会計組織発達段階

メリークリスマス!スピリチュアル会計士のpekoです。
この記事は会計系アドベントカレンダー25日の記事として執筆しています。
意図せず大トリを陣取ってしまったけど、気負わずマイペースに行かせていただきやす。#ACC_AC
マネジメントやソフトスキルに全振りキャリアを積んでいて会計の本筋からは少し離れてしまっている会計クラスタ村の端っこのpekoが送る会計にまつわってるかギリギリ怪しい与太話をクリスマスの皆様にお届けしたいと思います。

参考文献を除きエビデンスらしいエビデンスはなく、話の展開は著者の霊感によるところに大きく依存しているため、反論やウチのゴーストは違うとゆっている等ツッコミ、議論等お待ちしております!

はじめに

会計は、人と人との間の情報の非対称性を埋めるべく、人が生み出した情報を集約・加工を行う人を含むシステムであれば、人の心のありようとも無関係とは言えないので、性の6時間を使って、人の心と会計組織に接点を見出してみたいと思います。

発達段階

会計組織の発展を見る前に、まずは人の能力の発達を見ていきたいと思います。発発達心理学の一分野として、人の心はいろいろな切り口で発達が論じられます。
例えば、「乳児期」「幼児前期」「幼児後期」「学童期」「青年期」「成人期」「壮年期」「老年期」というように年齢的に発達段階を分けたもの(エリクソンの発達段階とか呼ばれる。)とかがイメージしやすいかと思います。

ざっくり発達には、水平的な発達と垂直的な発達があるとされています。
水平的な発達は、スキルセットや知識が拡張されできることが広がるイメージです。経理的なことで言えば、簿記3級の人が簿記2級を取得し業務上扱える会計論点が広がったといった状況を指します。

垂直的な発達は、世界観が広がること、自我の次元を高めるようなイメージです。経理業務的に表現すると、経理部内で完結する資料をベースとした数値集計業務から、監査法人や営業部署などの異なる世界観で動く人たちを調整する業務への対応ができるようになるといったイメージかと思います。

自我の次元を高めるとかめっちゃスピリチュアルっぽくていいですよね。垂直的な発達を深掘りします。成人期における垂直的な発達は、自分軸と他人軸の二つの軸をベースに揺れ動きながら発達をするとされています。(以下、ロバートキーガンのモデルに依る分類)

(自分軸)発達段階2「道具主義的段階」成人人口の10%程度
自分の欲望や願望に支配されていて、他者に対する共感性が乏しいため、他者を道具的に捉える発達段階とされています。多分Twitterでバズった時にとんでもないクソリプが飛んでくるのはこの段階の人たちの仕業です。
当然自分のことしか考えてないから自分軸側に整理されます。

(他人軸)発達段階3「環境依存段階」成人人口の70%程度
自己と自分の欲望を切り離しで捉えることができるので、自分の欲望が叶わなくとも自己の否定と捉えず、かつ帰属する環境の求める規範に従うことができる。社会人としてのマナー・ルールを守れる人たちです。現代において支配的な発達段階のステージ。
発達段階2と比較して、他者の存在に自己の価値観を影響されることから他人軸として整理されます。

(自分軸)発達段階4「自己主導段階」成人人口の20%程度
社会のルールを理解した上で、自分なりの価値観・ルールをもち、自律的に行動をする段階。自己の成長に関心を持ち、自分の意志を明確に主張する特徴がある。Twitter的にいうと社会の価値観を理解しながら、自己の価値観を社会に受容的に発信できるインフルエンサー的なポジションの人などはこういう特徴に当てはまるのではないでしょうか。
自己と自分の価値観が一体的である状態であるがゆえ、異なる価値観の人には否定的とも言えます。
発達段階3を内包した上で、自分の価値観に軸がよっていることから自分軸として整理されます。
同じ自分軸の発達段階2と比較すると、他者の価値観を認知せずに道具のように見ていた2とは異なり、他者の価値観の存在を認知することができます。

(他人軸)発達段階5「自己変容段階」成人人口の1%未満
自己の価値観の限界を理解しているからこそ、他者の価値観をバイアスなしに認識することができ、高い次元で他者との協働関係の構築・コミュニケーションが可能になる状態で他人軸に分類される。きっとベンチャー企業の社長とかにはこういう資質が求められるんだろうなって思います。こっから先の発達段階6以降になると精神世界の話になっていってスピリチュアル感が高まっていってゾクゾクします。

個人的には、この発達段階の議論は、スピリチュアルだから好き会社の経営者に求められる資質や管理職に求められるマネジメント能力を言語化できるという観点で注目しているのですが、今回はその点は割愛し、段階の名称と特徴のみを記載しました。(成人期における発達段階に対する誤解については余談①参照)

