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やじろべえ物語6

私はどちらかと言うと、1人で居る方が好きだ。もちろん実際そんな状態になったらどうなるか、どう考え方が変わるかわからんけど、今は一人でいるというのは無理な事で、大勢の人に助けられて、生かされている。

孤独を愛する人、一匹狼とか言うけど、そんな生き方が好きだ。けど、そんなカッコいいもんじゃないね。
ゴルゴ13も良いよなぁ…
けど、あの人いつも周りに女の姿があるのね。
んで依頼人も居るし…関係ないけど。

1日過ごして活動する”動”の時間と
人混みから離れてゆっくりする”静”の時間、考えてみたらほぼ動の時間になってしまうのでは無いだろか。
人と向き合う事が楽しくて仕方ないって人も居るでしょう。ただその逆の人もいる訳でして、その逆の人は人との付き合いも程々、が嬉しい訳でして。

つい最近こんな事を聞かれた
「あなたにとって嫌なタイプってどんな人?」
迷わず出した答えは
「近い人」
もちろんこれは自分のプライベート空間にズケズケ立ち入る人の事。
自分の空間ってあるよね、パーソナルエリアっつーのかな。そのエリアに立入れるか否かはその人との間柄にもよる。
家族や恋人がそのエリアに侵入するのは当たり前として、そんな信頼関係を築く前の段階ではどうだろう。
人との接点は多い。仕事での付き合い、もしくはちょっとした店舗で業務として対応する付き合い。駅ですれ違う接点や電車で隣りの席に座る接点も。
この些細な接点は当然プライバシーが守られて当たり前だと思う。
ま、接客業の方で客の至近距離に踏み込む人はあまり居ないと思うが、仕事ではそーは行かない。
会議などで個別に椅子があれば助かるが、立ち話は困る。
ちょっと待て、なぜそんなに近いのだ??
もう警戒警報が頭の中を鳴り響く距離だ。
そんな必要以上に接近戦を強いられる事がある。
これはもちろん特定の人だけど、耳が遠いのかな?とまで思ってしまうのだ。
袖振り合うも多少の縁とは言うが、私は男だ。
女性が近づくのは一向に構わんのだが、男が寄って来るのはいささか冷や汗が出る。
もうその人の距離感で私は後退りしてしまうので、気付けば話しているうちにどんどん元居た場所じゃ無い所に移動している。
さっきあそこに居たはずだが…。なぜココに??テレポートしたかな?そんな錯覚さえ覚えるのだ。
しかし、その人にとってそんな事はお構いなしだ。グイグイくるよね。
それが当たり前なのだろう…。
そんなに熱く語らなくても聞こえます。
ね、ツバがかかるでしょ?
私の体がのけ反ってるの分かりません??
マスクの柄がチンコ柄って見えちゃってません?
って思い始めたらもうダメだ。
一切話が入って来ないのだ。
多分その人は人と話す事がとっても好きなんだろうと思う。
それは良いんだが、そーじゃない人も居ると言う事を知って欲しいもんだ。
このプライバシー空間を適度に保てる人と仲良くしたいとは思うが、その距離感の違う人との関係性は苦痛でしかない。
この御時世だからでは無く、ディスタンス。
コレ大事。

物理的な距離の話とはまた違うが、
人と話していて、必ずあると思う"沈黙の間"
これが許せる人と許せない人がいるらしい。私はこの間も大事であると思うので許せる人だ。
確かに長い沈黙はさてどうしたもんか…と思うが、この”間”が許せない人、と言うのはその沈黙の間に常に何かを発信してくれる。
発信してくれるのは良いのだが謎が深い。
まず今までの話題から幾分逸れた発信だ。
その話、今?みたいな事を平気で語り出す。もちろん本人は何とも思っておらず、しかも得意げだ。こちらとしてはついて行けないとしか言いようも無く、相槌のみが増えるのだ。
しかも距離が近い…となれば最悪だ。
何故かわからんのだが、大体その話題にオチはない、と言うより収拾がつかないのだろう。
そんな人とはどうするべきか…悩むのである。
もちろん本人は満足すれば退散するのだが、興味のない話を散々聞かされ、吸収すべき情報も無く、いたたまれない時間を過ごすのはかなりの苦痛となる。
得てしてそんな人は常に何かしらの音を発している気がする。
「あー」
「ふぅ」
本人は多分無意識であろう。
無論そんな音すら気にならなければ一瞬だから普通に通り過ぎて行く音。
沈黙の間が許せない人にとって、「あー」も「ふぅ」もそれが満足なのであろう。
そこから
「ため息なんかついてどーしたんですか?」
などと食い付いてしまおうモノなら、ほれ釣れた!くらいの勢いでテンポ良く語り出すのは明白だ。
そんなスレた私には到底相手など出来ないのである。ただただ苦痛だ。
きっと生まれた環境がそうなのだろうとは思う、話題に事欠かない家庭環境で、常に誰かが何かを発している。
それはそれで明るい家庭なのかもしれない。
そんな環境で幼い頃から育って来たのなら、沈黙の間などは耐えられないのかなぁとも思う。

「あらやだ兄さん今日はヤケに語るのね」
「あ、すいません…」
「兄さん友達いないでしょ?」
「…ま、まぁ」
「寂しくなったら私が聞いてあげるから(笑)」
「そのチッパイに顔埋めさせて下さいよ」
「バーカ」
「今日は寂しくなったらバカになれる、こんな酒を紹介しますわ。ロンリーな方に贈るお酒…無理矢理ですけどロンリコ」

-------- ロンリコ151 ----------
テキーラよりアルコール度数が高いラム酒
151は151プルーフで単純に2で割れば度数を表します。なので75.5度ですね。
昔、若気の至りでスナック通いしてた頃、マスターのお遊びで教えてもらいました。
もちろん火遊びです。
灰皿にロンリコを注ぎ火を付ける、ただそれだけのリアル火遊びなんですけど、それ見ただけで「おー」って喜んでましたね。
今時居ないと思うけど、箸が転がっても笑う女子高生と同じです。
火遊びすると寝ションベンするぞ!って子供の頃ばあちゃんに言われたのを思い出しましたが、無事でした。
ストレートで飲んでみましたが、さすがに焼けるようなアルコール…無理。