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ペコの資金配分法

馬券を買う際、「それぞれの買い目をいくらずつ買うか」は非常に重要です。

この事を「資金配分」なんて呼んだりします。

同じ予想法でも、資金配分次第で通算回収率が10~20%変わる事はザラにあります。

この記事では、絶対に分かっておくべき2つの資金配分法、その違いについて解説します!

1.100円均等買いは正しい回収率を示さない?

▷ 100円均等買いと払戻均等買い

この記事で取り上げる資金配分の方法は、以下の2つです。

・100円均等買い

全ての買い目を同じ金額ずつ、均等に買います。

オッズが10倍でも100倍でも、関係なく同じ金額です。

100円でなく1千円でも1万円でも良いのですが、呼び方を分かりやすくするため、「100円均等買い」と呼びます。

・払戻均等買い

どの買い目が当たっても、払戻金額が均等になるように買います。

1万円払戻均等買いの場合、オッズが10倍なら1,000円、100倍なら100円ずつ買います。

10万円払戻均等買いの場合は、オッズが10倍なら1万円、100倍なら1,000円ずつ買います。

この2つの資金配分…

予想法は同じでもどちらを採用するかにより、馬券収支を大きく左右します!

どんな違いがあるのか?

説明していきます。

▷ 2つの資金配分法、回収率はここまで変わる!

下の表は2021年において、

・全出走馬の単勝と複勝

・馬連・ワイド・3連複の全組合せ

以上を100円均等買いした場合の結果です。

そして右端には各券種ごとに、本来の還元率を記載してます。

※以下、全ての分析表で新馬・障害戦を除きます。

( ゚Д゚)!?

どれも還元率を下回る回収率となっています。

続いて、どの買い目が当たっても払戻同額になる資金配分をした場合を見ます。

※注

仮に払戻額が「1万円以上」になる配分だと、100倍以上の買い目には100円が配分される事になります。
それですと、例えば200倍以上の買い目と100倍未満の買い目では払戻額が異なってしまいます。

ここでは払戻均等買いの仕組みを説明することが目的のため、払戻額が「1,000万円以上」となるよう設定しています。
実戦の結果報告やペコ指数の回収率分析では、1万円以上の払戻均等買いなど、現実的な設定を用います。

各券種、還元率とほぼ同じ回収率になりました!

つまり、本来得るべき回収率を得られるのは払戻均等買いという結果。

100円均等買いだと、得られる回収率は大幅に下がる…

なぜこうなるのか?

説明します。

▷ なぜ回収率が大きく変わるのか?

説明のために、2020年と2021年ぞれぞれの「全出走馬の単勝を100円均等買いしたデータ」を見てみます!

なんと7%以上の差が出ています。

ちなみに払戻均等買いだと、どちらも79.5%となります!

なぜこんなにも違うのか…?

その大きな原因に、2021年は大穴馬の単勝回収率が例年よりも低くなった事が挙げられます。

単勝70倍で区切ったデータを見ると分かりやすいです。

単勝70倍以上となった馬の成績が大きく違い、70倍未満の馬はどちらの年も安定しています!

