さ)、悔しい敗戦となりました。勝ちタイムの1:07.2は昨年の1:07.9を0.7秒上回る好タイムで、今年のスプリンターズSを予想する上に於いても、間違いなく重要視される一戦となりそうです。

 1着のレシステンシア。指数・データ上では負けようがなかった一戦でしたが、見事それを証明するかのような勝利でした。注目すべき点はこれでも万全の状態ではなかったという点。デキとしては7割程度だと思っています。それは過去の追い切りを見ると明白で、過去の休み明け時(間隔が似ているチューリップ賞)と良く似ています。おそらくスプリンターズSでは人気の一角になると思いますが、ここを叩いたことによる上積み+夏の成長力で他馬を圧倒的するパフォーマンスを披露してくれることでしょう。

 2着のピクシーナイト。賞金的にも勝ちたかった一戦でしたが、惜しくも敗れてしまいました。レース後のインタビューでは「開幕週の外枠という条件のなか、よく差し込んできた。勝って大きく賞金を加算したかったけど、強い相手によく頑張りました。」と福永祐一騎手。これでスプリンターズS出走は難しくなってしまいましたが、秋のG1は他にもあります。今後陣営がどういったレース選択をするのか楽しみです。(ただ2戦続けてスプリント戦を使ってしまったのでマイルに戻るのはもう厳しいかも...)

 3着のクリノガウディー。この馬は岩田康誠騎手と手が合っていますね。14番枠とこの馬にとってはあまり良くない枠順(ラチを頼りたがるので)でしたが、うまく内に潜り込んで脚を溜めながら最後はスンナリ外に出せました。相変わらず左にもたれてはいたものの、上位馬に食らいつくだけの力は指数通りありそうです。ただ心配なのは右回りに適正があるのかということ。ここまでの重賞好走(幻の高松宮記念など)は全て左回りですから、もたれる癖をなんとかしないと本番では少し厳しいかもしれません。


2.ローズSのポイント

 いよいよ本格的な秋競馬の到来ですね。先週はその先駆けにあたるセントウルSの予想記事を投稿しました。そのセントウルSと今回のローズSは共に『前哨戦』と呼ばれる一戦で、G1に向けて賞金が足りない馬が全力で勝ちに来たり、休み明けに弱い有力馬が叩き台として利用したりと様々な意味が込められたレースです。その中でも3歳戦、このローズSは特に熾烈で賞金的にも横並び、成長盛りの馬が多数集まります。こういうレースほど下記に紹介するデータが重要(成長盛りの馬を指数で計算するのはほぼ不可能)になってくるので、3歳戦は指数よりもデータを重要視したいところです。

 ただ先週に引き続きあまりデータがない(中京競馬場で行われたケースは昨年のみ)ということもあり、昨年の少ないデータから掘り下げて共通点を探していきたいと思います。なお今週も馬番確定前にデータを取っているので、その点に関してはご了承ください。(ご要望があれば馬番順に訂正)

ポイント➀ 血統

2020年1着 リアアメリア

リアアメリア

2020年2着 ムジカ

ムジカ

2020年3着 オーマイダーリン

オーマイダーリン

 この表は2020年ローズS1~3着に好走した馬の血統表です。大きな特徴としては『父もしくは母父にディープインパクトが付けられていること』が挙げられます。この傾向は中京競馬場での開催に限らずこれまでのローズSにも該当していて、最後の長い直線という意味では阪神競馬場の外回りコース(回りは違う)と似ています。最後の直線でグンと加速する力は間違いなくこのディープインパクトの血が支えているのでしょう。

【今年の該当馬】(アイウエオ順)
・アールドヴィーヴル/母父
・アンドヴァラナウト/母父
・エンスージアズム/父
・オヌール/父
・タガノディアーナ/母父
ポイント➁ 前走の上がり3F(着順掲示板以内)
・2020年 ローズS ※❶❷❸…上がり順位
1着 リアアメリア   優牝 4着 33.7❸
2着 ムジカ      1勝 1着 35.7❶
3着 オーマイダーリン 1勝 1着 33.7❶

  昨年馬券内にきた3頭中、全頭に『前走上がり3F3位以内(着順掲示板以内)』という共通点がありました。昨年人気していたクラヴァシュドール、デゼル、リリーピュアハートはこの共通点に当てはまっていません。いくらG1に出るほどの実力を持ち合わせていても、前走で中身のあるレースをしないと今回好走することはかなり厳しいでしょう。

