西純矢の苦戦
キャンプが始まった阪神タイガースでは投手陣の中で若い良い風が吹いています。メディアでは門別投手と岡留投手や川原投手が好評を得ており、来年も投手王国が建てられることが予想されます。
ですがそんな阪神の中にあって苦しむ元ドラ1投手がいます。それはタイトルにある通り西純矢投手です。キャンプ中であってフォーム探しの旅に出ていると散見され、周りの若手の投手たちと比べて醜態をさらしています。
彼自身持っているポテンシャル自体はかなり高い素材型の選手である一方で、その成績は正直期待通りとはいってないのが現実です。ここからは彼の今までを振り返ると共に、道を見つければ良いなと思います
ランナーを出しすぎ
西の昨年の投球は見ていても正直気持ちのいいものではありませんでした。
whipは昨年は1.48にも上り、これは2023年で60イニング以上の投手だと下位4位という数値。ちなむと1位はDeNAのガゼルマンです(1.68…)。
2022シーズンではwhip 1.11と改善の見込みを出していたにも関わらず、この数字に落ち込んでいるのはドラ1と考えるとはっきり言って期待外れです。
ですが阪神にはコントロールを課題にしながらも成績を残した先輩がいます。それは藤浪晋太郎投手です。
藤浪は2年目の2014年にはwhip1.31ながらも、25試合で163イニング、防御率3.53 11勝8敗の好成績を残しています。藤浪の方が西よりもwhipは低いとはいえ、四球率は西の方が僅差で上回っています。(9.1%・8.9%)
では両投手の差を見ていきましょう。
三振がとれないし、本塁打を打たれる
14年の藤浪は三振率24.4%と両リーグで5位の好成績を残し、与四球・奪三振・被本塁打から投手評価であるFIPでは3.23でこちらも両リーグ4位をマーク。また9イニング当たりの被本塁打に至っては0.33と全盛期の金子千尋とならんで1位でした。文字通り圧倒的なピッチングでした。
一方で西は三振率14.2%で60イニング以上の中で下位10位、FIPに関しては4.71で下位3位。9イニングあたりの被本塁打数は1.12の下位8位。一転して全く思い通りにならない結果に終わっています。
両者のスペックの平均数値は
藤浪晋太郎 ストレート149.2㎞/h カットボール134.7㎞/h ツーシーム146.8㎞/h カーブ120㎞/h チェンジアップ119.2㎞/h スプリット141.1㎞/h
西純矢 ストレート149.1㎞/h スライダー130.3㎞/h ツーシーム147.1㎞/h カーブ120.6㎞/h チェンジアップ132.3㎞/h フォーク142.3㎞/h
となっています。スペック上は殆ど同じとなっており、違いを挙げるとしたら組み立て方ぐらいでしょうか。藤浪は85%以上を直球とカットボールに頼っているのに対し、西はストレートを軸にフォークを決め球としています。
個人的には問題はここにあると思われ、スイング率自体は46%台でほぼ同じであるのにかかわらず、空振り率は25%を超える藤浪に対して西は20%をわずかに超えるのみ。さらにコンタクト率に至っては藤浪(74%)に対して88%を超え、この割合からも空振りを取れず痛打されていうことが分かります。
改善するには
個人的にはここから多少長打をされることを考慮しながらも高めに球を投げ込むスタイルの方がよいと思います。
以下の画像の通り、西は昨季は真ん中に入った球が痛打されることが多かったので、そこを抑えるだけでプラスに働くと思いますし、低めに集まった球よりも高めのほうが被打率自体は少しですが抑えれています。
また184㎝の西に角度をつけた投球は期待しづらいのでやはりリリースポイントを下げる方針にも向かうべきだと思います。
現在フォーム探しの旅に出ている彼ですが、記事などからも顔がぶれ、そこからリリースポイントや腕の再現性の問題が出ているとも報道されているので正直短い道のりではないと思います。ですがあの世代でドラフト1位に選ばれる才能はガチだと思うので、来年はダメだったとしてもいつか真の姿となって他の若手投手にも負けない活躍を期待したいです。
【引用元】
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