見出し画像

これからシェアハウスをはじめる人へ〜後編〜

今回は後編ということで、シェアハウスに住むことのメリットを書きたいと思います。シェアハウスに住むことの良い点は沢山あると思いますが、誰にでも向いているものではないので、参考にしていただけたら幸いです!

家をシェアしているから家賃が安いとか、家事の分担ができるみたいな生活効率化のメリットもあるのですが、今回は住むことによって得られる精神的安定や、コミュニティ形成のメリットに、よりフォーカスして書こうと思います。

シェアハウスに住んでいて、良いなと思うことは以下の3つです。特に理由なく一人暮らしをしている人にとって、親でも、恋人でも、兄弟でもない同年代と共同生活を始めることは、とても良い選択肢だと思っています。

①心理的安定の担保
②場所を持っていることの利便性
③投げかけられる問いの量

それでは一つ一つ説明していきます。

①心理的安定の担保

私の経験談として、実家暮らしをしていた時ならまだしも、1人暮らしを始めてしまうと、休日に誰とも会話をせずに終わることが結構ありました。

「今日やることないな」と思った時に、気楽に連絡を取って、「ご飯食べにいこう」とサクッと言えれば良いのですが、仲の良い友人でも「流石に今日は急だよな」とか、「わざわざ会って話すまででもないしな」みたいな躊躇が生まれます。

私にも友人はもちろんいるし、(おそらくお互い)仲良いとも思っているけれど、だからといって365日一緒にいるわけにもいかず、ふとした瞬間に孤独を感じることがありました。

FacebookやInstagramのタイムラインに流れる、楽しそうなフォトジェニックな写真たちを見て、なんとなく寂しい気持ちを覚える人は多いのではないでしょうか。

あれはあくまでその人の「ハレ」の瞬間の集合体で、「ケ」の瞬間を見たら彼らも普通の生活を送っているのですが、この人たちはみんなで楽しそうにしているのに、自分は何もできていない、と嫌悪感に襲われる人も多いはず。

休日に孤独に過ごすことの危険性は高くて、下記の記事のように、会社の人と会わない、シルバーウィークやゴールデンウィークに精神の不調を訴える人も多いようです。

長期休暇中「誰とも話さない」は、危険すぎる、過度な「お一人様志向」が招くメンタル危機

また、たとえ実家暮らしだったとしても、家族に何でも相談できる家庭と、そうでない家庭があります。どうしても仕事の話になるともめてしまう、ある時から極端に会話が減ったなど、「実家に暮らしている=心理的安全が担保されている」ではない友人を何人も見てきました。

さて、前段が長くなってしまったのですが、シェアハウスには「自然に」人と話す環境が存在します。「今日一緒に映画を観にいこう」と誘わなくても、リビングにいれば「今日何するの?」と自然と会話が生まれますし、「最近働き過ぎでそろそろ辛いんだけど笑」と冗談混じりに愚痴をこぼすことだってできます。

休日に遊びに行く、ご飯を食べに行くなど、目的を持った「能動的」コミュニケーションではなく、「受動的」に何の目的も持たずにコミュニケーションが取れるのがシェアハウスにいることの利点です。

人生、上り調子のときは良いのですが、疲れている時や、ストレスが多い時にセーフティネットとして頼れるのがシェアハウスの友人です。

シェアハウスに住んでから、1日中Amazon Primeを観て時間を潰してしまったとしても、落ち込まずにいることができるようになりました。一緒に住んでいる友人が、私以上にAmazon Primeを観ているのもあるかもしれませんが笑

②場所を持っていることの利便性

これはシェアハウスの規模感や、建物の構造に依存してしまうのですが、「人を呼べる場」を持てることは、シェアハウスに住むことの魅力です。

うちのシェアハウスはキッチンも割と広いし、リビングと隣の和室を合わせると20人くらい収容できるので、かなり気軽に人を呼べる環境になっています。友達と「飲みにいこうよ」という話になった時に、「じゃあうちのシェアハウス来なよ」と誘える気軽さは手放せません。

自分の各方面の友達を集めた自己満のためだけの飲み会

また場所を持っていると、人を集めたイベントを開催することのハードルが一段下がり、「本当に人が集まるか不安だけれど一回やってみよう」と、実験的に開催する手数を増やすことができます。

私自身も、あるテーマに興味のある友人を集めた飲み会や、読書会を開催するなど、イベントを開催する機会が増えました。特に対話型読書会の「ホンカツ」は定期開催をしていて、もうかれこれ20回を数えます。それだけ続けて来れたのも、朝起きてリビングで準備すれば良いだけの運営の気軽さと、シェアメイトと一緒に運営していることで、ちょっとした時間にミーティングが出来ることの利便性によるものです。(「ホンカツ」についても今度1テーマとして記事にしたいと思います。)

ホンカツ開催時の集合写真

また、自分自身が開催をしなくても、周りのシェアメイト達が勝手に友達を連れてきてくれるので、そこから交友関係も広がります。(この前参加した都会の若者が宮崎のイマを知るツアー「KINAIYO」も、うちのシェアハウスで運営ミーティングが行われていたので、知ることができました。)

③投げかけられる問いの量

最後のメリットは投げかけられる問いの量です。ここで言う「問い」には2種類あって、「直接向けられる問い」と「自然発生する問い」に分かれます。

「直接向けられる問い」は文字通り直接的なもので、シェアメイト達や、家に遊びに来てくれる人たちとの会話の中で投げかけられる「今どんなことにやりがいを見出してるの?」や「将来どんなことをしていきたいの?」といったような、自分の思考を深めることのできる直接的な問いかけのことです。

リビングで飲みながら話していると、気づいたらそんな話をしていることが良くあります。

もう一つは「自然発生する問い」です。「自然発生する問い」は、誰かが質問のように投げかけてくれるものではなく、友人と生活を分かち合いながら生きていると出てくるものです。

例えば、シェアメイトが仕事の人間関係で悩んでいたら、「自分の組織にいるあの人も、もしかしたら同じようなことで悩んでいないか」と自然に自分に置き換えた発想が生まれますし、友人が何かやりたい仕事を見つけて新しい一歩を踏み出していたら、「自分は何のために今の組織にいるのだっけ」と考えるキッカケになります。