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映画「蜜蜂と遠雷」私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?(プロコフィエフ作曲ピアノコンチェルト3番)

2019年公開の邦画「蜜蜂と遠雷」がアマゾン・プライムで観れるようになったので早速見直してみました。この映画は、あるピアノコンクールの予選会に出場した4人の若きピアニストたちの物語。コンクールなので互いに意識しあいながら、皆成長をしていく姿を音楽を縦糸に演じられている。なかなか、面白い映画だと思います。

さて、本日ライトを当てたいのは この映画の終盤、主人公の栄伝亜夜(エイデン・アヤ)が自身の母の死をきっかけにピアノが弾けなくなった原因の曲(プロコの3番)に向き合うことで壁を乗り越えていくという山場の曲です。これが、なかなか良いのです(^^♪。
映画も楽しいのでお勧めですが、その前に まずはぜひ聞いてみていただきたい曲です。

とってもリズミカルな曲で、落ち込みそうになった時などには気分を盛り上げるために聞くと元気が出てきそうです。でも完全に落ち込んでしまった時には、かえって傷に塩を塗り込むような感じとなるので 別の曲を聞かれたほうが良いと思います(あくまで個人の感想です。)
元の映画の中では、天才少女と言われた主人公の亜夜(アヤ)さんが、母親の死の直後に演奏会でこの曲を弾くことになっていましたが、冒頭部分で急に弾けなくなり突如公演をキャンセル。以後音楽の世界からいなくなってしまっていました。
7年後に、母からの宿題となっていたこの曲と向き合い、ライバル達にも支えられながら最後は自分の力で壁を超えていく様子をこの曲で巧みに表現することができたと思いました。

音楽の女神さまに微笑みかけられた瞬間

写真は 映画の中で、7年前に超えられなかった壁を突き抜け、音楽の女神さまに微笑みかけられた瞬間の亜夜さんの微笑み。全編の映画の中で特に印象に残りました!

私も何かつらいことがあったら、致命的になる前に、この曲を聴いて元気をもらおうと思います。

さて、YouTubeで演奏を聴いてみました。その中で2人の演奏を紹介したいと思います。

辻井さんの演奏は、第一楽章で最初にピアノが入ってくる音が素晴らしい。辻井さんの音楽はまさに「私は音楽の神様に愛されています」とピュアにさけんでいるような透明感を感じます。

白眉なのはやはり、アルゲリッチさんの演奏。歌うように流れるような演奏。メロディーを口ずさみながら演奏するその指先の動きは(いま、おいくつなのか存じ上げませんが)妖しいまでに滑らかで、プロコの音楽を『楽しみながら弾いていますよ』と語っているよう。思わず見とれてしまいます。
お若かった時の灰汁(あく)の強さが取れて、肩の力が抜けている様子で とても美しい大人のプロコフィエフです。(一押しです!)

By 音楽の神様に無視されている こばつね


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