別れと連鎖 #9

昨日おばあちゃんちとお別れをした。経年劣化により来週には取り壊される予定だ。

取り壊し準備のために空になったおばあちゃんちに、母親と入った。この家の思い出話をしながら、様子を見て周り、その中で「これはおばあちゃん見れないよー。辛いもん。」と母親が言ったのが印象的だった。おばあちゃんはまだ空となった家を見れていないらしかった。
母親だけでなくおばあちゃんも生まれ、その前の代も生まれているような100年以上の家だった。
定期的に遊びに行く程度の私がこの淋しさなのだから、母親とおばあちゃんの淋しさはとてつもなく大きい。

母親がペンを持ってきていて、何かメッセージを家に書いたらと勧めてくれた。
思いを伝えお別れをした。


話は変わり、今日、私は自分の家の引っ越し準備や新居の契約などをしていた。来週には引っ越す予定だ。おばあちゃんの取り壊しと私の引っ越しが同時期に行われることとなる。何かの運命なのかなと思っていると、会社で面倒を見ていた後輩が退職する話を先週聞いたことを思い出した。

疲れた。別れはとても疲れる。
そう思いながら外を歩いていると、綺麗な橙の夕日が目に入った。
偶々今は大きな別れが重なってしまっているだけで、意識せずとも日々別れはある。そんな事分かってるはずなのにやっぱり大切にできんな。
といつもの当たり前のことを思った。

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