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Apple Intelligenceが示す生成AIの真価:オンデバイスAIの革新

OpenAIがChatGPTをリリースしてから一年半以上が経ち、生成AIと大規模言語モデル(LLM)に対する認知と期待が大きく広がりつつあります。この波に乗って、AppleもついにAIの領域に本格的に参入しました。iOS、iPadOS、macOSの新バージョンに組み込まれるAI機能を発表。「Apple Intelligence」と名付けられたこのパーソナルインテリジェンスシステムは、多様なAI機能をユーザーに提供します。詳細な機能については他に多数記事があるので、ここでは言及しませんが、この人類初となるオンデバイスAI(多数の人が使うという意味でね)がいよいよ生成AIの真価を示すことになるでしょう。

生成AI利用の現状

生成AIは、テキスト、画像、音楽、ビデオ、そしてコードまでも生成する能力を持った革新的な存在であるにもかかわらず、まだ十分に普及しているとは言えません。

YouGovが6か国(米国、英国、ドイツ、フランス、日本、ブラジル)、12,000人の成人に行った調査によれば、生成AIツールを使ったことがある人わずか11%に過ぎません。主な利用目的は「試してみる」ことと「情報を得る」ことであり、これらの用途を合わせても28%に留まっています。この数字は、まだ多くの人々が生成AIの真の価値を見出していないことを示しています。

AppleのAI機能「Apple Intelligence」の登場

iOS 18はApple Intelligenceにより、驚くべき進化を遂げています。私の勝手な想像ですが、次期iPhoneはとんでもない売り上げになるのではないかと予想しています。

まず、言語や画像を理解し生成する能力が強化され、ユーザーは日常のタスクをより迅速かつ効率的にこなすことができるようになります。これは、Appleシリコンの強力な処理能力を活用した結果です。

さらに、Apple Intelligenceは、ユーザーの個人的な背景に基づいて状況を理解し、適切なアクションを提案することができます。例えば、メールの作成や画像の編集など、ユーザーのニーズに合わせたサポートをしてくれます。

プライバシー保護についても進化が見えます。ほとんどの処理がオンデバイスで行われるため、ユーザーのデータが外部に漏れる心配がありません。これにより、ユーザーは安心してApple Intelligenceの機能を活用することができます。これまで生成AIのプライバシー保護やセキュリティについては過剰なまでに警戒されてきた背景がありますからね。安心材料になるでしょう。

※オンデバイスAIのプライバシーとセキュリティの強化については以前も言及しました。

また、メールやメモ、その他のアプリで「書き直し」「校正」「要約」を簡単に行えるようなります。これにより、多くの人が生成AIの利便性に気付くでしょう。「Image Playground」も非常に魅力的です。数秒で思うような画像を作成できます。これにより、ソーシャルメディア上のコミュニケーションや自己表現がさらに楽しくなります。

Apple Intelligenceが搭載されたiOS 18は、ユーザーのデジタルライフを大きく変える可能性を秘めています。プライバシーを守りつつ、パーソナライズされたAIサポートを提供するこのシステムは、まさにオンデバイスAIの走り。生成AIによる先行者利益の一部はこれで消えていくでしょうね。楽しみと焦りが混同し、私も複雑な感情です。

先ほど述べた通り、現状は生成AIの利用は限定的であるものの、Appleの参入により、その真の利用用途が見つかってしまうことでしょう。Apple Intelligenceが提供するプライバシー重視のオンデバイス処理は、多くのユーザーにとって魅力的です。これにより、生成AIの普及が進み、私たちの日常生活やビジネスにおける革新が加速することは間違いでしょうね。

まとめ

Apple Intelligenceの登場は、生成AI普及の重要な一歩となるでしょう。これまで、生成AIの普及は限定的であり、一部の先進的なユーザーを除き、大多数のユーザーがその真の価値を見出せずにいました。しかし、AppleのAI機能は、ユーザーの日常生活を大きく変える可能性を秘めています。大量のユーザーが生成AIに触れることで、想像もしないような用途も見えてくるでしょうね。ここで一旦の先行者利益を得るチャンスは終了することと思います。

生成AIの真価は、その多様な応用可能性にあります。例えば、テキスト生成では記事やブログの自動作成、画像生成ではデザインの補助、音楽生成では新しい楽曲の作成など、さまざまな分野で革新的な利用がされています。Apple Intelligenceもその一環として、言語や画像生成能力を強化し、日常タスクの効率化を図りますが、他の企業も同様の技術を有しており、競争が激化していくでしょう。

しかしながら、AIの進化はこんなものではありません。GPT-4.5、GPT-5、いや、Gemini2.0。。。名前はなんであれ、現在の私たちが想像もできないような生成AIの進化が、これから数年後、いえ、数ヶ月後に待っているのですから、またそこに先行者利益が待っているかもしれません。もう常に焦りとの戦いなのでしょうね。こればっかりは仕方ない。

そしてAGI。そんな焦りすら意味のないものとなる日も近いのかもしれません。


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