漫才「風邪と夢」

ツ「どうもペドラザの怪人です」
ボ「みなさーん写真撮りますよー!
1×1は〜2〜」
ツ「1や。小学生でもサラッといくとこやねん1の段は。段差ないとこでつまづくなや。」
ボ「こないだ風邪引いてさ」
ツ「馬鹿でも引くもんやな」
ボ「熱がよう出て」
ツ「何度出たんよ」
ボ「90度」
ツ「お辞儀の角度聞いてんちゃうねんぞおい。90度!?」
ボ「もう体が沸騰しそうで」
ツ「それもはや比喩表現じゃなくなってんねんて、90度やったら。大丈夫なんか」
ボ「病院行ったら医師が怒り通り越して引いてたわ。」
ツ「滅多に見られへんで医者のドン引き。現代の医療技術を持ってしてもギリやろそんなもん。どないして治してん?」
ボ「ありったけのドライアイスでなんとか」
ツ「技術追いつかんから力技に持ち込んでるやん。」
ボ「医者も、寄り切った〜言うてたわ」
ツ「多分その医者相撲ファンやったんかいな。その後は無事やったん?」
ボ「おかげ様でこの通り、中肉中背で」
ツ「体型は今に始まった話ちゃうやん」
ボ「まぁ病院帰りは元気なくて無言の帰宅やったけどな」
ツ「遺体みたいな言い方すなよややこしい。治ったんちゃうんか。」
ボ「まだ完治とは言い難くて」
ツ「そりゃすぐには治らんやろね」
ボ「けどチームのこと考えたらこれ以上戦列を離れるわけにも」
ツ「終盤戦でケガした主軸みたいな言い方すな。ほんで漫才コンビのことをチームて言うな恥ずかしい。」
ボ「ホンマは軽井沢で静養したかってんけど」
ツ「療養の仕方から溢れ出る皇室感ハンパないな。」
ボ「ええやんけ別に。まぁ治さなしゃーないから家で寝ててんけどさ、その間、俺ずーっと夢見てた!」
ツ「願い叶ったディズニープリンセスみたいな言い回しするやん。どんな夢?」
ボ「戦時中の配給に並ぶ夢」
ツ「夢やのに夢がない話やなぁ」
ボ「俺の手前で配給が終わるねん」
ツ「余計夢がないなぁ」
ボ「かと思えば天空からお菓子が降ってくんねん」
ツ「米軍のお恵みかい」
ボ「空襲くらいの勢いで」
ツ「アメとムチ使い分けるやん。ちなみに何降ってきたん?」
ボ「豆大福」
ツ「えらい和風やなぁ」
ボ「と、うまい棒もあったかな」
ツ「バリエーション豊かやな」
ボ「あとベビースターとかかっぱえびせんもあったかな」
ツ「名古屋の結婚式ちゃうかそれ。」
ボ「上空のヘリから大量に降ってきて」
ツ「名古屋の富裕層やん」
ボ「それを一個一個拾って食っててんけど、めんどくさくなって」
ツ「うん」
ボ「直でキャッチしたろ思って」
ツ「勢い考えろよ上空から放たれてんねんぞ。それだけの位置エネルギーあったら豆大福といえど手榴弾の威力あるやろ」
ボ「そしたら、思いっきり歯に当たって」
ツ「言わんこっちゃない」
ボ「歯がバキッて折れてもうてん」
ツ「痛!夢の話とはいえ聞いてるだけで痛いわ。」
ボ「その歯が折れたときの角度が、ちょうど直角で。」
ツ「え?」
ボ「ヤバイってなって目覚めてんけどさ」
ツ「お前まさか90度て歯の角度のことかいな」
ボ「そうやで、なんやと思ってたん?」
ツ「そっか!そりゃそうやわな!すまんすまん、俺の早とちりやったわ。」
ボ「んで夢から覚めたからもっかい熱測って」
ツ「何度やったん?」
ボ「37度」
ツ「だいぶ下がったやん、良かったね。」
ボ「いや体温計の入射角が」
ツ「また角度の話かい、もうええわ」

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