漫才「お花見」

ツ「どうもペドラザの怪人です」
ボ「それでは歌っていただきましょう石川さゆりで」
ツ「勝手に天城を越えさせようとしないでいただきたいね」
ボ「最近暖かくなってきましたね」
ツ「そやね、めっきり春らしくなってきまして」
ボ「今年の春はどこ行こうか〜言うてるんですけど」
ツ「やめろやめろ、元号も変わる言うてるのに今更ヒルクライムの話題を出すな」
ボ「まぁけど春やから花見に行きたい思ってて」
ツ「ええやんか、桜も咲いてるの短いからね」
ボ「だからちょっと、どこがベストスポットかなぁ思って下見に行ってきたんよ」
ツ「へぇ〜、いつ行ってきたん?」
ボ「12月」
ツ「12月!?慌てん坊のサンタクロースどころじゃない慌てようやで」
ボ「いや、行動は早い方がええって言うやん」
ツ「いや、にしても限度があるやろ。」
ボ「ベストスポットを探さなあかんから」
ツ「全国のスポット行脚してたんかお前は。第一、その時期なんかどこも桜の木枯れ果ててるやろ。」
ボ「せやねん。だからさぁ遺灰を持って行ってさ」
ツ「ん、ちょっとわからへん」
ボ「え?あぁ言うてなかったっけ、こないだ親戚が亡くなって」
ツ「いやいや、そっちやなくて。桜の木と遺灰の関連がようわからん」
ボ「お前知らん?枯れ木に花を咲かせましょ〜いうて」
ツ「お前、花さかじいさん実践しようとしてたんかおい」
ボ「え、やったことないん?」
ツ「全国共通のあるあるみたいに言うな。ファンタジー中のファンタジーやろ。」
ボ「生活の知恵として捉えてたわ」
ツ「無いねんそんな知恵。なんや遺灰を
枯れ木にかけると花が咲きますて。ためしてガッテンのサイコパスエディションやないか。」
ボ「やっぱそうなんやな、俺も試したけどあかんかって。」
ツ「そりゃ花咲かんやろ。振り上げた遺灰がファッサーて自分に降りかかるだけや。」
ボ「そうそう。俺が投げた遺灰がファッサーなって」
ツ「そらな、万有引力よ。」
ボ「そしたらな、ファッサーの奥に人影が見えるねん」
ツ「え?」
ボ「ずっと両手を『今でしょ』のポーズで歌ってるねん」
ツ「林先生、歌にまで手出し始めたんかいな。何歌ってたんよ。」
ボ「なんか、僕らはずっと待ってる、君とまた会える日々を言うて」
ツ「それ森山直太朗ちゃうん?」
ボ「何?」
ツ「いやだから森山直太朗やん!さくら独唱歌ってたから今でしょのポーズしてたんやろ」
ボ「え、そういう人がおるん?」
ツ「なんでヒルクライム知ってて森山直太朗知らんねん」
ボ「でもずっと歌ってて話すタイミングなくてさ」
ツ「何してんねん、もったいないな」
ボ「人見知りやから」
ツ「森山直太朗まで言ったら人見知り関係ないやろ。超絶大物歌手やぞ。」
ボ「だから、次会った時のために練習したいねん。」
ツ「じゃあ俺が直太朗やるからお前練習しろよ。」
ボ「おっけい」

ボ「(ファサー)」
ツ「僕ら〜は〜きっと〜待ってる〜」
ボ「すいませーん」
ツ「なんでしょうか」
ボ「さとうきび畑歌ってください」
ツ「それ良子の方やろが」

ボ「(ファサー)」
ツ「僕ら〜は〜きっと〜待ってる〜」
ボ「すいませーん」
ツ「なんでしょうか」
ボ「直太朗の名前の由来教えてください」
ツ「良子に聴けよ」

ボ「(ファサー)」
ツ「僕ら〜は〜きっと〜待ってる〜」
ボ「あ、最後尾こちらです」
ツ「何に並ばされてんねん」
ボ「さとうきびのタピオカ」
ツ「良子やないか」

ツ「ちょい待てや、何にもコミュニケーション取れてないやんけ。さんざん歌わせやがって。」
ボ「そんなざわわざわわすんなて。」
ツ「寄せていくなや。俺がいつさとうきびのように揺れてん。てか、最初のお花見の話どこいってん。」
ボ「もう話したくなくなってん…」
ツ「急に興味なくすやん。子供の妖怪ウォッチか。」
ボ「もう話すのも疲れてもうて…」
ツ「疲れたって…お前がじいさんやないか。おい、じいさん、話さんかい。」
ボ「これがホンマのはなさんか、じいさん言うて」
ツ「お後がよろしいようで。」

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