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農家の「晴耕雨読」の本当の意味

先人たちの知恵をいただく


さて、今回は「農家の晴耕雨読の本当の意味」をテーマに話させていただこうと思います。


日本には色々な4文字熟語あると思います。

そのうちの1つで「晴耕雨読」という言葉があります。


これの意味は、漢字のまま読むと、「晴れの日には畑を耕して、雨の日は畑に出れないから室内で本を読んで知識を蓄える」という意味です。


確かに、4文字熟語を覚えた時はそのようなことを記憶した気がします。

わりかし、覚えやすい4文字熟語でした。


実際にこの4文字熟語が本当なのかと考えてみると、農業を初めてみたら本当にそうなることも多かったりします。


やはり、農業はイメージ通り忙しいものですから、雨が降っていない時は、畑にでて、農作業をします。

そして、雨が降る日はお休みにして、自由時間になります。今の時代は本を読む人はもちろんいますが、スマホで遊んだり、情報を集めることもできますよね。時代によって休みの日にすることは違っているとは思います。そういう意味では、今や都会も田舎もスマホで遊んでいるので、都会で暮らすメリットは薄れているなと感じます。家賃も高いし。


ただ、昔の人からすると、休みの日にできることの1つには本を読むは多かったのかなと思います。


畑に合う野菜を見つける




ここから本題に移ります。


農業をやったことがある人には理解してもらえると思うんですが、お野菜作りって土がめちゃくちゃ大事じゃないですか。


特に畑にあったお野菜を植え付けることで、お野菜が健康に育ってくれる、そして美味しくなってくれるというのは理解していただけると思います。


例えば、里芋ってかなりお水が好きなので湿ったところの方がよく成長します。

一方でトマトとかって水分が少なめの方が甘いトマトができやすいです。


これを逆にしてしまうと、全然いい里芋やトマトが収穫できなくなってしまいます。

なので農家にとって、いい野菜を作るにあたって、野菜の特性に合わせて畑を選んであげることがめちゃくちゃ大事だったりします。


そして、畑っていうのは同じ1枚の畑でも、北側と南側とかで環境が大きく異なります。

日の当たり方も違うし、斜面の場合だと、水は流れますから、坂の上の方が乾燥しやすかったりします。


僕らがやっている八ヶ岳南麓では湧水が多いエリアです。なので、全体的に畑の北側(山の側)の土の方が湿っぽいことが多いです。


でも、これって晴れの日が続いたりしてしまうと、ぱっと見、その田畑の特性がわからないんですね。


1番よくわかるのが雨の日なんです。雨が降っている時、畑に行ってみると、一目瞭然なんです。結構強い雨の場合だったらなおよくわかりますが、水が畑を流れているんですね。

リアルにここは水が貯まる場所、貯まらない場所というのがわかります。


これで、農家さんはこの畑の特性を理解することができます。

ただ、これもわざわざ見に行かなくても、農作業しているうちに肌感覚で水が多い場所、少ない場所というのを感じて、野菜を選んでいると思います。


これが、雨読の本当の意味です。

雨、つまり水を読むんです。


そして、畑の特性を理解し、そこにあう野菜を栽培する。

または、水の流れを改善するために溝を掘ったりして、環境を植物が育ちやすいものに手を加えてあげる。それをやることができるのが人間であり、農家の仕事です。


風水師というお仕事


実はこれは不動産の時にも使えます。


コンディションのいい時に物件を観に行くのではなくて、コンディションの悪い雨の日に行くのがいいと思います。雨の日にその欲しい物件はどうなっているのか、ぐちょぐちょになるのは嫌じゃないですか。


なら、雨の日に観に行って、ものすごく水はけの悪い場所だったら、水の通り道ができるように穴を掘ってもらったりすると、かなり住環境がよくなったりします。


そして、これの起源を遡ってみると、このお仕事を「風水師」っていうんですね。

昔は、その土地に1人くらい風水師がいて、その人がここに家を建てたらいいとか、この向きにした方がいいとかを実際に調べて、地元の人たちにアドバイスしていたんですね。

まさしく、風とか、水を読む人だったんです。雨の日に。


もちろん今では風水師というと占い師じゃないですけど、そんな立ち位置になり言葉の意味も変わってきています。


それに併せて、「晴耕雨読」というのは、晴れの日には耕して、雨の日には水の流れを読む、というのが現代では農家さんが最もそれらしきことをやってるようになりました。


みなさんも農業だったり、家庭菜園をやっていたら、今一度、雨の日にはあえて畑に出て、水の流れ、土の性質を理解して、より一層、その土地に合うお野菜を選んであげてください。



というわけで、今回は「農家の晴耕雨読の本当の意味」をテーマに話しました。




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