くまに名前をつけた

くまたちに名前をつけた。

『くまたち』というのは私の部屋にたくさんいるテディベアのことで、現在13体が本棚の上に積み重なっている。テディベアのことを私はくまと呼んでいるのでこの文章でもくまと書くことにする。

中学2年生の秋に両親がイギリス出張のお土産に買ってきてくれた2体のくまをきっかけに、可愛いくまを見つけると購入するようになった(ちなみに空港には可愛いくまが多い)。

そうして私の部屋には少しずつ増えたくまたちが並んでいるのだが、13体いるということは26個の目があるということだ。夜中たまに目が合うとヒヤッとする。名前まで付けたら魂が宿りそうなうえに、もう22歳だから幼稚なことはしないと理由をつけていままでは全部あわせて『くまたち』と呼んでいた。

しかしくまを集めていると友人に話し、写真を見せると必ず名前を聞かれる。くまはくまだから名前なんてないと説明していたのだが、非難を浴びることが多いため名前をつけることにした。

フランスで買ったシャルル、真っ赤なレッド、顔がかわいいラバーなど安直な名づけを繰り返し、13体の名づけは10分で終わった。いちばん小さいくまにちびと名付けていいものかを一瞬迷ったが、わかりやすいのが一番だ。

名前をつけたことで自分の中で変化があるのかというと、特にない。愛でる時間が増えたわけでもなければ呼びかけることもしない。

ただ年齢を理由に今後くまを捨てることはないだろうなと今は思うし、魂が宿ったならそれはそれでいいじゃないかと半ば覚悟のような諦めのような気持ちでいることは確かだ。

今後も増えていくであろうテディベアと仲良くしていきたいところである。




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