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ディスクユニオン

夜中と早朝に何度か起きたものの、ベッドから起きだしたのは8時になってからだった。トースト4枚とコーヒーで朝食を済ませる。断酒2日目。
昨日、ノイズ・インダストリアルのアーティストを検索していて、ディスクユニオンのサイトにたどり着いた。CDの価格を比較するとアマゾンよりも安い場合がある。早速、メンバー登録した。たいていチェックするのは、NOISE/AVANT-GARDE新着中古なのだが、トップニュースをざっと眺めていると、昨日のニュースだが、ブリティッシュ・ロック・シーンを代表するディーヴァ、ケイト・ブッシュの貴重なライブCD「ライヴ・イン・イングランド1979 & ~ ザ・ツアー・オブ・ライフ」2枚組がリリースされるらしい。
ケイト・ブッシュのライブアルバムは、「ライヴ・アット・ハマー・スミス・オデオン」が有名だが、残念ながら私は持ってないし、中古を探しても見つからなかった。高校時代に、1982年リリースの「ドリーミング」ではまって以来、1993年の「レッド・シューズ」まで、すべてのアルバムを持っているファンとしてはぜひ手に入れたい。

ピンク・フロイドのギタリストのデヴィッド・ギルモアに見出され、1977年、19歳という若さでデビューして以来、ロック史上、誰よりも大きな影響を与えてきた女性アーティストと様々なメディアで高い評価を獲得してきた彼女だが、異例なほどライブでの活動が少ない。大規模なツアーは1979年に一度、そして長期に渡る公演も2014年にロンドンで一度のみ。そんなケイト・ブッシュだが、1979年4月~5月にかけてイギリス~ヨーロッパで行われた全29公演の「The Tour of Life」と題されたケイト・ブッシュ唯一のツアーの中で、テレビ放送用に収録されながらもお蔵入りとなった4月10日のマンチェスターでの公演を完全収録したオーディオ・マスターが見つかった。このオーディオ・マスターは当時、イギリスで唯一の民放テレビ局であるグラナダTVがスペシャル番組として、更にレコード会社のリリース・プロダクツ素材用として収録され、このライヴ・アーカイヴはケイト・ブッシュの兄で詩人として活躍するジョン・カーダー・ブッシュによる詩の朗読のパフォーマンスを含めて全26曲が完全収録されている。ステージで歌唱する際はダンスやパントマイムなどの体技を交え、一種のパフォーマンスを展開することが多く、映像でも見たいのだが、とりあえずCDだけでも良いかという思いである。発売日は2020年2月21日だ。予約しようかな・・・
ちなみに、ケイト・ブッシュは、長年の功績を称えられ、2013年に大英帝国勲章を受章したそうな。日本ではかつて放送されていた日本テレビのバラエティ番組「恋のから騒ぎ」のオープニング・テーマ曲に彼女の楽曲「嵐が丘」が長年使われていたことから、その歌声は広く知られている。

NOISE/AVANT-GARDE新着中古では、英国ノイズ・コラージュ代表のNURSE WITH WOUNDのアルバムが意外と安かった。他で探すとたいていプレミア価格がついて手が出ないのだが、NURSE WITH WOUND史上最もディープでミステリアスなレコーディングの一つと称される作品。美しさと狂気さを孕んだ暗黒カットアップコラージュ暗黒世界に満ちた「SPIRAL INSANA」が1850円で手に入る。盤質がBと言うのも気になるが、まあ、中古とはそういうもんか・・・
また、スペインのインダストリアル・ミュージックのバンド、エスプレンドール・ゲオメトリコの現在では高価なレアアイテムとして知られる組曲「政党の鉄則」と「労働者の英雄」を収録そた1982年に製作・発表されたファースト「EL ACERO DEL PARTIDO / HEROE DEL TRABAJO / 政党の鉄則」が新品で2619円で買える。これも欲しい。過去作の再発、CD化が進んでいるものの、作品が入手困難ということもあって、インダストリアルおよび電子音楽を語る際に見過ごされることも多いが、オウテカやパン・ソニックなどのアーティストの作品では、彼らの音楽からの影響が顕著に見られる。エスプレンドール・ゲオメトリコはインダストリアルのみならず電子音楽の分野に多大な痕跡を与え続けているグループである。

