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2022年ウィーンフィルハーモニー New Year Concert

毎年 お正月の恒例行事 ウィーンのニューイヤーコンサートが今年も実施されました。昨年、今年と比較をするとCovid-19の影響が強く出ていて非常に印象的であったので今年最初のレポートとして取り上げることにしました。
多くの方が、生中継されたこの演奏会をお聴きになられていると思いますので細かいことは私の記事に書く必要はないと思います。
2021年のこのコンサートは無観客で行われました。誰もいないムジーク・フェラインザール(楽友協会ホール)で実施された演奏会はとっても不思議な光景で(それまでも無観客での演奏会は行われていて、珍しくなくなっていたにも関わらずです。) Covid-19でずたずたにされた音楽世界の象徴のように思われました。それに対して、今年は 有観客で行う決定が直前になされ、1000名の人数制限はありましたが、一見いつものニューイヤーコンサートが戻ってきたのはとても良かったです。

1939年大晦日にオーストリアを併合したナチスドイツがオーストリア人の憤懣を抑える目的で始めたとされるヨハン・シュトラウスのワルツやポルカの演奏会が翌1941年の第二回からは1月1日正午から開催される現在のスタイルとなりました。1955年(~1979年)以降ウィリー・ボスコフスキーが指揮を行い1980年以降は有名な指揮者が招かれて演奏を行う現在のスタイルが定着しました。私が聴き始めたころはまだボスコフスキーが振っていて、指揮者がロリン・マゼールに交代した1980年はいささかショックでした。昨年のコンサートはそれに匹敵?するくらいの衝撃だったのを思い出します。

今年の指揮者はダニエル・バレンボイム、彼がアンコールの『美しく青きドナウ』を演奏する前に挨拶(ドナウを演奏し始め拍手で中断し、挨拶を始めると思ったのですが ホルンがテーマを奏でるところまで演奏したのには何かわけがあるのかしら?ただ挨拶するのを忘れただけ?)をした中で印象的だったのは、「Covid-19によって分断されようとしている世界のなかで、(我々には)音楽によるコミュニティーがある。今日ここに集い、世界中に音楽を届けられることは 素晴らしいことだ。」(同時通訳さんの声が消せなくてよく聞き取れなかったのですがこんなような意味のご挨拶だったと思います)と語られたこと。前年のリッカルド・ムーティさんのメッセージも趣旨は同様で、「人々をつなぎとめる音楽の力 そのために、空っぽの美しい歴史的なホールで我々は演奏している…」というような内容だったかと思います。
オミクロン株の脅威の中、1000人という人数制限はありましたが観客を入れてこのコンサートを開催したことに対し、いろんな考えがあろうかと思いますが 観客がいて、オーケストラが演奏している今年の映像の方が、空っぽのホールで演奏していた昨年の映像よりずーっと楽しそうだったのは確かに言えることだと思います。早く、普通に演奏会へ、ホールへ行けるようになるとよいですね。

このニューイヤーコンサートは、アンコールとして『美しく青きドナウ』それから最後におお父さんのシュトラウスⅠ世の『ラデツキー行進曲』で締めくくられます。バレンボイムさんは観客も演奏者の一員として指揮をされ、「みんなやれるじゃん(^^♪」的なサインを送られていました。(なぜかロシアの映像ですが…)


最後にスペイン語のナレーションですが、今年のコンサートの全体の映像です。(映像のクオリティーが良いです)

By こばつね

ぺテルで劇場へ行こう!』、ペコのサイトにぜひ遊びにきてくださいね。

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