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国境廃止

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国境の無くなった世界で繰り広げられるSFサバイバル!
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#ジャンププラス原作大賞

国境廃止<第一章> 第三話 「ただいま、世界。」

ふわふわと、体だけが浮いている。魂はどこに行ったんだ? いや、これは体じゃないのかもしれない。 浮いているのは、未来に対する、漠然とした不安。 体も頭も心も。いじくり回された俺は、この先どうなるんだろう? 『バイバイ、国子』 目覚めたのは、無機質な目覚まし時計じゃなく、誰かの声だった。 温かく優しい、誰かの声。 硬い木のベッドから香る匂いは、なんだか落ち着く。 多分世界の能力っていうのは、「木」でできたもの(武器以外)ならなんでも作れるんだろう。 世界はもう起きているらしい

国境廃止<第一章> 第二話 「はじまりの星空」

暗闇の中、私は私を嫌っている。 私のやってること、思ってること。矛盾している。全部空回りしているんじゃないか。 人と関わるのが嫌いなくせに、関係を大事にしたい? こういうのを自意識過剰っていうんだろう。 私は孤独だ。 こんな悩みを話せる人もいない。話せる人がいないから、環境のせいで、人のせいで、私はこんなことになってしまったんだと、 今はそう、信じたかった。 「はっ」 目が覚めた。私はベッドに寝ている?なんで?全部夢?そんなことあるはずないだろう。「α地点」について書かれた

国境廃止<第一章> 第一話 「わるものの涙」

最近、ふと思うことがある。 私は、どう思われているんだろうか。 私には友達がいる。仲良くやっているつもりだ。そう。「つもり」に過ぎない。 当たり前のこと。他人の考えていることはわからない。自分がどう思われてるかなんて、わかる人はいないだろう。 佐藤恵。彼女とは親友と呼べるくらいに仲がいいと、私は思っている。でも、彼女が私のことをどう思ってるかはわからない。私のことを嫌っているかもしれない。 そんな行き場のない不安が、頭の中でぐるぐる回っている。 他人のことがわからない。そんな