漫才「ヒルクライム」

ツ「どうもペドラザの怪人です」
ボ「僕たちのことを知らないよ〜って人は後でビンタしに行きます」
ツ「AAAやないねんから。ツカミに時事ネタ取り入れんでええねん。」
ボ「そろそろ暑くなってきて、夏も近づいてることを実感しますな。」
ツ「昼ラジオのオープニングトークみたいな話やな。」
ボ「夏になると照り付ける陽の元でBBQとか」
ツ「ええね」
ボ「夜になればどこかで花火が上がってるっていう」
ツ「よう聴いたらヒルクライムやないか。春夏秋冬。」
ボ「あぁ現代版枕草子のことね。」
ツ「お前あれ現代版枕草子言うてるんか。清少納言あんなグラサンしてへんねんて。」
ボ「やめろよ、最近ファンクラブ入ってんから。」
ツ「どのタイミングでハマってんねん。ゴリゴリの引き潮の時にサーフボード手に取ってるで。」
ボ「入会特典がすごくてさ」
ツ「なんか、用途不明のストラップみたいなんくれるんちゃうの」
ボ「こないだ送られてきてさ」
ツ「何が来たんよ」
ボ「東南アジアで神と崇められている偶像が」
ツ「ホンマにそれヒルクライムか?同じ名前の新興宗教とかちゃうんか。」
ボ「ちゃうちゃう、その偶像にヒルクライムって彫られてあるねん」
ツ「神様に傷つけんなよ、めちゃくちゃバチ当たりやないか。」
ボ「オリジナル感出すためには祟りなど恐れない言うてましたわ」
ツ「ヒルクライムそんなロックの精神持ち合わせてないやろ、あれだけラップ織り交ぜといて。」
ボ「で、その偶像を家に飾ってるんやけどさ」
ツ「どこに?」
ボ「仏壇の中」
ツ「先祖からボコられるぞおい。お盆のとき覚悟しとけよ。」
ボ「一緒にお線香上げてるねん」
ツ「ご先祖様もイヤやろ、家族団欒やと思ってたら急にいかついヒップホップユニット割り込んできて。」
ボ「で、最近夜中によく物音が聞こえるんやけどさ」
ツ「変な祟りやないの?怖いわ。」
ボ「よくよく聴いたら、『クルマ電車ふーねもしくは飛行機〜』て」
ツ「意外とそこ聴いてほしかったんやな。」
ボ「リピートしてんねん」
ツ「CDだいぶ傷いってるやんけ」
ボ「そうなるとさ、俺もちょっと怖いから寝てん。そしたら夢に出てきて。」
ツ「ヒルクライムが?」
ボ「そう、春夏秋冬歌いながら追い回してくるねん」
ツ「めちゃくちゃ怖いやんけ」
ボ「『今年の春はどこ行こうか〜』て追いかけられるんやけど、ええところでご先祖様が『そんなん自分で決めなさい』言うて」
ツ「さすが昔の人はスッキリしてるね。」
ボ「そういう日々を過ごしてるんやけど、やっぱり信仰ってのは難しいね」
ツ「もう信仰て言うてもうてるやん。もうさすがに辞めたほうがええて。なんらかの集団詐欺事件に巻き込まれるやろいずれ。」
ボ「そやな、そろそろやめて、次はソナーポケットのファンクラブ入ろうと思う。」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?