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学校心臓検診②【上室期外収縮】

前回は「心室期外収縮」についてまとめてみました。
今回は「上室期外収縮」です。

上室期外収縮と学校心臓検診,学校生活

学校心臓検診(1次検診)では,上室期外収縮は必ずしもすべてが抽出が必須ではありません。
具体的には「連発せず,たくさん出ない,無症状」であれば,検診医は上室期外収縮を見つけても,2次検診には回さなくてよいことになっています。
2次検診に回った場合,期外収縮が多い場合にはホルター心電図で丸1日の頻度を確認したり,運動負荷心電図で頻度が減るかを確認し,学校生活管理指導表は【E可】となることがあります。
【E可】は「運動制限なし,運動部もOK」つまり何も制限はしないけど,病院に通院していますと学校に報告していることになりますね。詳細は,前ノートをご覧ください。

上室期外収縮とは?

上室とは,心臓の電気の通り道に関して,心室より上流であることを指します。実際の場所は,心房,その近くの肺静脈とか上大静脈あたりです。前回の例えで言うと,職員室に相当します。
「期外」は予定より早く…の意味でした。職員室に,校長の話を遮って物申しちゃう,ちょっとやる気が空回りしちゃっている先生がいるイメージでしょうか。

なお,心房は,心室ほど仕事量は多くないので低酸素で苦しむことは少ないです。
ただし,心室期外収縮と同じく3連発以上のものは【上室頻拍】と名前を変え(実は明確な基準がない?という話を聞いたことがありますが,学校心臓検診のガイドラインでは3連発以上を基準にしています),検査も治療もより積極的に行います。

上室期外収縮があると?

症状は,心室期外収縮と似ています。脈の乱れ(結滞けったいと言います),頻度が多いと動悸がします。
期外収縮は,心臓の中に十分な血液が溜まる前に勝手に収縮してしまうので,心臓は空打ち気味になっていますが,心室期外収縮よりは危険が少ないです。
実際,心室頻拍は失神したり命に関わることがありますが,上室頻拍は,ドキドキ苦しくはなりますが,通常はちゃんと病院に来てくれれば大丈夫です。
ただし,流石に何時間も経つと心不全になってしまうし,もともと心機能が悪い方では余力も少ないので,こんな胡散臭いハカセより眼の前の医師の話を優先してくださいね。

まとめ

今回は上室期外収縮でした。
前回の心室頻拍と似たような説明箇所があったので,第2弾の記事としては端折り過ぎてしまったかもしれません。

何人か「スキ」してくれて嬉しかったです。これが承認欲求というものか…
次は不完全右脚ブロック辺りを書いてみようかな?と思っていますが,ご注文,ご意見やご指摘などあれば,コメントください。



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