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マーベルグラフィックノベル・コレクションのすゝめ[アメイジングスパイダーマン:カミングホーム]

こんにちは。今年1月に公開された「スパイダーマン:ノーウェイホーム」は既にご覧になりましたか?
 最高なので、まだ見てない人は例えテストで落第になりようが、癌を宣告されようが、親が離婚の危機に瀕していようが、ネタバレされる前に早く映画館に向かった方が良いと思います。

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 じゃあ既に鑑賞済みで「原作も気になっているのだけど、どこから読めばいいのか分からない」といった方もいるかもしれません。

 そこで今回、そんなアメコミ初心者の方におススメしたいのがこちら!!!!!!!

「マーベルグラフィックノベルコレクション アメイジングスパイダーマン:カミングホーム」

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 この「マーベルグラフィックノベル・コレクション」とは元々アメリカのアシェットという会社が刊行する「The Official Marvel Graphic Novel Collection」を底本としたディアゴスティーニ形式の雑誌となります。隔週で60年代から2000年代までのあらゆるマーベル作品が読むことができます。

 これまで映画しか見たことが無くて、原作コミックを読んでみたいという初心者には以下の

・どこから読めばいいのか分からない
・どこで買えばよいのか分からない
・値段が高い

といったような三重苦が従来待ち受けていたかと思います。
この三重苦のせいで、せっかく実写映画にハマったのにも関わらず、最終的に原作には手が届かずじまいというアメコミ映画ファンも大勢いたのでは???事実、かつて筆者の身の回りの友人にもたくさんいました。
しかし、今回の「マーベルグラフィックノベル・コレクション」は

・どこから読めばいいのか分からない(過去の傑作選なのでどこから読んでも面白い)
・どこで買えばよいのか分からない(日本の漫画と同じように一般書店で買える)
・値段が高い(創刊号は約500円、それ以降は約2000円だが、従来の一般的な邦訳本が2000円~5000円すると思うと価格破壊に等しい安さ)

といった形で初心者がアメコミレビューするにはちょうど良いハードルの低さになっているかと思います。

 こんな画期的なシリーズなので発表直後はTwitter上の(一部の)アメコミ界隈中がお祭り状態に。
僕もこのお祭りに参加するべく、バイト帰りに町田の有隣堂へ寄って買ってきました。

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ボックスの中はこんな風になっており、左側には「マーベルグラフィックノベル・コレクション」を紹介する2、3ページの小冊子があり、ボックスの内側にはハードカバーの本体が入っていました。

本体の方は安価な雑誌とは思えないほど、しっかりとしたハードカバーで作られており、中々高級感ある立派な商品になっているかと思われます。
ただ開けてみると糊付けがちょっと甘く、もし力強く引っ張った場合ページがスポーンと抜けていってしまいそうで少し心配です。ここは値段相応といったところでしょう。

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サイズ比較:手元にあった「キックアス」と。一般的な邦訳本とサイズに変化はないようです

また、巻末にはラフ画や作者解説、キャラクター紹介などが特典としてついていますが、
個人的には従来のアメコミ邦訳本に決まってついてくる解説小冊子の代わりになるものも欲しかったところです。
創刊号は割と登場人物が新キャラばかりで、他誌とのクロスオーバー要素もほぼ無かったため、解説無しでもするする読んでいけますが、
今後「シビル・ウォー」や「ハウスオブM」といった他誌とのクロスオーバーを前提とした大型イベントを収録するとなった場合、初心者には何が何やら訳が分からなくなると思います。


「マーベルグラフィックノベル・コレクション」自体のレビューはこの辺にして、今度はアメコミ本編のレビューに移っていきましょうか。

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「アメイジングスパイダーマン:カミングホーム」
ライター:J・マイケル・ストランジキー
アーティスト:ジョン・ロミータ・JR
収録「Amazing Spider-Man (Vol. 2) #30–35」
「高校時代に蜘蛛にかまれ、それで身につけた力を使って町を救う、ご存じ我らのヒーロースパイダーマンことピーター・パーカー。しかし、その輝かしい数々の功績とは裏腹にピーターの人生には不運ばかり続く。今回の話も例外ではない。
ある日、いつものようにパトロールで町を飛び回るスパイダーマンの目の前に「エゼキエル」と名乗る招待不明の老人が現れる。彼はスパイダーマンと同じような能力を持ち、しかも初対面のはずなのに、スパイダーマンの正体がピーターであることを知っているという。
激しく動揺するピーター。だが、エゼキエルはあくまで自分はスパイダーマンの味方であると主張するのだった。
一方、そのころニューヨーク湾に怪しげな小船が到着する。中から現れたのは人間の生命力を奪って生きるヴィラン“モールン”だったのだ。」

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非常に面白かったです。ストーリーは町に極悪非道な悪党が現れ、ヒーローが立ち向かって倒す、というごくごくシンプルなヒーロー活劇になっており、登場人物も最小限に抑えられて、映画しか見たことが無い人も容易に楽しめるかと思います。

ライターのJ・マイケル・ストランジキーは正統派のシリアスなストーリー展開の中にちょっとした笑いを仕込ませるのが印象的な、王道のアメコミヒーロー脚本を書く人だと感じました。


アーティストのジョン・ロミータ・JRはコマ割りや構図が上手でとても読み易いのですが、、、個人的に彼が描くぬるっとしたカエルみたいな人物画が昔から苦手で、、、(でも「キックアス」とか「デアデビル:マン・ウィズ・アウトフィアー」とか彼の担当する作品は結構名作率が高いと思います)


上にも挙げた通り、創刊号としてアメコミ初心者が読むにはとてもハードルが低く、王道のスパイダーマンとして完成度が高い作品なので、おススメです!!!!

余談ですが、ウィキペディアのこちらの底本のリストを参考としてリンクを張っておきましょう


この中で100号までの内に気になるタイトルを挙げると
「Uncanny X-Men: Dark Phoenix」「The Amazing Spider-Man: Kraven's Last Hunt」「Captain America: The New Deal」「Daredevil: Born Again」「Marvel Super Heroes: Secret Wars」「Iron Man: Demon in a Bottle」「New X-Men: E is for Extinction」「Marvel Origins: The 60s」「The Mighty Thor: Ragnarok」
この辺りは絶対購入する予定です。
特に「Marvel Origins: The 60s」はシルバーエイジ期の各ヒーローのオリジン(第一話)を収録したもので、こんな機会を逃したら二度と邦訳されないだろうな感じがするので早く読みたいです。
他にも名作ばかりなので今後もこのシリーズからは目が離せませんね!!

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