高額医療費って?と高額医療費の補助・・・ふ〜ん、そういうことだったのか
ジョージアで浮かれて帰ってきたら、日本では、とんでもないことが待っていた。
ここから続く・・・って言っても、前回まではジョージア話で、続いていないっ!!
***************
ずーっと最初の頃の投稿で医師から
「癌治療は高額医療なので、それが払えなくて治療を辞める人がいるんですよ」
と聞かされ・・・え??
癌治療をお金のために諦めちゃう人がいるの???
と、実は、ちょっとびっくりした。
だって、治って治療をやめるのならともかく、お金がないから治療をやめるって・・・江戸時代の貧しい長屋の世界・・・(あくまで、私のイメージです)
だって、日本には高額医療費については、保険限度額適用という制度がある。
大昔、知人の保険のライププランナーさんに保険加入の相談をした時、
「入院と手術には入っておいた方がいいですね。
治療費に関しては、高額医療には限度額があるので、あまり必要ないかと思います。治療費の保険に入ると掛け金が高くなるから。
がん保険は、入っておいた方がいいでしょうね。
ぺこさんはご主人が会社員ですから、万一の時の、死亡保険金は葬式代ぐらいで、残された家族の生活費とかの保険は不要ですね」
とまあ親身に相談に乗ってくれて、その時の私に必要な保険を提案してくれた。
なるほどなあといちいち納得した私は、その保険を満期払込が終わるまで何十年も払った。
幸いなことにこれまで入院も手術も、それどころが、大きな病気にかかることもなく来たので、「保険はあくまで保険」で利用することもなかった。
10年ほど前に、恩師が癌にかかって
「先進医療保健に入っていたので、重粒子線の治療が受けられた。
月々の掛け金は数百円ですから、これは入っておいた方がいいよ」
といわれ、それに追加加入した。
今回、「肺腺癌骨転移ステージⅣ」の病名が私のチャーリー(私の癌の名前ね)についた時、それなりに保険に入っているから、安心・・・と思っていた!!
し、しかし・・・今の癌治療は入院して治療することは稀で、通いで抗がん剤投与が普通。
手術で摘出するような部位の癌は、もちろん手術代保険も支払われるし、入院保険も(がん保険に入っていればダブルで)支払われる。
が、骨の癌は、手術はほぼ必要なし。
放射線治療は手術費が適用された。(でも、同じ部位に3ヶ月以内に照射する場合には、支払われない)
ということで、私の長年加入していた保険は、私が死亡するまで、そんなに強力な助けにはならないことがわかった。
でもね、高額医療費は自己負担限度額があるから・・・
こちらも、なかなかそう甘くはない。
まず、自己負担限度額は、前年度の所得で金額が違う。
これが、私が高額医療費の申請に行った時に行政がくれた案内。
こまかく説明すると、70歳未満と70歳以上では扱いが違う。
70歳未満を見ると区分が「アイウエ」と分かれている。
これは、前年度の所得によって自己負担限度額が変わるということ。
例えば、私は、一昨年の所得(収入から基礎控除額などを引いた金額、私の場合は経費なども引かれた後の確定申告の元になる金額ですね)が、「ウ」だった。
その場合は、最初の3回(高額医療費が発生した月の3回目までということ)は、毎月80100円+医療費から所定の金額を引いたものまでは自己負担。
私は、2月末までは、他の病院で検査なんかを受けていたけれど、1月2月にかけて幾つかの検査を受けていたので、1ヶ月の合計金額が7万円程度。
これでは、限度額適用の対象にならない。チェッ!!
3月から本格的に癌センターでの治療や検査が始まった。
だから、3、4、5月は毎月約10万円ぐらい支払った。自己負担分ってことね。
でもね、この段階で、私は、仕事廃業宣言をした。
だって、予定が立たないのに仕事引き受けられないじゃない。
迷惑をかけちゃうし。
4月以降の収入は、国民年金の毎月6万円ちょっと。
私と同じように、国民年金だけしか収入がない人でも、最初の3回までは、80100円+所定の治療費、前年度も国民年金だけだった人は57600円+所定の医療費(エの区分になるからね)を払わなくてはいけない。
単純計算で、国民年金以上の金額が高額医療費の限度額ってことは、病気になったら貯金がないと治療を受け続けられない。
4回目からは月44400円に下がるが、それだって、高額よね。
しかも、癌治療だけでなく、歯医者も行ったり、整形外科も行ったり、高血圧の治療もしていたり・・・という人もいるよね。
その場合、それぞれの外来で、21000円以上の自己負担があった場合は、高額療養費の合算対象になる。
ということは、歯医者に払ったのがその月15000円、整形外科は18000円、高血圧治療が8000円だとしても、それらは、全く対象にしてもらえないのだ。全部21000円以下だから。
その場合、この人は、44400円の自己負担限度額に15000円+18000円+8000円の合計84500円がこの月の医療費自己負担額になるというわけ。
国民年金しか収入の道がない人で貯金もなかったら、病気にかかっても医者に行けない・・・
私は、3、4、5月の約10万円を支払い、ようやっと6月から限度額が44400円に下がった・・・ふうっ・・・
しかし、わたしの悲劇は・・・つづく。
毎年、7月に前年度の収入をもとに8月から翌年7月までの自己負担限度額が決まる。
ジョージアから浮かれて帰ってきたら、今年度の適用区分が届いていた。
「ア」
え〜〜〜〜〜っ!!!
