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スマホの画面がいつもモザイク

キルギスは近頃暖かくなり、先日は20度近くまで気温が上がりました。前回記事を書いた時にはマイナス10度って書いた気がするのですが、気のせいでしょうか・・・。

 とはいえ暖かくなるのは、自転車好きの私にとってはとても良いことです。冬の間もなんだかんだ毎週乗っていましたが、やはり雪がない分ペダルを漕ぐ足は軽くて爽快です。楽しくなって少し遠くの中華食材店まで買い出しに行き、お店を出るときのリュックの重さに達成感を感じているとポケットに入ったスマホに着信がありました。確認するとただの広告。なんだと思ってスマホをポケットに雑に突っ込み、再び自転車に跨りました。
 さて帰り道。キルギスの道路にはバリアフリーの概念などないのか、所々段差や亀裂があり、そんな障害物を自転車で避けたり少し跳んだりしながら自転車を漕ぐのも慣れれば楽しいものです。しかしそんなことをしていると、雑に突っ込んだのが気に食わなかったのか、私の太い足とジーンズの圧に耐え切れなかったのか、スマホがするりとポケットから逃げ出しました。急いでブレーキをかけるも、道路の上には見慣れた私のスマホケースが横たわっています。自転車を降り、スマホを拾うと、バキバキとまではいかなかったものの、いくつかの亀裂が入り、ロック画面に設定された私の大好きな歌手の顔が少し歪んで見えました。
 先ほどまでの楽しい気分はどこかへ行き、背中のリュックもなんだか少し重くなった様な気さえしました。家に着いてから再びスマホを見るも、やはりどうみても亀裂が入っています。しかし、しばらく眺めていると、ロシアで出会ったモザイクのことを思い出しました。

 導入が長くなり恐縮ですが、皆さんは「ロシアンモザイク」を知っているでしょうか?もし知らなくてもサンクトペテルブルクで観光をしていると気づかないうちに見てるはずなんです。モザイクと聞くと様々な色のタイル等を組み合わせて作った絵のことを想像する方が多いと思いますが、ロシアンモザイクは全然違います。

モザイク②

 ただの石で出来た花瓶じゃないかと思ったかも知れませんが、これがロシアンモザイクです。ロシアンモザイクとは、主に薄く砕いたマラカイトを張り合わせて作るモザイクのことです。1種類の石しか使わないので、ぱっと見モザイクと分からないのですが、よくみるとマラカイトの自然な波模様を巧みに組み合わせてロシアンモザイク独特の不思議な模様が描かれています。そしてこの技法は平面だけでなく、花瓶や柱等の曲線でも美しく彩ることができるため、エルミタージュ美術館の装飾品としてはもちろんのこと、イサク聖堂の柱等、サンクトペテルブルクのいろいろな場所でこのロシアンモザイクを見ることができるのです。もしロシアを観光することがあれば、ただの柱だと思っていたものにもモザイク職人の巧みな業が隠れているかもしれませんので、是非注意して見てみてください。
 もし興味を持って頂けた方は、こちらの動画を見ていただくとどうやって作るのか分かりますので、こちらも是非見てみてください。


 なんだか今のスマホの画面も好きになってきました。by ゆきお

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