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日記未満 #13

旅の恥はかき捨て、恥こそ私そのもの。

2月の27-28日、金沢を旅行してきた。短いと思っていた往復夜行バスの1泊2日旅だったが、車を借りなかったこともあるのか周れる箇所も限られていて、少し時間を持て余した。旅行の醍醐味だ。もちろん名所を巡る旅行も最高。だけどその街を自分の中に取り込むにはそういう時間は必要で、なんとなくぐるぐるしてみたり、公園や喫茶店でゆっくりしてみたり。今回は行ってみたい場所が沢山あったから自分にしてはかなり頑張って旅程を計画して行った方だけど、やっぱりぐだぐだダラダラしている時間と想定外の出来事はワクワクする。

旅には、何も知らない場所に飛び込む楽しさがある。その場所も私のことは何も知らないから、やりたい放題できる。柄になくはっちゃけたっていいし、普段の役割なんて気にしなくていい。「私はこんな人間だ」という、アイデンティティとは異なる一種の与えられたロール的なものは、周りの環境から受けている制限ではなく、実際は自分を自分で縛っているだけなのだけど、その縛りはコミュニティや場所ととても強くリンクしているから、なかなか抜け出すことはできない。居心地は悪くないけど、たまには忘れたくなる時もある。だから旅は大好きだし、さらに言えば、できるだけ人々の生活が染み込んでいる場所の方が私は好きだ。観光客が集まっている場所ではなく、私が完全にただの背景になっている、私の知らない場所。そこにお邪魔するのはとても心地いい。もちろん観光地も好きだけど。

旅行の余韻は短すぎると思う。もっとずっと浸っていたい。毎日の生活があるからこういった旅行が息抜きになり大切な活力になっていくのだけど、しかし東京に帰ってきた瞬間、夢の中にいたようにどんどん自分の中から旅先の感覚が抜けていく。思い出は強く残っているけど、それは瞬間的であったり白黒であったりして、そこに街を満たす空気の匂いや手触りを、その時の感情を、思い返し追って体験することはできない。逃したくないよ〜。

写真も動画もたくさん撮った。まとめておくので、寂しくなって思い出したくなったらそれを見てください。とっても素敵な旅でした。
私へ、私より。

2023/3/1

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