【今年の該当馬】
・アンドヴァラナウト/1勝1着❷
・イリマ/1勝1着❷
・コーディアル/1勝1着❷
・スパークル/2勝1着❸
・タガノディアーナ/2勝2着❷
・タガノパッション/優牝4着❶
・プリュムドール/1勝1着❶
・メイショウオニユリ/1勝1着❷
・レアシャンパーニュ/1勝1着❶
ポイント➂ 阪神競馬場での実績(上がり2位以内)
 ・2020年 ローズS ※❶❷❸…上がり順位
1着 リアアメリア   新馬 1着 34.4❶
2着 ムジカ      未勝 2着 34.2❷
3着 オーマイダーリン 1勝 2着 33.8❶

 昨年馬券内にきた3頭中、全頭に『阪神競馬場で3着以内に好走した実績(上がり2位以内)』という共通点がありました。距離は3頭とも1600m以上でこれは阪神外回りのコースに該当します。すなわち、このローズSを迎えるまでに阪神競馬場で長い直線があるコースを経験していること、そしてメンバー中速い上がりを出せていることが重要であると言えるでしょう。(中京競馬場はあくまでもローカル競馬場なので含まれません。)

【今年の該当馬】
・アンドヴァラナウト/新馬2着❷
・イリマ/新馬3着❷
・エンスージアズム/1勝1着❷
・オヌール/1勝1着❷
・オパールムーン/FS2着❶
・コーディアル/未勝1着❶
・スパークル/1勝2着❷
・タガノディアーナ/未勝1着❶
・タガノパッション/未勝3着❶
・プリュムドール/1勝1着❶
ポイント➃ 調教パターン
・2020年 ローズS
⋯1着⋯
週前 栗坂4F 57.4 41.2 26.2 12.4 馬也
最終 栗芝5F 70.4 53.6 38.1 11.6 馬也
⋯2着⋯
週前 栗坂4F 55.8 40.3 25.7 12.6 G強 遅れ
最終 栗坂4F 54.2 39.2 25.3 12.6 G仕 併入
⋯3着⋯(連闘前)
週前 栗坂4F 53.4 38.2 25.2 13.0 一杯 遅れ
最終 栗坂4F 54.7 38.6 24.8 12.6 一杯 併入

・傾向➊➋➌ ※関西馬
➊1週前追い切りは栗坂
 終い 12.4 以下/全体 53.5 以下/併せ馬消化
➋最終トラック➡終い 11 秒台
 最終坂路➡終い 12.6 以下/併せ馬遅れ以外

 2020年ローズS1~3着に好走した馬の調教パターン一覧です。特に注目して欲しいのは『1週前必ず栗坂で追い切っている』ということ。それも意味がない追い切りではなく、終いを伸ばしたり、全体時計を速めにしたり、併せ馬を消化したりと、少し負荷をかけています。この少しの負荷がゴール前踏ん張れるか踏ん張れないかの鍵になってくるんでしょうね。

【今年の該当馬】(➊➋共に該当)
・アールドヴィーヴル/
全体 53.5 以下・終い 12.0
・アンドヴァラナウト/
終い 12.4 以下・終い 12.0
ポイント➀➁➂➃ 総括

 以上上記に挙げたポイント①➁➂➃に該当した馬は、アンドヴァラナウトです。よって今回はアンドヴァラナウトをデータからみる注目馬とします。元々期待されていた馬で母のグルヴェイグは1.5倍で新馬勝ち、最後のレースとなったマーメイドS(G3)では1着という優秀な成績を収めています。他にも父キングカメハメハ、母父ディープインパクトは言わずもがな良血で、牝馬相手なら重賞でも即通用すると考えて良いと思います。鞍上の福永祐一騎手もこの馬に乗り続けていますから、この馬の強み、弱みを熟知してくれている筈です。まずは秋華賞出走へのキップを掴み取りましょう。

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3.ローズSの指数

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【総合指数ー50以上ー】※人気は土曜日23時時点
1位 ⑰オヌール      64.32  5人気
2位 ➄クールキャット   63.90  2人気
3位 ⑫アンドヴァラナウト 63.53  
4人気
4位 ⑭アールドヴィーヴル 61.48  
1人気
5位 ⑨タガノパッション  58.59  
3人気
6位 ⑯タガノディアーナ  50.91  
7人気
7位 ➃スパークル     50.83 
11人気


