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死亡者数と人口数比化との関係

 post第7波も収束気配が濃厚になりましたが、大都市圏の死亡者数が未だにデータベース表にぞろぞろ並ぶ最近のコロナ現況です。今日は、前回のテーマ「感染者数が人口数比と等しくなる都道府県のコロナ現況」に死亡者数を加えた都道府県のコロナ現況について述べます。

 図1上段に、2023/2/1~2023/2/28期間の感染者数(青棒グラフ)と死亡者数(赤棒グラフ)、下段に都道府県人口数と死亡者数(図1下段)をグラフ化して載せます。都市人口依存型感染が進みますと中小都市圏の感染者数が増え、新たな変異株の混入がなければそれだけ安定した波形に向かうものと思われます。グラフの感染者数波形も、前回よりも日数も増えた故か安定した感じです。死亡者数ピークは感染者数ピークから2週間ほど遅れますので、人口数を基にして感染者数、死亡者数の関係をみるには未だ時期が早かったことになります。 
 多数の死亡者をもたらした東北北海道地方の感染も一段落し、関東地方で死亡者が密に込み合った右側グラフは、大都市圏での不安定な感染状況の名残りのようです。地方の死亡者数も、北信越地方少なく九州地方でやや多めです。都道府県の最大死亡者数を示した都道府県は大阪府でした。


     図1:都道府県別の感染者数(左図)、死亡者数(右図)  
            2023/2/1~2023/2/28

波形は、感染者数、死亡者数共に実数によるものです。
*人口数スケールは、×1000です。
*波形元は加算波形ではなく実数です。

 下段の人口数対死亡者数波形は、前回の感染者数波形より乖離が大きい感じです。左側の大都市圏で死亡者数が多い傾向がみられます。

 前シリーズより感染者数では522,786→667,829、死亡者数では3181→4107の対象者数増になりました。前回の都道府県別感染者数グラフ波形を今回と比較しますと、地方都市で変動が僅かに見られますが、基本的には両者の波形に違いはないと思われます。今後、対象者数が更に増えた状況での比較を行う予定ですが、都市人口依存型感染が浸透すれば、却って波形は安定した印象を感じます。

     表1:期間内の都道府県別の感染者数、人口数、死亡者数
            2023/2/1~2023/2/28

 当シリーズの2022/11/17「都市人口依存型に進行するコロナ感染」で、オミクロン変異株がBA.1.型、BA.2型、BA.2.12.1型、BA.5型、BA.5.2型と変遷しているにも拘らず都市人口依存型感染は進行する感染経過を述べました。もしそれが現在の感染状況にも当てはまるならば、BQ.1.1型やXBB.1.5型のいずれが覇権を制するに至っても、この都道府県人口数比に相似した都市人口依存型感染の波形に変わりがないことが推測されます。もしもを更に続けますが、BQ.1.1型やXBB1.5型が単に通り過ぎて終わるとなれば、少なくともオミクロン株感染収束の可能性は高く、コロナ収束も有り得るのではと希望的観測をしたくなります。経過を注意深く見守りたいと思っています。     一方、図1の死亡者数波形(赤)は、人口数波形(黒)と相似している処も部分的にありますが、首都圏や大阪府、地方県の波形を見ると必ずしも相似しているわけではありません。新たに設けた期間内での都市規模ごとの感染者数と死亡者数推移を比較したのが図2です。

    図2:収束に向かうpost第7波の感染者数(左)と死亡者数(右)

 感染者数、死亡者数共に加算平均数ではなく実数です。
 死亡者数は感染者数よりピークが遅れて現れるのにご留意ください。

 感染者数波形はいずれの都市圏にあっても整然と収束に向かっている様が窺えます。図1の都道府県人口数に相似して安定した感染者数波形を背景に感じますが、 右側の死亡者数波形は落ち着かず右往左往している印象です。
 図1の死亡者数波形は、感染者数多寡による影響を頭の中で引き算しながら見るのですが、実際にはそれ以外にも病原体(=変異株)の違い、逼迫した感染事情に対応可能な医療体制規模の差等の多元的な素因が加わっていることを考慮せねばならず、その結果が図2右側の如き落ち着かない波形になったのはと推測しています。
 都道府県別の死亡者数グラフに、感染者数グラフで見られる相似性を一蓋に期待するのは無理なのかもしれません。

 表題が長すぎたので変更しました。 
                    2023/2/4  
                    精神科木暮龍雄


 

 


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