すでに3回目までは昨年度払っているので、8月からは4回目以降扱いになる。
とはいえ、 毎月140100円の自己負担限度額。
国民年金の倍以上・・・・
神に見捨てられた!!!!
ま、今年病気になるなんて微塵も思っていなかったので、昨年、ちょっと頑張って仕事をしすぎちゃったってことだけど・・・
そして、一昨年の経費より昨年の方が経費に認められる分が少なくて、
「税理士さんもっとちゃんと節税してよ」
と愚痴っていたのだけど・・・・
今更修正申告しても・・・・
この通知は・・・結構ポジティブに考えられる癖がついている私も2日間、立ち直るまでに時間がかかった・・・
さらにこの「旧ただし書所得」というのは、総所得金額から基礎控除額を引いたもの。
ここからさらに所得税、県民税、市民税、消費税、国民健康保険、個人事業税・・・がひかれる。
「まてよ!私の昨年の所得っていくらだった?仕事減らしているのに本当にそんなに稼いだ?」
これまで長年任せっきりで見たこともない税理士さんからの報告を探し出して、まじまじとみる。
いやどう見ても「イ」でしょ。
それで、画像の「イ」のところにピンクのマーカーがついています。
で、市役所に確認。
す、すると、とんでもないことが判明した。
この所得というのは、
世帯所得。
つまり、夫の分も合算。
彼も退職後で、バイト程度の稼ぎだが、どうやら年金(彼の場合厚生年金)も所得になってしまう。
だから「ア」になっちゃったのね。
夫は冷たく
「昨年稼いだんだから、そのくらい貯金しておかなきゃ」
と言い放つ。
で、でもね。まさか今年、こんな高額医療の必要な病気になるとは思っていなかったし・・・
それに、各種税金と国民健康保険(これも前年度の収入で変動する)を支払って、さらに毎月14100円(年間1681200円)の医療費を払って、病院までの交通費、その他の医療費・・・を支払ったら、計算苦手な私でもわかるぐらいシンプルな残金かぎりなくゼロ。
貯金切り崩し生活!!!
来年8月になったら楽になるか??
国民年金6万円ちょっとから、毎月44400円が医療費として消えていく。
「ガンは高額医療ですから、治療を諦める人もいるんです」
の医者の言葉が、重みを持つわ〜〜
確かに私が受けている抗がん剤治療も請求額は1回70万円近い。
それも先進医療とかではなく標準治療の金額だ。
それを税金で助けてもらっているのだから、文句は言えない。
でもね、病気治療って生きるためにある意味必須なことじゃない。
そして年齢を重ねれば重ねるほど病気リスクは高まるじゃない。
裕福な人でないと生存のリスクが低くなっちゃうって、平等とは言えない気がするのよね。
そんな時、患者の自己負担額年間上限900クローナ(約14000円)のスウェーデンはすごいなあと思う。
ってことで、皆様にお伝えしたいのは、二つ。
① 高額医療の病気リスクが高い遺伝子の方は、病気になる前に保険を見直してみて。
② 老後の思いがけない出費に対応できるように個人年金とか貯金とかやっぱり備えは必要です。
で、わたしは、これから、緊縮財政を心掛けるかって?
どれだけ生きるかわからないんだから、やりたいことはやる。
楽しめるうちに楽しむ。
そして、貯金、使い果たして、使い切ったら死亡保険を生きているうちに使うようにして、それも使い切ったら治療やめるという選択をしよ〜っと。
ジョージアの次は・・・スペインだな。
ぜひサポートお願いします いただいたサポートは癌の子供達のための活動に使わせていただきます