大島弓子先生「パスカルの群」のカラーページ掲載順について

はじめに

ずっと欲しかった『大島弓子名作集PART2 パスカルの群』を手に入れました。「パスカルの群れ」が収録されている文庫本『バナナブレッドのプディング』は持っていましたが、文庫じゃなくて大きい版型で読みたいなーってなったのがその理由です。
せっかくなので現行で手に入る文庫本『バナナブレッドのプディング』のリンクを貼っておきます。

自分はこれで「パスカルの群れ」を初めて読みました。表題作「バナナブレッドのプディング」や「ヒーヒズヒム」など本当に良い作品が揃ってます。

話を『大島弓子名作集PART2 パスカルの群』に戻します。この本ですが先に述べた版型が大きい以外にも嬉しいことに雑誌収録時のカラーページがカラーで印刷されているのです。例えばこんな感じです。

画像2

(『大島弓子名作集PART2 パスカルの群』、朝日ソノラマ、1979年、p16,17)

さて、文庫本『バナナブレッドのプディング』を既読の方は上の写真に違和感を抱いたのではと思います。
これ、文庫に収録されているものとカラーページの順番が異なっているんですよね……!

文庫ではまず「日本において~」のモノローグがあるページがあって、次に「家の近く~」のモノローグがあるページの並びでした。しかしながら、名作集では上記の通り「日本において~」のページが後にきているのです。さらに言えばモノローグのサイズの縮尺も異なっています。

自分に混乱が訪れました。初出はどうだった?元よりこうならいつから変わった?? 
……というわけで調べました。

調査対象

大島弓子先生あるあるなのですが、一つの作品の収録が雑誌と単行本(コミックス)に加えて名作集に選集に短編集に…と多数あることが多いです。そのため、下記の先人が作成されたリスト(http://www2t.biglobe.ne.jp/~autumn/yumi.html)を参照しました。こういうのを簡単に参照できなかった時代、マジで大変だったと思います……残してくれて本当に感謝……

このリストの中から「パスカルの群」が収録されているのを抽出すると下記の通りとなります。

『週刊少女コミック1978年25号』(小学館、1978年)
『大島弓子名作集PART2 パスカルの群』(朝日ソノラマ、1979年)
『シンジラレネーション』(朝日ソノラマ、1982年)
『大島弓子選集第8巻 四月怪談』(朝日ソノラマ、1986年)
『大島弓子短編集2 たそがれは逢魔の時間』(小学館、1989年)
『バナナブレッドのプディング』(白泉社、1995年)

(これ知った時に初の単行本収録が名作集だったんだという学びがありました。この名作集はそれまでに単行本に纏まってる作品も載っていて新規収録は2作品のみ、しかもそれを豪華本として売る!なんて強気な商売だ!!と思うと同時に当時から熱心なファンがいた証でもあるよな~とも思いました)

上記について、対象のページの順番を確認していきました。

結果

以下では2つのページのうち、「日本において~」のページを顔、「家の近く~」のページを葦と表記します。結果は次の通りでした。

画像2

このようにページ掲載順が異なるのは名作集だけでした。徒労感がすごい………戻っておいで・私の時間………
しかし名作集のみを読まれた方は誤認したままってのは結構恐ろしいことでは?とも思います。初出チェックと複数の収録本に当たるのはやって損なしです。
それにしても名作集だけなんでこの順番なのでしょう?マジでわからん。

ついでにタイトルとその元となったであろう最後のコマのモノローグの表記揺れについても纏めてみましたが、ここは選集までは素直に一致していました。その流れからの短編集2はなぜそうなった……文庫本収録版はその短編集2を底本にしているようです。
ちなみに一つ手前の「げにやさしき葦の群れ」のモノローグも「群」だったり「群れ」だったりして、しかもそれはその後のモノローグの「群」と「群れ」の表記に沿ってない場合もあります。なんだよそれ……

とまぁなんともうだうだとしてフィニッシュがきまらない感じになりましたが、これにておしまいです。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

2
BA DE YA,