僕は死にたくなるくらい男だ

仮面ライダーは男のもの?

 自分が男だと自認したのは何時だったかと、自分の記憶を遡っても幼児だった頃の記憶は無くて、気付いたら女が好きだったと言うことしか出来ない。幼児から僕は死にたくなるくらい女好きだった。

 仮面ライダーが好きで、玩具をねだったり、テレビにかじりつくようにしていた覚えはある。

生まれて初めて訪れる男女の差異というと、仮面ライダーを観るのかプリキュアを観るのかだと思うが、逆張り陰キャの僕が思い返すと、してやられたなという感情しか出てこない。

男として、男向けの番組に夢中になってしまった。いやはや幼児向け番組は凄いと思う。周りの男は皆が皆仮面ライダー厨であったし、女は女でプリキュアだった。やはり男には闘争心が刷り込まれているのだろうか……

はじめての逆張り

 多分僕は頭がおかしいのだと思うが、小学生の頃から女が好きで好きでしょうがなかった。恋愛というものに興味がありすぎて、色々な女の子に声を掛けていた。(なんじゃこいつ!とほとんどの場合相手にしてもらえなかったが)

中学生になった僕は恋愛への興味が恋愛小説に向き、三浦しをんや有川浩の小説を読んでいた記憶がある。
今思えば、ただの脳内真っピンクで恋愛に憧れていたキモキモ童貞なのであるが、当時の僕は周りとは違う僕を、なんだか"いい意味"で捉えてしまって"僕は他の男にはわからない女の気持ちが分かる男だ"と勘違いしてしまった。
読書の時間に本を持ってきていない女の子がいて、"女はこんなんが好きなんやろ"とばかりに三浦しをんの『きみはポラリス』を貸したところ

👩「えっ、〇〇くんこんなの読むんだね笑」

とドン引きされて傷ついたのを今でも覚えている。

僕の中では、周りの男が読んでいないような恋愛小説を読んでいる僕は女心わかってる、という感じで、思えばこれがはじめての逆張りだった気がする。確実に周りとは違うことを誇っていた。

逆張り続くよいつまでも

 高校生になり、図書室の司書さんと仲良くなったこともあり、読む本にバリエーションが出てきた。だが、恋愛小説が好きだというのは変わらず、江國香織や辻仁成にハマっていた。

どこかで"江國香織は女性的な作家で、読者も女性が多い"という話を目敏く見つけてきて、やっぱり僕は女性に近い心情なのだと思うようになった。

"自分が女性的である"と言いたいがために、女性と男性の違いを語っているものに出会った時、無理やりこじつけてでも女性側にいようとした。
それは、雑誌の占いを信じるようなものに近く、自分に都合のいい情報しか取り入れなかった。

しかし、女性的であるからといって性同一性障害を疑うことは無かった。女になりたいわけでも無く、男が好きなわけでもなく、女の気持ちが分かる男でありたかっただけだ。女のことがわかってる自分でありたかった。

 それは多分、オカマツイッタラーによくある「こんな男はダメだ!」とか
「これが女心よ!男は女を尊重しろ!」みたいなツイートをRTいいねして、俺は女のことわかってるぜ!とか、なるほど、これからは気を付けよう!と"女にすり寄ってるのが見え見えの童貞"と同じ思考回路なのだと思う。

最近の口癖"女はつまらん"

 生まれてから今に至るまで、友達に恵まれてきたと思う。
小学生の頃は、一緒に爪を泥だらけにして野草を掘ったり、泥まみれになりながらイモリを捕まえた友達がいたし、中学生の時はその友達とバス釣りに熱中した。高校では、面白い後輩に恵まれ、部活外でもよく関わっていたし、大学には釣り友達が沢山いる。

今も昔も、友達と話す時間というのはとても楽しい。とにかく話が面白いのだ。ゲラゲラ笑いながら友達と話す時は、綺麗さや真面目さ、賢さを犠牲にした最低で最高な時間を過ごせる。

最近、そうやって過去を振り返っていると考えてしまうのが、"女同士で話してる内容つまらんな"ということである。

1体1で話すなら全く問題がないのだが、女が集まって話している時、横で「何がおもろいんやろうこの会話」と覚めた気持ちで聞いてしまう。(盗み聞きをするな)

男同士の会話では、倫理や常識、飾った自分を捨て去って得られる下衆な笑い、真の共感があると思っているのだが、女同士だと会話が綺麗すぎるし、何にでも共感ばかりしていて会話の意味が無いように感じる。

僕はどうしようもなく男なのだろう

 ダラダラと長い文章で何を書きたかったのかというと、結局僕はどうしようもなく100%男なのだということだ。

女がつまらないというのは男尊女卑観点で書いたのではなく、僕は何一つ女性的でなく、女心も何もわかっていなかったのだろうなという反省の気持ちである。

僕が女になって、女の親友と話し合ったことなんて無いのだから、結局女同士の会話の面白さを判断できる訳もないのだ。23歳にもなってやっと気付くことができた。もう手遅れである。

僕は死にたくなるくらい男だった

その事実は、女に擦り寄っていた僕に深く深く突き刺さり、今後を生きにくくしていくのだろう

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