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識別データベース

 前回調査時との平均患者数差を色分け表示した「定点観測による一医療機関の平均患者数」データベースを、略して「識別データベース」と表記することにします。当シリーズとしては患者数増を赤で、患者数減を黒で表し、調査日付を冒頭に併記して利用する予定です。色変化に馴れるまで時間がかかりそうですが、暫く続けることにします。

 早速ですが、2023/12/4識別データべースを表1とします。
 右側から2列目の28週目の新たな患者数は、26週目より赤数字増、黒数字減が明らかです。コロナ変異株に、なんらかの変化が起きていることが推測されます。26週目~28週目の患者数増は、北海道、長野県、山梨県で顕著ですが、これは変異株エリスの名残りと思われ、赤数字都府県の全体的増加とは無関係な気がします。この件については経過を見ることになります。
 
         表1:2023/12/4識別データベース

*赤数字は前回より多かった患者数、黒数字は少なかった患者数を表します。
*赤領域の広がりはA>Bですが、平均患者数(最下段)はA<Bであることに要注意です。
*26週目から赤領域が増え始め、コロナ変異株に何らかの変化が推測されます。

 現在のところ、平均患者数は変異型エリス初期のそれに及びません。次回予定の2023/12/11識別データベースで更に患者数が増えれば、変異株覇権レースよりも新たなコロナ感染の始まりを考える必要があると思われます。新たな変異株感染と判断するには、平均患者数が少なくとも変異株エリスの第6週目6.14より上昇していることが必要と思われます。

 患者数の増減に関しては、識別データベースはグラフより波形変化は読み取り易く、感染変化の早期把握が容易になった気がします。有意な結果には補正・検討が必要となるのは当然ですが、読み過ぎに気を付けながら今後も経過を見て行くつもりです。

 世界の新型コロナウイルス変異株流行状況(12月8 日 更新)
 
都健安研センターは、上記報告で変異株ピロラが日本の変異株上位5種内に仲間入りしたことを報告しています。28週目以後は、変異株XBB.1.5型及び、XBB.1.9型の末裔たちと変異株ピロラが加わった覇権争いが展開されると思われます。
 過去のオミクロン株各波に倣って変異株多頭体制になるのか、変異株エリスのように変異型ピロラも独裁体制になるのか、当シリーズとしては注意深く見守りたいと思っています。何故なら、変異株多頭体制はなるべく早く終わって貰いたいからです。暫くは様子見が必要となります。

 上記の状況報告で、ゲノム解析者数が33%上昇していますので、世界的に感染が少しずつ進行しつつある事態を推測させます。イギリス、アメリカ、カナダの英語圏では、変異型ピロラよりも変異株XBB.1.5型、XBB.1.9型の下位変異株が優勢のようです。それでもイギリス、フランス、ドイツでは変異株ピロラの上位混入も明らかですので、全体にてんやわんやの感染状況は日本と似ていると思われます。

                                                             2023/12/8
                                                                精神科 木暮龍雄


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