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高見ダムへの新規ルート

東の空が白み始めた。朱色の柔らかな朝日が新ひだか町を照らす。素晴らしい一日の始まりだ。

私たちは国道235線を左折し、道道71号線を北上し始めた。

途中、セイコーマート静内御幸店で買い物を済まし、ホットシェフのオニギリ、ベーコンおかかを頬張りながら遠くに連なる日高山脈を眺めては本日の目的地への想いを馳せていた。

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幻のダムといっても過言ではない高見ダムへの。

今回の探索ルート

静内ダムの堤体を渡り、左岸沿いに続く『東の沢左岸林道』第一ゲート→シュットク沢を渡渉して一山越える『シュットク1号線』→目梨別橋付近で『高見林道』と合流→『高見ダム』というルートだ。

このルートは昨年春に探索をしたが、タイムオーバーでシュットク1号線のピークで断念。しかし、どうしても気になって仕方がなく、今後の活動の選択肢の一つとして必要な情報だ!そう思い、一年半という時を経て再チャレンジする時間を確保したのでした。

幻のダムともいわれる高見ダム。ここに一人で行くには勿体無い。やはり喜びは共有するものである!初めて高見ダムを見た感動をあなたにもっ!!と考え、Twitter上でご一緒に高見ダムを見に行きませんかー?と募集したところ、2名のド変態(おっと失礼、勇者)が参戦表明。

参加メンバー

札幌市のMさん(秘境に中華鍋を持参して調理をするという変態の次元を越える山のスペシャリスト)

新ひだか町のTさん(何でそんなこと知ってるの!?というくらい日高の川と林道に詳しすぎる超人)

日高の秘境冒険家ペテガリ(新冠川、静内川、日高横断道路マニアすぎて一般人と会話が成り立たない社会適合者)

東の沢左岸林道を出発

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7:50 東の沢左岸林道第一ゲートを出発

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8:10 ピセナイ林道分岐点約500m手前にある大崩落箇所

登山客が多いためか踏み跡はしっかりしている。

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8:15 ピセナイ林道分岐点

ここに来てビックリした。昨年春に訪れた際は土砂で林道が埋もれていたが、綺麗に整地されているではないか...。

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これが昨年春のピセナイ林道分岐点。他の箇所も補修されており、どうやら昨年林道整備に入ったようだ。しかし、先ほどの大崩落箇所をどうやって?

分岐点を真っ直ぐ進むとピセナイ林道。東の沢左岸林道はここを左折します。

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8:20 東の沢左岸林道第二ゲート

ゲートの中にゲートがあるという謎の現象。なんでこんなにゲートを設置するのでしょうか...。

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第二ゲートからは少しだけ急登が続く。第二ゲートから少し進んだ場所から大崩落方面を眺める。このように見ると東の沢左岸林道はガードレールなど存在しない、ユンガスの道みたいで恐ろしい。よくぞこんなところに林道を造ったものだ。

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第二ゲートからの東の沢左岸林道はダラダラと緩やかなアップダウンを繰り返す。景色の変化も特別なく、ちょっと飽きてしまいそうな退屈な道。

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そんな退屈な道程の楽しみは右岸にある日高横断道路であろう。こちら側は伐採が行われている模様。それにしても日高横断道路はアップダウンが少ない綺麗な砂利道で歩きやすそうだなぁ、羨ましいなぁ、業者専用道路にするのは勿体無いなぁ。

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9:30 シュットク1号線分岐点

さて、ここからは地図に載っていないシュットク1号線を進みます。左側のゲートを潜りシュットク沢へ。

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砂防ダムと砂防ダムの間に林道は続いており、シュットク沢を渡渉して対岸へ。

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シュットク1号線の渡渉箇所。

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渡渉後が当ルートのメインイベント!つづら上りの超急登が続きます。乗っ越し地点まで一気に標高200mくらい登り、-2℃にも関わらず汗が噴き出る。ハッキリ言います、2ヶ月くらい山歩きをしていなかった私にはゲロ吐きそうなくらいつらたんです😭

そんな中、同行のMさんとTさんはスタスタ歩いております。変態です。

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10:10 乗っ越し地点に到着

下流側を眺める。良くぞこんなところまで登ったな。心の中でこれでもか!っていうくらい自分で自分を褒めまくり、スニッカーズを与えて自分を盛大に甘やかす。

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乗っ越し地点から目梨別橋が見える。今度はこの橋付近まで一気に下ります。

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降りも登り同様にクネクネ道。途中ショートカットをして歩行距離を削る。

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シュットク1号線も路盤がしっかりしており、廃道になって数年経過するものの歩きやすい。

降りの途中、谷底を眺めると高見ダムからの放水口に続く橋も見える。

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10:30 高見林道合流点

魔のシュットク1号線を経由してやっと到着。かなり体力を消耗した。そしてまたしてもゲートが。東の沢左岸林道第一ゲートから合わせて5個目のゲート。高見林道を北上します。

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廃道の向こう側には綺麗に整備されてる林道。お金かかっているなぁー笑

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高見林道を少し進むと日高横断道路の『大曲』、そして高見ダム堤体が見えてきます。あと少し。みんな頑張ろう!

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10:45 高見発電所分岐点

ここは右に進みます。

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高見ダム〜静内ダム区間の静内川は流れがなく、砂利の河原が広がっており悲しい気持ちになる。

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高見ダム堤体まであと少し。谷底は高見発電所が見える。そしてダム直下の静内川は相変わらず渇き切っています。

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最後の登り坂。ここを登り切れば...

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11:50 高見ダム堤体に到着

遠くに見てる山並みがとても綺麗です。

それでは幻のダム高見ダムをじっくりご覧ください。

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これは取水口。高見ダムの水は導水管を通り、静内ダムへと放水されています。

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お昼ご飯を食べる前に3人で乾杯🍻いやぁ...今年一番美味しいビールだ。。

目の前に広がる特別な景色に見惚れながら何だかんだ1時間近く休憩。

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帰りは12時に出発し、東の沢左岸林道第一ゲートには15時に到着しました。同行してくださいましたMさん、Tさんありがとうございました。お話ししながら歩いているとあっという間でした。感謝!

片道約12.5㎞、約3時間の道のり

話をまとめると

【行き】東の沢左岸林道第一ゲートを7:50に出発→高見ダム堤体には10:50に到着

【帰り】高見ダム堤体を12:00出発→東の沢左岸林道第一ゲートに15:00到着

【山行時間】往復約6時間

【山行距離】約25㎞

最大の難所はつづら登りが続くシュットク1号線かと思います。東の沢左岸林道と高見林道は比較的歩きやすいです。

林道歩きは特別な変化もなく精神的に辛いものがありますが、対岸の日高横断道路や周囲の森林、野生動物に目を向けると新たな発見や楽しさが見つかるかもしれません。

注意点

このルートが通行不可になってから数年が経過し、車通りがなくなった現在(以前はほくでんさんも通行してた)、廃道と化して野生の森に戻りつつあります。

林道自体は路盤もしっかりして、そこまで荒れていないので迷う心配は少ないと思いますが、ヒグマの糞が数え切れないほど落ちておりました。

あと水場が極端に少ないため、涼しい時期にトライするのがよろしいかと思います。

機会がございましたらぜひチャレンジしてみて下さい!

#日高山脈
#日高横断道路
#静内ダム
#高見ダム

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