4.ローズSの見解

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◎⑫アンドヴァラナウト 福永祐一 54.0

 能力指数2位、PRD指数3位と思っていた以上の指数がある点、データや条件面に関しても全く穴がない点、この両点を総合的に判断して本命とした。その中でも特に注目すべき点は破格の能力指数。3歳限定戦とはいえ重賞未経験の身でこれだけ能力指数が高い馬は見たことがない。間違いなくローズSは通過点であると共にこの馬の将来性を信じてみたい。

○⑭アールドヴィーヴル 松山弘平 54.0

 この馬の能力指数の要因には桜花賞が挙げられる。1着のソダシは古馬混合重賞を制覇、2着のサトノレイナスはハイレベルのダービーを5着、3着のファインルージュは同じく前哨戦の紫苑Sを制覇と、桜花賞好走馬が軒並み他レースで存在感を示している。それに加え中間抜群の調教内容と松山弘平騎手の継続騎乗。この波に肖って秋華賞へのキップを掴めるか。

▲⑰オヌール 川田将雅 54.0

 能力指数、PRD指数共に文句のつけようがないが、軽過ぎる馬体重がどうしても気になる。もちろん春よりかは幾分重くなっていないとこのレースを使うとは思えないし、勝ち負けにもならないだろう。ただ追い切り後にカイバ食いが落ちたりとまだまだ本格化には至っていないようで、これでは重い印を打てない。この馬の真の力を見れるのはいつ頃になるだろうか。

△₁⑨タガノパッション 岩田康誠 54.0

 素質では上3頭に負けているが、現時点での完成度なら負けていない。その上でもキーとなるのはレース間隔。春先は短いレース間隔であるにも関わらず遠征競馬を繰り返し、馬に負担がかかったことは間違いない。初めてしっかりとしたレース間隔を空けて正々堂々と勝負をする機会ができたレースで、このレベルの馬がどれぐらい上3頭に通用するのか見てみたい。

△₂⑯タガノディアーナ 和田竜二 54.0

 この馬の強みは阪神でのレース経験。上記に記載したローズSのポイントにも挙げたが、阪神競馬場での実績、上がり3Fの速さがこのレースの好走に繋がる。ただ距離に注文がつくかも知れない。現状の能力指数を支えているのは1800mの競馬で、1600m・2000mで大した内容のレースができていない。今回はその壁を突破できるか否かが焦点となるだろう。

△₃➄クールキャット C.ルメール 54.0

 そもそも関東馬自体このレースと相性が悪い。過去阪神で行われたローズS(過去10年分)を遡っても関西馬が25頭、関東馬が5頭とその差は歴然で、どれだけ指数が高かろうと軸にするのはお門違いである。さらにこの馬の場合はそこまで器用なレースが出来ないというのもネックで、指数通りの好走は期待できないだろう。(ただ鞍上はC.ルメール騎手…)

△₄⑪プリュムドール 武豊 54.0

 能力指数、PRD指数共に若干足りていないが、中京2000mの持ち時計が良い。しかもその時計を大味な競馬で出したのではなく、強い内容で出したことがこの馬最大のポイント。脚質にも注文がつかずどんな形でも自分の競馬ができる、阪神・中京でのレース経験が豊富で33秒台に迫る上がりが使える、そう考えるとあまりにも人気がないので相手に加えておく。

☆➃スパークル 藤岡佑介 54.0

 この馬は様々な形の競馬で上がり3F3位以内の脚を使える。それも中山で行われたニュージーランドT以外の全走でそれができているのは、なかなかの芸達者。前走の川田騎手のコメントも「馬体に成長を感じましたし、その通りの内容で勝つことができた。」と将来性を感じるコメント。残念ながら継続騎乗とはならなかったものの、穴馬になるなら是非拾っておきたい。


5.ローズSの買い目

⑫ー➈⑭⑰ー➃➄⑨⑪⑭⑯⑰ 3連複15点

受け取ったサポートは指数の精度を向上させる研究に使わせていただきます。また、サポートして下さった方にはお礼として、他重賞で狙っている馬の情報をお伝えします。