もうひとつ気になるのが、1978年「社会主義患者集団」を名乗り、シドニーにて精神病院の看護人グレアム・レベルと、 その患者ニール・ヒルによって結成された問答無用のインダストリアル・ノイズ・ユニットS.P.K.の1981年ライブアルバムが老舗OLD EUROPA CAFEより「LIVE AT THE CRYPT / LONDON - APRIL 25 1981」としてCDリリースされている。新品でも1980円なので、この手の音源では珍しく高くない。早速、ウォントリストに入れるが、直ぐに買えないところが悔しい。年末年始にあんなに爆買いしないで、もっとお金を置いておくべきだった。

ところで、「社会主義患者集団(SPK)」は元々、1970年に西ドイツのバーデン・ヴュルンテンベルク州のハイデルベルグ大学付属病院医学部精神神経科の内部で活動していた政治組織である。ドイツ語では「Sozialistisches Patientenkollektiv」と言われる。資本制生産諸関係の成立と存続により精神が受ける損傷と損傷に対する抵抗が現代の「精神疾患」であり資本制下の人間にとって唯一可能な生存形態である。社会より「診断・治療の権限」を便宜的に付与されてはいるが分業の一端を担う医療労働者である精神科医もまた資本制下で生存している以上「精神疾患」を患っているため、労働者の精神を完全に治癒する事は不可能であり損傷と抵抗により労働不能に陥った精神を労働可能の範疇まで補修する事しか出来ない。用語の非妥協的な意味に於いて人間精神の「治癒」を目指そうとすれば資本制生産諸関係の本源を襲撃し資本制の外に出ざるを得ない。資本制の所有関係には生産手段の私有があるため私有された生産手段を共同体に還元し生産様式と所有関係の総体の「社会化」を目指すSPKが行き着く先には革命しかあり得ず革命には武器が必要とされる。SPKはRAF(ドイツ赤軍=Rote Armee Fraktion、元は1968年頃に一部の若者を中心として先鋭化した反帝国主義、反資本主義、反米をスローガンに掲げた極左地下組織「バーダー・マインホフ・グルッペ」で、グループ名は中心となったアンドレアス・バーダーとウルリケ・マインホフの2人にちなむ)のために爆弾作りの教室を設けた後ストックホルム大使館で捕えられ爆死して果てたとの説もある。
SPKやRAFについてちょっと調べていたら、「バーダー・マインホフ 理想の果てに」という映画のDVDがあるらしい。これも見たいと思ったのでアマゾンで「あとで買うリスト」に入れてしまった。2008年のドイツのドラマ映画で、ドイツ赤軍(通称:バーダー・マインホフ)の結成からウルリケ・マインホフとアンドレアス・バーダーの死までを描いた作品である。監督が「クリスチーネ・F」のウーリー・エデルと言うのも興味深い。この手の映画では、若松孝二監督の「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」は持っている。私がこの手のものに興味を持ったのは、高校時代に「FOOL'S MATE」を通じて、ノイズ・インダストリアルミュージックに興味を持ったことや、浪人時代にペヨトル工房の「WAVE (ウェィヴ)14 テロ」や松下竜一の「狼煙を見よ」を読んで東アジア反日武装戦線を知ったことが大きい。東アジア反日武装戦線の大道寺将司の反日亡国論やアイヌ革命論には大きな影響を受けた。また、ノイズ・インダストリアルミュージックのアーティストたちは殺人犯についてもよく言及している。特にWHITEHOUSEのアルバム「DEDICATED TO PETER KURTEN, SADIST AND MASS SLAYER」によく表れている。名匠フリッツ・ラングの犯罪映画「M」のモチーフとなった、伝説の殺人鬼PETER KÜRTEN (ペーター・キュルテン)に捧げられた1981年にリリースされたアルバムである。


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