発達段階の議論を、水平的/垂直的発達による説明と垂直的発達の中の自分軸/他人軸による説明の2側面で駆け抜けました。この2側面を使って、会計組織を考察していきたいと思います。すごいスピードで駆け抜けてしまったので、誤解的な部分や不正確な部分があったであろう点はご容赦いただければと思います。

会計情報システムの発展の歴史

人の発達段階を見たところで、会計組織の発達を見ていきましょう。と言っても会計組織の発達を端的に論じたものはあんまり見たことがないので、会計情報システムの発達で代用したいと思います。会計組織は、会計情報システムと人によって構成されるものなので。会計情報システムの発展の経緯を参考文献②をもとに見ていきましょう。
まずは皆様には、1番最初に伝票を紙で作って手集計した時代に思いを馳せていただきつつ、コンピュータ化の恩恵を段階を追ってみていきます。

①会計単独システム

仕訳形式の会計伝票情報を入力すると、情報システム側で元帳・試算表などを作成するというシステムです。
転記・集計のプロセスを自動化した、単純な機構ですが手集計だった頃に比べるととっても発展した組織・システムに見えます。
会計情報システムの第一段階と言いつつ、かなりの中小規模事業者の記帳体制はまだこのレベル感で運用されているところはあるので侮れないやつです。
会計単独システムの中でも、コンピュータに情報を入力するインターフェースが、カードパンチ方式からモニター・キーボード方式になったことによりデータの入力・修正にかかる処理の事務処理の軽減、リアルタイム性の向上などの発展がありました。

②自動仕訳受入による会計情報システムの段階

他の業務システムから、自動仕訳を受け入れるようになったシステム。
入力作業の省力化などがメリットとして挙げられます。
会計情報システムの範囲は、一部は別の業務システムに移ったが大半は仕訳データを受け入れるという構造として変わっていないとされています。
ここの業務システムが有機的に結合している訳ではないため、自動仕訳の種類の増加により企業全体のシステムの全体の構造が複雑化するというデメリットが指摘されます。

③業務統合データベースによる会計情報システムの段階

経営管理に役立つ情報が既存の個別の業務システムの枠組み収まらずに、複数の業務システムの情報を組み合わせる必要が生じてくることから統合的なデータベースの存在が要請され、会計情報システムもその情報を利用する1サブシステムとして定義されるシステムを指す。
統合的なデータベースには、会計情報が必要とするデータも格納されるため、業務統合システムと会計情報システムの垣根はより曖昧になっているとも言えます。
早い話がERPです。

発達段階への当てはめ

上記の発達段階の考え方(水平軸/垂直軸、自分軸/他人軸)をもとに、会計情報システムの発展を再整理してみたいと思います。
そのままですと当てはめられないので、水平軸/垂直軸、自分軸/他人軸を会計情報システムの場合どういう捉え方にするかという定義をまず霊感により定めます。
・水平軸/垂直軸
水平軸は手作業から自動化などの、データ構造を変えずにコンピュータによる作業の自動化を指す
垂直軸はデータ構造や持ち方に影響を与えるようなシステムの世界観の変化を指す
・自分軸/他人軸
自分軸は会計情報システムの側、他人軸は業務システムの側によった変化

この定義をもとに、先の会計情報システムの3段階が、どういった発達をしているのかみてみましょう。

①会計単独システム
今まで手作業だった集計等の作業がコンピュータをベースとした処理に置き換わっただけで、自動化の範囲であることから、水平的な発達であったと言えます。
会計システムのことしか考えてないから、当然自分軸です。

②自動仕訳受入による会計システムの段階
会計情報システムが、異なる業務システムとの接続したという点では、会計情報システムの世界が広がったと言えるため他人軸に触れる形で垂直的な発達があったものと言えますね。(一方で、データ構造あんま変わってないし、水平軸にすぎない変化だと言われると言い返せないかも。。。)

③業務統合システムによる会計システムの段階
異なるシステムであった、業務システムと会計システムの関係性を再定義し、業務統合データベースとしたことは、垂直的な発達があったものと言えます。また会計情報システムとしての情報提供能力の限界を踏まえて、各目的別のサブシステムを統合データベースの配下におき、会計情報システムも1サブシステムとしている点は他人軸っぽく感じるところです。。。

書いているうちに思ったよりパッきりはまんなくて、どんどん自信がなくなってきました笑

次の会計発達段階

会計組織発達段階の議論を、人の発達の尺度を援用しながら議論してみました。ちょっと当てはめのところが実際にやってみたらパキっとこなかった感じもあり、大変申し訳なさを感じつつ、じゃぁぽまいはこれで何がしたかったんやというところを捕捉させていただくと、一つはその組織にあった会計組織がどれなのかを会計組織を分類する方法を作っておくことで判断しやすくすること、二つは次の会計組織のあり方に思いを馳せることにありました。

