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想いでの音楽

音楽は2通りの楽しみ方があると思います。
(1) 音楽を聴くことで、今を楽しむこと
(2) 音楽と結びついた過去の記憶を音楽と一緒に楽しむこと

普通、音楽会に行ったり、YouTubeで映像や音楽を聴くのは(1)の楽しみ方。CDを聴くときには(2)の過去の記憶と結びついて音楽を楽しむことが多いように私は思います。例えば、10 年ぐらい前に演奏会に行ってそれがあまりに素晴らしかったので帰宅時にホールで売っていたCDを買ってきてしまった。それを今、その演奏会の素晴らしかった記憶に誘われて聴く場合が多いです。CDには(昔はレコード)そのような記憶がおまけでくっついていた物です。

さて、なんでこんなことを書くつもりになったかというと11月28日の「劇場へ行こう」で清水さんが講義で「ブラームスの音楽を聞いてみてください」とおっしゃったので「さて何を聴こう?」と思ったら急にこの曲が過去の記憶と一緒に頭の中に広がってきました。
「ブラームスのバイオリンソナタ第一番」ブラームスらしいいぶし銀のバイオリンソナタです。この曲には私の記憶パッケージがくっついていて、それゆえに自分の中では 交響曲1番とかハンガリー舞曲5番とかを差しおいて一番最初に出てきたんだと思います。

まずは聞いてみてください。バイオリンが名手イツァーク・パールマンと何とピアノ伴奏がダニエル・バレンボイムの超豪華コンビでの演奏です。

記憶パッケージの内容は、『嫉妬』です。ヤマハの大人のバイオリン教室でバイオリンを習い始めて数年経過。でも全然ものにならず自宅近くの個人教室の門をたたいて初日のレッスン、ドキドキしながら自分のレッスンの順番を待っている時、私の前の方の新しい課題曲がこのソナタ。圧倒的な差を見せつけられて打ちのめされてしまいました。どうにもならない差を見せつけられると嫉妬って出てくるんだなぁと思います。さて、その時の生徒さんと先生の会話。「(譜読みした結果)ポジション移動が難しいんですよね」「ブラームスはバイオリンを知らないから無茶している。しょうがないよ」みたいな会話でした。なんとかっこいいじゃァないですか?(この日が東日本大震災の翌日だったのでそれも印象に残った理由の一つかも)ということで、ブラームスと聞くとちょっと苦い感じの感情がにじんできます。いつか日にかこのソナタが弾けるようになるとブラームスはまた違う味になるのかもしれません。

このソナタの次に浮かんでくるのが交響曲1番。ブラームスは4曲交響曲を書いていますが、その最初の交響曲1番 指揮はカール・ベームでないといけません

https://youtu.be/OULabXciAnyTk

お金がなかった学生時代、大好きだったカール・ベーム指揮の交響曲全集を買おうと思ったのですがベートーベンとかマーラーとかは交響曲の数が多いので値段が高かった。でもブラームスは4曲!やすいよねということで購入した記憶です(貧しさの記憶…)当然、何度も何度もCDを聴くわけですが何度聞いても新しさが薄れなかったのが「ベームの1番」なんです。ブラームスの全てが凝縮しているような気がしました。
添付は、1975に来日された時のコンサートの録画です。まだこの時はずいぶんとお元気だった。

ちょっと変わり種のビデオです。5人の指揮者の演奏を並べて比較できるようにしたもの。出来れば千秋真一君とライジングスター・オーケストラ(「のだめカンタービレ」からのネタです)も加えてもらえると完璧かも?と思います。

by こばつね

ぺテルで劇場へ行こう!』、ペコのサイトにぜひ遊びにきてくださいね。


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