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虹ヶ咲感想(主に13話)

 虹ヶ咲13話が良すぎたので全然まとまらないけど雑記。ネタバレを大量に含みます。

 最終話がちょうどこの作品の全てを詰め込んだ内容だったのでこれを観ることによってはっきりしたのですが、以下の三軸で成り立っている作品だと思うんですね。

①多様な「個」の集まりとしての群像劇
②ペアで物語を回すことでの「百合アニメ」としての側面
③侑と歩夢の物語

 それを踏まえて以下雑文。

 主に①、②に当たるAパート、これって手作り感満載でなんでもありな地下アイドルの対バンライブの高揚感ですよ!ソロ曲ばかりでこれまでやってきた、ともすればアイドルアニメとして弱点にもなりかねない点がここに来て真似できない長所になっていますね。
 ところで「SIF(スクールアイドルフェスティバル)」て、マイナー~中堅あたりのアイドル中心の実在の大規模フェス「TIF(トウキョウアイドルフェスティバル)」みたいな響きでいいよネ。
 開始前、円陣で侑ちゃんがちょっと遅れて最後に手を重ねるところはめちゃぐっと来ましたね……。

 ライブパート、アイさんの一人称がアイサンな時点で面白いのに歌詞が「愛がサンサン」ってあんま笑わせないでほしい笑 「アイだけに!」じゃねえんだわ!
 彼方の曲、フューチャーベース風味で今時な感じが良いね。璃奈の曲は逆に懐かしの電波ソングっぽさがあって良い。(書いてて思ったけど全曲良いからこれ書いてたら寝られなくなるな)
 ほんと全部が良くて、かすみんとしずくとせつ菜の小芝居の流れもすごく良かった。

 虹ヶ咲って基本的には大きなドラマではなく一話ごとの質の高い小エピソードの積み重ねで出来ている作品なので、最後にお祭り回で終わるのって虹ヶ咲っぽくていいなあとこの時点で既に満足してたんです。

 ②について。虹ヶ咲ってラ!やサ!!と比べてもかなり意識的に百合を明示している作品という印象なのですが、機材トラブル以降のアイさんと璃奈、かすみんとしずくのシーンなんてまさにそれが表れてますね。

 そして最後。③はもちろん13話の終盤です。作品にひとつ軸を見いだすとしたらやっぱりこのアニメは侑と歩夢の物語なんだなという結論に(決して他のキャラが重要じゃないということではないですよ)。
 侑ちゃんが一番好きな僕としては、アイドルじゃないんだから仕方ないとわかってはいてもグッズ展開がないことなどでいつも悲しい思いをしていたのですが、最後の曲の歩夢のMCでもう吹っ切れましたね。友情と、アイドルとファンという現在の関係性と、恋愛感情と(僕は「あれは恋愛感情だよ」派の急先鋒なので……)、いろいろぐっちゃに混ざったうえでいまやそれを昇華して歌っているかと思うと。侑ちゃんは一人だけいないんじゃない、心の一番特等席にいるんだ……。
 そういえばMCがかすみんから始まるところで改めて思いましたけど、全編を振り返った感想として主人公の侑がガシガシ前に出るタイプではない分かすみんがかなりお話を転がすために重用されていた印象がある。良い子ですよね。「かすみんはかわいい」し!

 二期の制作を期待できるエンディングだけど、ひとまずしっかり13話で話を閉じているのもすごく好印象。自分の考えとして、物語はひとつの作品内で一応の決着を付けてほしいと強く思うので、本当にきれいにまとめたなあと大満足しています。
 ラブライブ!シリーズは元々好きなアニメのひとつではあったし曲は結構聴き込んでもいるんだけど、虹ヶ咲はちょっと特別になりましたね。メインライターが花田十輝さんから田中仁さんへ変わっているのもその理由のひとつと思う。熱意をもった主人公が中心になってひとつになって夢を叶える物語から、みんなを後ろからそっと肯定する主人公の元で多様性を肯定する話へ。なんだか舞台がスポ根からフリースクールになったような印象もある。
 最終話まで観終えた熱でただ思いついたことをカタカタと書いているので特に結論らしい結論はないのですが、興味が湧いたら面白いので観てみてね。

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