2021年度、もし単勝70倍以上の馬が例年と同じくらい勝っていれば、全体の回収率はもっと上がっていたわけです。

しかし、穴馬ほど短期間の勝率はブレやすくなります。

つまり100円均等買いという馬券の買い方は、穴馬の成績によって全体の回収率が大きく変わります。

結果、得られるはずの回収率に収束しなくなってしまうのです。

そしてこの問題点を解決し、得るべき回収率を得るための資金配分法が、払戻均等買いです。

2.回収率を正しく示し、実現出来るのは払戻均等買い

▷ オッズに関わらず、的中の重みを同じにする

仮に「中央競馬で全馬の単勝を買う」という予想法があれば、その実力は還元率と同じ80%になるはずです。

しかし、100円均等買いだと「オッズが何倍の馬が勝つか」によって回収率が変わってしまいます。

【100円均等買いの例】

※下の図は比較がわかりやすいように、1,000円均等買いとしています。

【払戻均等買いの例】

このように、100円均等買いは的中したオッズによって回収率が大きく変わります。

結果、予想法の実力を反映しにくくなるのです。

それに比べて払戻均等買いは、どのオッズが的中しても一定の回収率を得られます。

つまり、オッズに関わらず的中の重みを同じにする事で、その予想法の実力に見合った回収率が得られる事になります。

予想法の実力を正しく計ったり、実戦で見込みの回収率をしっかり得ていくためには、払戻均等買いを選ぶべきです。

▷ 払戻均等買い、もう1つの大きなメリット

払戻均等買いはその予想法の実力を正しく示し、実現する買い方です。

さらに、実戦でもう1つ大きなメリットがあります。

それは「短期間の回収率が安定しやすくなる」というものです。

例として、ある期間・以下の条件で馬券を買った場合のシミュレーションをしてみます。

【100円均等買いの場合】

【1万円払戻均等買いの場合】

どちらも12倍の馬券実力通り120%の回収率となっています。

しかし、100円均等買いの方は120倍の不的中が足を引っ張り、全体でマイナス収支となりました。

それに対して、1万円払戻均等買いの方は全体でプラス収支

的中の重みがほぼ同じになっているので、120倍の不的中を補えるのです。

これが払戻均等買いの「短期間の収支を安定させる効果」です。

▷ 100円均等買いでも問題がないケース

100円均等買いで馬券を買い続けても、問題がない予想法もあります。

例えば低配当帯だけを買うような予想法なら(5倍以下の複勝だけを買うなど)、的中のブレが起こりにくくオッズのバラつきも少ないです。

オッズに関わらず均等な結果が出やすくなるので、100円均等買いでも問題ありません。

または高配当のみを買うような予想法もそうです。

資金配分法に関わらず、基本的に穴馬の成績に左右されるため、100円均等買いと差が無くなります。

※説明を省きますがそういった予想法の場合、100円均等買いの方が回収率は高くなる可能性があります。

つまり、大小さまざまなオッズ帯を買う予想法において、払戻均等買いは効果を発揮するというわけです。

3.ペコ指数にはどちらの資金配分が良いか?

▷ ペコ指数は大小さまざまなオッズ帯を狙う

ペコ指数の解説記事や定期的な結果報告記事に、ペコ指数を様々な視点で見た成績を載せています。

※例えばこんな感じです↓

この時、券種に関わらず1ケタ台から数百倍のオッズまで対象になります。

それを参考にするという事は、「大小さまざまなオッズ帯を買う予想法」で馬券を買う事になります。

ですので、ペコ指数を元にした馬券戦略には、基本的に払戻均等買いを用いるのが良いかと思います。

▷ 払戻金額はいくらにしたら良いか?

では払戻均等買いで買っていこう、となるわけですが

1つ的中するといくら払い戻されるように配分すれば良いのか?

ポイントは「どの馬券が当たっても、同じ金額が払い戻される」です。

例えば100倍までの馬券を買うなら、最低1万円が払い戻されるよう配分すると良いです。

仮に100倍に対して1,000円賭けるなら、10倍には1万円となります。

オッズによる払戻金額に差が無いほど、実力通りの回収率が得られますし、短期の収支も安定します。

逆に払戻金額に差があるほど、得られる回収率は予想法の実力から良くも悪くも離れていきます。

▷ 2022年からは払戻均等買いのデータを各所に記載!

2021年までは各所の成績データに、100円均等買いの場合だけを載せていました。

しかし、2022年からは払戻均等買いのデータも載せていきます!

例えば2021年における推奨穴馬の成績、100円均等買い1万円払戻均等買いだとこうなります。

単勝回収率にご注目。

100円均等買いの方が高回収率。

つまり、より高オッズ帯の的中が全体の回収率を押し上げた事を示しています。

しかし、1万円払戻均等買いで回収率118.8%なら、短期間の収支が安定する払戻均等買いがお勧めです。

こういった判断もしやすくなるので、払戻均等買いのデータは掲載すべきだと考えました。

▷ まとめ

結論として、ペコ指数を元に大小さまざまなオッズ帯を買う場合、払戻均等買いをお勧めします。

ペコ指数の成績データも100円均等買いと払戻均等買いを載せるので、参考にしてみて下さい。

100円均等買いの方が回収率が高くなっていたら、低配当帯より高配当帯の回収率が高いんだなと捉えて頂くと良いかと思います。

馬券戦略は予想法と資金配分の両方が重要です!

馬券で勝つために、気分次第や適当な資金配分でなく、データに基づいた根拠ある配分で買っていきましょう!

おまけ.「高配当帯は過剰人気しやすい」

100円均等買いの問題点をもう1つ挙げておきます!

各券種共通して、夢のある高配当帯は「オッズが高い」という理由だけで過剰人気します。

2020年と2021年、全馬の単勝を70倍で区切った表を見ても分かります。

70倍以上はそもそも平均回収率が70倍未満より低い

つまり、的中する可能性以上に買われています。

この傾向は他の券種でも同様です!

下の表は2018年~2021年における、馬連のオッズ帯別・100円均等買い成績データです。

本来の回収率である77.5%を維持しているのは、200倍台まで

これを100円ずつ買うから、高配当帯の低回収率に全体収支が引っ張られるのです。

払戻均等買いで、オッズ帯によるリスクを可能な限り軽減する必要があるわけです。

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