漫才「UFOキャッチャー」

ツ「どうもペドラザの怪人です。」
ボ「ねづっちです!」
ツ「おっ謎かけでもするんかいな」
ボ「漫才とかけましてステーキと解きます」
ツ「その心は?」
ボ「火を通すほど固くなります」
ツ「…雰囲気だけでいけたみたいにすんなよ。10年ぶりに舞台に立つ漫才師とかけましてステーキと解く、その心は、生はレアでしょう。とかでええやん。」
ボ「こないだゲームセン行ってさ」
ツ「俺の謎かけ無視かい。ほんでサトームセンみたいな感じで言うなや。ゲーセンやろ相場は。」
ボ「UFOキャッチャーやってたんよ」
ツ「なんか欲しいもんあったん?」
ボ「俺ぬいぐるみ好きなんやけどさ」
ツ「初耳やけど聞いてられへん話やな。何のぬいぐるみがあったん?」
ボ「あぁ、矢追純一の」
ツ「ガチのUFO呼ぶ人やんけ」
ボ「等身大抱き枕」
ツ「ヤバいヤバい。バンダイの担当者が深夜3時に悪ノリで考えたやつやんそんなん。」
ボ「いいビーズを使ってるから抱き心地がいいと評判やねん」
ツ「素材を売りにするなら枕カバーもっと工夫しろや。素材に予算投資しすぎてカバーに頭回ってないやんけ」
ボ「それを取りたいと思ってさ」
ツ「待って、矢追純一の等身大てまあまあデカいやろ。UFOキャッチャーの構造どないなっとんねん。」
ボ「なんかな、各ぬいぐるみに物質を小さくできるライトが当てられてて、それが排出された後は等身大に戻る仕組みらしいねん。」
ツ「スモールライト!?青ダヌキさんでお馴染みの?その技術開発されてたんならもっと活用の仕方あったやろ。なんで開発者は矢追抱き枕の等身大に使おう思ってん。」
ボ「開発者の長年の夢やったらしいわ」
ツ「開発者の夢なら無下にできひんってレベル超えてるやろ」
ボ「ほんでUFOキャッチャーやったんやけどさ、無事に一回で取れて」
ツ「一回はすごいね!元々やってたん?」
ボ「クレーン車のバイト経験が生かされたわ」
ツ「生かすにしてもスケールが違いすぎるやろ。戦地で大砲打ってたからビーダマン強いみたいなこと言ってるで。」
ボ「ほんで排出口から出た矢追がどんどん大きくなるんやけどさ」
ツ「不快感しかない描写やな。」
ボ「なんかよく聞いたら矢追から声が聞こえんねん。」
ツ「喋るタイプの抱き枕やったとしても矢追純一にその機能は需要あるんか。なんて喋ってたん?」
ボ「ウィンウィンウィンウィン…」
ツ「UFO呼んでるやん。」
ボ「喋るタイプの抱き枕て初めてやねんけどさ」
ツ「そらそうやろ。逆に寝つき悪なるやろそんなもん。」
ボ「そしたら、UFOキャッチャーの機体が突然光り始めて」
ツ「ホンマもんが反応したんかいな」
ボ「バリーン!て割れてもうて」
ツ「えー矢追ですら本物のUFO呼ばれへんのに。レプリカに先越されてもうてるやん。」
ボ「そこかしこの物がスモールライトによってどんどん小さくなっていくねん」
ツ「ドラえもんが無差別テロ起こしてもそんなんせんで。」
ボ「その光が当たって、俺も小さくされてもうて」
ツ「それは大変やな。」
ボ「顔と」
ツ「おう」
ボ「鼻の穴と」
ツ「うん」
ボ「足のサイズ」
ツ「なんか得してない?」
ボ「え?」
ツ「コンプレックスあるパーツに順に当てていってない?」
ボ「元々足のサイズでかすぎて困ってたからな。」
ツ「なんかちょうどええ感じにライト当たってるやん」
ボ「ほんでも、周りにいた他の人とかは体ごと小さくなってもうててさ」
ツ「そら大変やで」
ボ「どうしたらええか考えた結果、思いついてん」
ツ「このSF的状況をすんなり受け入れられてるお前の頭の構造どうなってんねん」
ボ「UFOキャッチャーの景品排出口を通れば、元の大きさに戻るようになるんちゃうかなと。」
ツ「産道的な考え方なん?」
ボ「ほんで手当たり次第に人を掴んでは排出口に入れて」
ツ「やり口がゴジラやん」
ボ「なんならガォー吠えたって」
ツ「ゴジラやん」
ボ「小ちゃくなった女の人掴んで人質感出して」
ツ「もうゴジラ感を楽しみにいってるやん。相対的にデカくなったことによる利点を味わい尽くそうとしてない?」
ボ「クレーン車のバイトの経験がここでも生きたわけよ。」
ツ「もう工程しかクレーンとの共通点ないで。手掴みでいってもうてるやん。」
ボ「それで無事みんなを元の姿にもどせたわけよ。」
ツ「そうなんや〜…ちょっと待って、お前だけ鼻の穴と顔の大きさと足のサイズ小さくなったままちゃうの?」
ボ「それはまぁ、ねづっちだけに、整いましたってことで。」
ツ「お後がよろしいようで。」

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