疫病よりも厄介なクラスター

COVID-19の恐ろしさ(単体では最凶とはいえないウイルスがマスとなって社会を破壊する)が日本でも周回遅れで明らかになってきた状況ですが,もっと恐ろしい日本の宿痾(しゅくあ=長期の持病)があぶり出されてきていますね。

麻生太郎

こういういい加減なマスクの着け方を恥じることもなく公衆の面前にさらすクラスターの存在がそれです。

いわゆる日本のエスタブリッシュメントたちですが,科学的素養も深い歴史認識も公僕としての矜持も社会全体への思いやりもないままに国の中枢部に居座りつづけています。

市民の皆さんが粛々として疫病の拡散防止にいそしむ一方で,自分たちが戦う相手に対してあまりにも不十分で誤った認識しか持たないことを彼らは日々臆面もなく表明し続けてさえいます。

いま必要なのは狡猾に世間の階段を登ってきたこうしたクラスターの強欲さではなく,科学的知見と客観的な情勢分析を重んじる知性のはずです。

だのに,日本国民だけが疫病にくわえて愚鈍な政府と戦わなければならないのは悲劇といわざるをえません。

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