春の雑記

通勤道。車を走らせると、桜の花びらがふわっと舞う。ああ、春だと思う。

"ハクション!"が飛び交う街では、もっと早くから嫌でも春の訪れは感じていたけれど。
(そういうわたしもここ最近の第一声はハクション!だ。)

軽やかでいられる春の装いは好きだし、さわやかな天気は気持ちがいい。だけど、それ以上に春のそわそわは苦手だ。

わたしもこの春から、環境を変えた。

三年弱過ごした群馬県を後にして、地元へ戻った。
週の少しは大阪で、週の半分は地元からちょっと離れた自然溢れる場所で仕事をしている。

対照的な二つの場所を行ったり来たりして、過ごしているので、なんだか二つの人間を持っているかのようなふわふわとした感覚がある。

ありがたいことに、やりたいことをやらせてもらえる機会が徐々に増えてきた。そこで、恐れ多い贅沢な悩みに苦しむ。

仕事をもらうたびに、"結局あなたは将来どうしたいの?"そんなことを聞かれる。
以前は、この質問が好きだった。自分の理想のようなものを聞いてもらっているうちに、夢に近づいたような錯覚を起こしては、えへへと笑い、若いんだから!好きなことやりなよ!と言ってもらえることに、とても救われていた。

今や。その質問がこわい。わからないのだ。
いただくものは全部こなしたいし、やってみたい気持ちに嘘はない。だけど、全部を完璧にこなせる自信はなくて、引き受けてからあたふたする。

やりたいことはたくさんあるのに、人一倍心配性。それでいて、欲張りで八方美人。キャパオーバーになる未来は見えているのに、手放すのがこわい。

これが、甘えなのかもよくわからないまま、甘くないコーヒーを欲して、甘いケーキをつつく。

しょっぱい汗に目を痛める日が来る頃には、身軽になってキンキンに冷えたビールなんかを欲するのだろうか。

ただ、今目の前にある恵まれた環境にありがとうを添えて、だいすきな人たちのことを想い、精いっぱいやるしかないのだ。
そうしているうちに、棚を自分で作れるようになり、とっ散らかったひとつひとつのやりたいこと(のようなカタマリ)を拾って確かめては、整理整頓するしかない。

そんな感じで、わたしの春。贅沢な悩みに頭を抱え、もがいています。

こうして書いているうちに、ぶわっと咲いていたピンク色の桜が、黄緑の葉っぱに色を変えている。
悩んだって、時は流れて季節は変わるから。
自然と同じように、ありのままで、マイペースに過ごしたいものです。そうなれたら、ひとりの大人として自然に認めてもらえるのだろう。

春はなにかとざわつくから、どうぞご自愛くださいね。

PE

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