漫才「悲しみの果て」

「どうもペドラザの怪人です」
『実の兄弟でバンドやっております』
「全部違うわ、お互い他人同士で漫才やってます。最近めっきり寒くなって、なかなかテンション上がらないことが多いですね」
『テンション上がらないのか』
「そう、何かいい方法ない?」
『そうだなー、俺がよくやってる方法なんだけど、まず部屋を飾るんだよ』
「あーインテリア変えるとか?模様替えとかも気分転換に良いって聞きますもんね。どんなインテリアにしてんの?」
『僕なんかエスニックの雰囲気が好きですからね』
「あ、ちょっとじゃあエスニックな骨董品とか内装を取り入れたインテリアにしてんの?」
『いや、インテリアっていうか、国旗を』
「国旗?あんまり見たことないけどねその取り入れ方」
『あとはインド象の置物』
「インド象の置物。」
『等身大』
「等身大!?」
『以上。』
「以上!?取り入れ方がダイレクトすぎるって。他にはなんかテンション上げる方法ある??」
『あとは、朝にコーヒーを飲むことね』
「あ、いいですね。」『インドの国旗の部屋で等身大の像の置物の横でコーヒー飲んでたらすっごい雰囲気出るよ』
「でしょうね。コーヒー発明した人の部屋みたいになってるわ。もしくは大使館の職員よ。」
『コーヒー飲んでたらね、カフェインの効果で目がシャキッとして、さぁ、がんばろ、うぜ〜♪って気持ちになりますね』
「がんばろうぜーの節が気になりますけどね。それはいいかもしれないね!」
『あとはいつもの部屋に花を飾ったりしたら完璧ですよ。』
「良いですねー。けどそこに花飾ったらもはやガンジス川のほとりやからねそれ。。。あー…ん?なんかお前おかしくない?」
『え、何が?』
「お前が言ってる部屋を飾る、コーヒー飲む、花を飾るって…全部エレファントカシマシの悲しみの果ての歌詞のフレーズなんだよね。」
『え?何のこと?』
「部屋を飾ろう〜!やん。お前エレカシからどこで着想得てんねん」
『ちょっとわからないけど、俺はこうやれば素晴らしい日々を送っていけると…』
「それ!それやん!素晴らしい日々を〜送っていこうぜ〜やん」
『違うって!他にもあるんだから最後まで聞けよ!』
「じゃあ言ってみろよ!」
『例えば、夜に街の空を見上げて輝く月ひとつ見つめるとか…』
「今宵の月のようにになっただけやん!もうそこまでいったら言い逃れできんやろ!輝く月ひとつってフレーズなんか絶対そうやん!」
『お前がテンション低いって言ったからさぁー、お前が「さあがんばろうぜ!」って思えることをこっちは…』
「今思ったらそれもエレカシやな!俺たちの明日やん!エレカシで伏線散りばめるやつ初めて見たわ!」
『なんだよ俺がせっかく提案してやったのに、お前もうコーヒーも飲むな、全部吐け』
「いやエレカシの宮本さんがラジオにゲスト出演したときDJと喧嘩したときのセリフ!アルバム聴いてみたけど、一見全部食べづらいですね〜ってDJが喧嘩売ったときの返しやないか!いや、よく考えたら変なこと言ってたな、部屋に象の置物って。」
『象は英語で?』
「エレファント!!んで、さぁがんばろうぜの節がおかしかったの、あれは…」
『かしまし娘ね』
「あたっしゃ陽気な〜かしまし娘ー♪か!象とかしまし娘って、サブリミナル的に仕込んでやがったな!」
『よく考えてよ、ツカミの部分も』
「ツカミ?」
『実の兄弟でバンドやってます』
「………それはOasisだよ!!最後だけツメが甘いな!もういいよ」

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