漫才「SNS」

ツ「どうもペドラザの怪人です」
ボ「mixiやってます」
ツ「もっと違うツール宣伝せえよ」
ボ「SNSの走りやろ?」
ツ「先に走りすぎて今もうバテとんねん。」
ボ「SNSといえば、こないだTikTokやっててさ」
ツ「お前あれをSNSとして捉えてんか。」
ボ「ダンスを通して皆とコミュニケーションはかるツールちゃうの?」
ツ「捉え方ガバガバやな。あんなもん自己顕示欲一方向しか向いてへんやろ、投稿者おしなべてコミュニケーションとる気ゼロやで。」
ボ「そうか。」
ツ「ほんで何の曲踊ってたんよ」
ボ「君が代」
ツ「国歌!?まさか作曲者も、将来TikTokにupされるなんて思ってなかったやろな。どんなダンスするんよ。」
ボ「ずっと胸に手を当てて」
ツ「国際試合やんけ!あんなん日本代表がやってるから絵が持つけど、素人のおっさんがやったところで見てられへんで。」
ボ「んでさ、撮った動画見たらさ、映っててん。」
ツ「何が?」
ボ「幽霊。」
ツ「えぇ!?それは怖いな。ちなみにどんな幽霊なん?」
ボ「なんかな、ガッチリした成人男性でな」
ツ「うん」
ボ「肩に銃持って」
ツ「ええ怖いな」
ボ「全身迷彩の服着てるねん」
ツ「多分、君が代に呼び寄せられて来たんちゃうかな!?日本兵の霊でしょそれ。」
ボ「ちゃんと敬礼して」
ツ「日本兵やん」
ボ「ビシッと姿勢良く」
ツ「日本兵やん」
ボ「イエッサー!言うてたわ」
ツ「最後だけ急に米兵やんけ!急ハンドル切ったな!米兵となると何に呼び寄せられたかわからんけどな」
ボ「よく考えたら俺のTikTokのハンドルネーム、ダグラス・マッカーサーやねん」
ツ「総帥やんけ。そら米兵もイエッサー言うわな。ほんでお前ダグラスマッカーサーのハンドルネームで君が代の動画あげてたんかい。」
ボ「逆にアリかなと思って」
ツ「結構ヘビー級の矛盾やのにギャル並みの理由づけで乗り切ろうとしてるやん。」
ボ「まぁ俺もあっち系の幽霊は怖いからさ。君が代言うてたのに俺もさすがに気味悪くなって、君が代だけに。」
ツ「そのボケでいけると思ったんか。」
ボ「君が代だけに」
ツ「笑うまで続ける気か。で、どないしたん?」
ボ「いや俺も気味悪いからアプリを消してん。けど、アプリ消してもずっと続くねん。」
ツ「何が?」
ボ「耳鳴り。」
ツ「耳鼻科行けや。関係ないやろ米兵。」
ボ「いや耳鳴りでイエッサー言うてんねん。」
ツ「じゃあ関係あるやん。耳鼻科行かんでよかったな、違う病棟連れて行かれるで。」
ボ「だから何が原因なんかなって他のSNSを探ってたわけよ。」
ツ「ツイッターとかフェイスブックとか」
ボ「魔法のiらんどとか」
ツ「まだやってたんかいおい。しかもあれSNSちゃうぞ、お前の概念どうなってんねんさっきから。」
ボ「そしたら俺のプロフィールが全部米兵のやつに書き換えられてて」
ツ「えー、怖いな。」
ボ「どうしよう思ってたら、1つだけ方法思いついて」
ツ「どんな?」
ボ「昔登録したSNSで、もう一個、ダグラスマッカーサーの名前でやってたのがある、それを開いたらマッカーサーの力で米兵を追い払ってくれるんちゃうか?と。」
ツ「なにもかもようわからんわ。ただ一つ、ヤバい奴の理詰めが一番の危険思想ってことはわかったわ。」
ボ「それで、開いたのが…」
ツ「……mixi!」
ボ「そう!それで俺はmixiを開いて。」
ツ「治ったん?」
ボ「そうやねん。やっとよ。」
ツ「へぇ〜良かったな。」
ボ「いや最近の耳鼻科は設備がよくてね」
ツ「いや耳鼻科で治したんかい、もうええわ。」

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