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個別銘柄分析 No.1 JRC

皆さん、こんにちは。
銘柄分析を共有して少しでも皆さんの投資戦略の一助になればと思います。
2024年の個別銘柄分析の第1弾は証券コード 6224 「JRC」です。
コンベヤ部品の設計・製造・販売やコンベヤ設備の運用改善などを手掛けています。

サマリー

・ベルトコンベア事業は値上げにより利益率を確保。海外も進出中
・ロボット事業はまだまだ小粒ですが長期では事業拡大が見込まれる
・現在の株価はそこまで割安ではないため、年内1,000円超が上値の目途

事業内容

ベルトコンベヤ事業とロボットSI事業の2事業を展開しています。
2024年度の事業計画ではベルトコンベヤが88億円、ロボットSI事業が7.4億円と90%以上がベルトコンベヤ事業となっております。

決算説明資料より

ベルトコンベア事業は業界シェア52%とリーディングカンパニーとなっております。また、更新・リプレイス率は86%となっており、ベルトコンベアは消耗部品も多いため、メンテナンス・リプレイスで安定した収益を獲得しています。
また、ベルトコンベア事業で培ったノウハウ等を活かしてロボット事業を展開しております。規模はまだ小さいですが、ベルトコンベアとのシナジー効果も見込めるため、今後の成長が期待できます。

業績推移

緩やかですが確実な成長を遂げております。今期の業績予想でも6.5%の売上増加見込みとなっております。

中間決算においても売上で事業計画の99.5%、営業利益で107.8%となっており、ほぼ事業計画どおりの着地となっております。売上が事業計画にわずかに未達の部分はロボットSI事業で大口の案件の検収が第三四半期にズレ込んだ影響とのことですので、問題なし、と判断してます。

財務状況

自己資本比率は第2四半期決算時点で38.8%となっており、年々上昇しております。有利子負債倍率は1倍程度、現金および預金で16億円保有しており営業キャッシュフローも10億円程度プラスのため、短期の資金需要的にも問題なさそうです。
財務面は盤石、という水準ではないため、当面は決算発表のとおり配当性向30%程度が目安となりそうです。

今後の展開

①ベルトコンベアの拡大・海外展開

売上の大半を占めるベルトコンベア事業の拡大が成長に直結します。
現在、DXを推進しており代理店向けの営業アプリの活用を推進しており、注目すべきはまだ未開拓のエンドユーザーがたくさんいる点です。決算説明資料によると8割から9割のエンドユーザーが未開拓とのことで、顧客・潜在ニーズの掘り起こしにより更なるシャア拡大が見込めます。(現在、5割以上のシェアを持っているはずなので、未導入のエンドユーザーが含まれていると思われます。)
また、海外展開も進めており、ASEANに進出している日本企業からの引き合い、米国はパートナー会社を通じて販路を拡大しているとのことです。成長著しいASEANで現地企業への直接販売等も進めていくかもしれません。

決算説明資料より

②ロボット事業

売上規模はまだ小さいですが、ロボット事業が軌道に乗れば面白いと思います。ベルトコンベアのエンドユーザの中でこれまで人が行っていた「多品種 少量生産」・「組立・搬送工程等」が人手不足・テクノロジーのシンポにより急成長市場となっております。上場で得た資金等で人材を集めたり、既存既存の買収等で事業展開が軌道に乗れば更なる売上拡大が見込まれます。

目標株価

2024.1.7時点の株価は782円、PERは10.9倍・PBRは2.67倍となっており、非常に割安、とまではいかないもののそこそこな水準です。時価総額も99.1億円とまだまだ小さいため、今後の業績拡大によっては株価の上昇が見込まれます。
今期は最終利益で10%程度の成長ですが、来期は価格改定の影響プラス事業拡大で15%程度成長すると予想します。成長期待が膨らめばPERも13倍程度まで許容されると思いますので、今期の一株利益予想71.8円×15%成長×PER13倍で1,073円、37%程度は上昇余地があるのでは、と思います。
ロボット事業が急拡大しない限り、短期で数倍になるような銘柄ではないですが、着実な上昇が見込まれそうです。

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