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TIPA

2001年11月21日。今日はTCVでお祭りがあると聞いていたのでひとりテクテクとMALL RORDを歩いてTCVへと向かっていた。お祭りがあるといっても確たる証拠は無い。ただの伝聞である。本当にTCVでお祭りがあるのならマクロードから続々と見学者が向かっていてもよさそうだと思ったが、人通りは疎らであった。時折車やバイクが通り過ぎるが、それにはマクロードの住民が乗っている気配は無かった。
「本当にお祭りがあるのかな???」
と、不安がよぎるが、とりあえずTCVまで行ったらいいか?という軽い気持ちで未舗装の道を歩いて行った。それにしても人通りが無い。TCVの生徒の姿もみえない。段々不安が募ってきた。しかし、行って見なければわからない。もしかしたらお祭りはもうとっくに始まっていて、私が最後なのかも知れないと思う。だが、見当は外れたようだ。
TCVまでは歩いて約1時間弱。タクシーやオートリキシャに乗ればすぐに着けるのだが節約家の私は断固歩いていくことに決めていた。こういうところでケチな性分が発揮される。まあ、インドのこと、あせっても仕方がない。ツェリン・ドルジェがいたらバイクの後ろに乗せてもらったのに・・・と思うとヤツはどこにいるのだろうかと思案した。おそらくTCVの自宅で寛いでいるのだろう。お祭りならば今日は仕事はなしである。
40分ほど歩いただろうか、偶然、ツェリン・ドルジェが何かの工事を監督しているところにでくわした。小さな工事ではあるが采配を振るっていた。ヤツが工事の監督をしているのは初めてだ。まあ、それが本職なのだが。私の顔を見るとヤツは不思議な顔をしていた。
「今日も仕事をやっているの?」
と聞くとなにを惚けたことを言っているんだという顔つきで
「今からどこに行くの?」
と聞いてきた。
「今日、TCVでお祭りがあると聞いてきたものだからこれから行こうと思って・・・」
そう言うとツェリン・ドルジェはあきれた顔をして
「今日はTIPAだよ。TCVは明日」
「え、、、せっかくここまで来たのに・・・」
「よかったらバイクに乗せてTIPAまで送ろうか?」
その言葉に甘えてTIPAまでバイクで送ってもらった。
「いろんな情報が飛び交っていてどれが正しいのか分からない」
そうつぶやくとヤツは笑っていた。
さて、TIPAに到着である。TIPAは以前仕事でN氏と一緒に打ち合わせに来たこともあるし、ツェリン・ドルジェが監督しているチョルテン(仏塔)の現場を見に来たことがあったが、いつも閑散としていて人の気配がなかった。ところがこの日に限っては出店が出されていたり、中央の広場に巨大なテントが張られていてアチェ・ラモ(チベットオペラ)が上演されていた。

TIPAについては前述したかもしれないが、もう一度紹介しよう。
TIPAの正式名称はチベット舞台芸術研究所 Tibetan Institute of Performing Arts (TIPA)といい、伝統的なチベット歌劇[アチェ・ラモ]や、舞踊・唄・音楽の保存に努め、世界中でその成果をあげている。チベットでは、音楽、ダンスは生活に欠かせないもので、様々な機会にチベット人は唄い、踊る。農作物の収穫、寺や家屋の建設、結婚式、ヤクや羊の群れを追うとき、チベット人は歌を口ずさむくらい生活に身近なものになっている。
チベット伝統芸能研究所は、1959年8月、チベット難民が最初にインドに亡命した年に、ダライラマによってチベット人の伝統を維持、保護するために設立された。今では、120人のスタッフを擁する。チベットの伝統音楽、舞踊を次の世代に伝える師範育成プログラムもあり、すでに120人が卒業している。
「今日、我々は、時間の危機の時期を通過している。我々は、古代の文化 (今消滅の脅威に直面している) を持つ国家である。我々は、我々の文化を保護するのにあなたがたの援助、国際社会の支援を必要とする。我々の文化は、世界の遺産のうちの1つである。このような古代の文化を保護するのは、関係のある国家ばかりではなく国際社会全体の責任である。」
(ダライラマ14世)
TIPAと名づけられたダラムサラの研究所は、チベットの舞台芸術の唯一の伝統を守って、促進する責任を任せられた最初の協会である。1959年の中国のチベット侵略は、ダライラマを攻撃し、ダライラマを初めとする約80,000人のチベット難民がインドに逃亡する結果となった。占有の後で、中国の当局は、チベットの文化、及び、文明の全ての伝統を破壊・攻撃した。インドへ到着してまもなく、ダライラマは、何はともあれ伝統的な舞台芸術が永久に失われる、と考えたダライラマはインドに着いた4ヶ月後に、TIPAを設立した。1959年8月のことである。TIPAは、ダラムサラに本拠を置く、クリエイティブな協会である。芸能人、インストラクター、管理職員、及び、職人を含んで、その協会には、125人のメンバーがいる。それらのメンバーは、明瞭なチベットの古代の文化の保存のための方向感覚を使って作業をしている。
TIPAは、いくらかの部門に分割されている。以下にその一部を紹介しよう。
文化的学校:
11~17歳の間の学校行っている子供は、この学校で募集されて、訓練される。音楽の基本のレッスンのかたわら、インドの政府によって置かれた通常のアカデミックなカリキュラムを追求する機会を同じく提供されている。
芸能人部門:
このセクションは、芸能人を含む。 それらは、フォークダンス、民俗音楽、及び、チベットのオペラを遂行する現実の芸能人である。更にそれらの音楽の熟達に基づくシニア、年少者、及び、ミュージシャンに分類される。
インストラクター:
このセクションは、様々なインストラクターを含む。広い範囲の主題に関して知識を持って、様々なフィールドに有能なインストラクターがいる。
先生訓練生:
全てのこれらの年の間、有能なミュージシャン、及び、ダンサーは、ダンス、及び、音楽教師としての様々なチベットの解決、及び、学校に委任される。選択された候補者は、2-3年の間、そして、コースの後で音楽のコースを提供される、それら、音楽教師としてそれらのそれぞれのコミュニティに加わる。
管理:
管理において透過を保証している、そして、組織を我々の目的、及び、特権の実現に導いている、アカウントを維持して、コーディネーションを保持して、管理は、TIPAの毎日の運転を扱う。
研究:
研究セクションは、documentingする、及び、チベットのOperaticのビジュアルコンポーネントと同様に、文学、ピクチャ、オーディオが培養するアーカイビング、ダンス、及び、音楽の原因となる。それらは、同じく伝統を遂行することと関係がある材料を研究することに関して責任がある。
技巧:
TIPAの手工芸セクションは、パフォーマンスの間必要とされる必要なコスチューム、及び、支柱を供給する。 3つの行政区の様々な領域のコスチュームのそばで、それらは、チベットのオペラ ( 動物のコスチューム ( それらのマスクによって ) 、帽子、かつら、楽器、及び、天蓋を含む ) のためにコスチュームを生産する。 同じくそれらは、本物のチベットの伝統的なドレス、コスチューム、ブーツ、及び、楽器を買うことに関心を持つ外部の機関からのオーダに着手する。
以上のように様々なセクションに分かれているTIPAであるが、その成果を一度に見れたことは幸いだった。アチェ・ラモの公演自体はチベット語が分からなかった(TCVの創立記念日のときはミラレパの伝記だったので理解でしたが・・・)のでどういうストーリーかは分からなかった。唯一、思い出に残っているのは可愛い女の子の写真を撮ったくらいだろうか?

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