会計組織の分類という点では、今回の議論によっては、水平軸/垂直軸、垂直軸による切り分けを会計情報システムの既存の議論に基づき3段階のパターンに当てはめるにとどまりましたが、もう少し刻みがあってもよかったかもしれません。現状だとどのレベルにはどの会計組織が最適という議論まで持っていく材料が揃いませんでした。

次の会計発達段階に思いを馳せるという点では、次の会計発達段階が自分軸/他人軸のところで垂直的にどのように発展するのか、今まだ我々が手にできていないテクノロジーによって水平軸が強化されることにより大きな変化がもたらされるのか、といった予測を助ける物差しを提供できたのではないかと思いました。
例えばですが、現行の会計情報システムの議論は1企業内のシステムが議論の対象ですが、今後は複数の企業にまたがる業務システムが普及し、企業の大半の情報が複数の企業をまたがる業務システムの情報となる未来があったとすると、もしかすると会計や経営情報の役割は1企業内での資源の最適配置ではなく、同一とみなせる経済圏内の資源の最適配置などに変わっていくかもしれません。そうした世界観の転換があった際には、会計組織の発達段階も垂直軸にて大きな変化を見せるはずです。

スマートコントラクトなどの企業間取引を記録するプラットフォームの出現などに代表されるように1つのシステムが複数の企業の情報を記録すること自体は現代でも普通に出てきています。そのうち自然とそれらは会計情報にも紐づくこととなり、会計情報システムの範囲や性格にも影響を及ぼすはずで、その先にどんな会計情報システムが待っているのか。そんな深淵な問を無責任に投げつつ会計系アドカレ最終日の記事とさせていただきます。

参考文献

①Reapra Book - 社会と共創する次世代起業家が産業創造するための学習ハンドブック version 1「3章:次世代起業家における自己変容とは(自我)」

発達段階についての内容は、私自身が受けたコーチングの内容や上記の文献などをベースに記述しています。

②青木武典,会計情報システム (シリーズ 経営情報システム) https://amzn.to/48gzz08
個人的に1996年の書籍で統合情報システム(≒ERP)が概念的にきちんと整理されているのが衝撃でした。逆にこんなに前から概念は整理されているのに、あんまり身の回りの会計システムや経営情報システムはシャキッとしてないなと思ってしまう

余談

本文中に書くと冗長になるかと思って先延ばしになった子たちです。

余談① 発達段階のよくある誤解

発達段階が高次にあることが偉いとか能力値が高いとか、そういう話ではないというところはその界隈では重要な話なので補足します。
社会の有り様によって、その時代に適合しやすい発達段階があり、周りの人の発達段階によっても大きな影響を受けます。ただしそれは、能力とか偉いとか偉くないとかとは全く違う議論です。
例えば、戦国時代の領主の発達段階を土地を守る・奪うことが自分の欲求であり、他者はそれを達成するための道具という雑な世界観として捉えると、発達段階2が支配的な世界になります。そんな世界に現代における一般的な発達段階3や4の人が突然放り込まれたら、周りとの発達段階の乖離があるので多分理解されず生きづらいと感じると思います。しかしながら別に放り込まれたその人は発達段階の高さを持って偉いとはされませんよね(異世界転生的にはスキルセット等では無双するかもですが)
戦国時代の土地を奪い合う攻撃的価値観が支配する世の中は、より先の発達段階がマスを占める現代の我々からは野蛮に映ります。でも、より先の発達段階がマスを占めるかもしれない後世の人からしたら、私たちの生きているお金を奪い合う現代の資本主義的価値観もまた野蛮に映るのかもしれないな、と思いを馳せてしまいます。

余談②  発達と自己中心性と会計システム境界

「発達は自己中心性の減少である」という言葉が発達心理学者の言葉として参考文献中にも引用されています。
この趣旨は、発達が進めば進むほど、他者の価値観が理解できるようになることにより世界というものが自己とは違う物によって構成されていることを理解する=多様性の認識=自己中心性の減少ということのようです。これは同時に他者の理解により、意識の拡大(今まで気がついていなかったさまざまなものを意識できるようになること)をもたらすとされています。
会計組織が発達していくと、自動仕訳による会計情報システムでも、業務統合システムによる段階でも、業務システムや統合データベースに対しても会計情報としてどのような情報の作成・保存を求めるかを同時に突き詰めていくことにつながり、会計情報の意識の拡大が起きているように感じています。
この点で、会計情報システムは狭義の会計情報システムとしては、先の3分類により図示したところですが、企業のシステムとしては早期に会計データとはなんぞやという定義を求められるため、企業全体のシステム自体が会計システムと一体化し、会計情報システムなのか、経営情報システムなんなのかわからなくなるというように会計情報の意識が拡大し企業の情報の全てを支配しているかのように筆者は錯覚をしています。

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