【読書感想文】すぐやる力 自然に動き出す自分に変わる!

最近こちらの記事でも書いたように、一度身に付いてしまった悪い習慣を如何に良い習慣に変えていくか、ということについて興味を持っています。

そんな中、習慣について考える上で参考になる次の書籍を偶然見つけたので、読んでみました。

この本の最初の方に、目標達成率の高い人はどういう人か?という内容が書かれていますが、ある大学の研究結果によると、それは「遊びたい」「休みたい」といった誘惑に勝った人ではないと書かれています。

ではどういう人の目標達成率が高いのかというと、それは、そもそも誘惑と接触しなかった人だそうです。
この本では誘惑を遠ざける典型例として、強力な誘惑の一つであるスマホとの付き合い方について、触れられています。

スマホを使わなくても良いときは、できるだけ視界の外に遠ざけることで、スマホ依存による時間の無駄を防ぐことができるとしています。
私はスマホ依存症ではありませんが、これを最初に読んだ時、上記の「習慣を変える方法について」で書いたことと本質的に一緒だなと思いました。

「習慣を変える方法について」の記事では、私自身の具体例として、パソコンを立ち上げている時間やネットに繋がっている時間を制限することで、本来自分がやるべきことに集中する時間を確保できるようになった試みを書いています。
これも、YouTube動画を見たいといった誘惑に勝とうとするのではなく、誘惑を出来るだけ遠ざけて接触しないという発想です。

もう一つ本書で参考になった情報で実際に自分でも実践を始めたこととして、仕事が終わって家に帰ったらカバンの中身を空っぽにして、明日の仕事に必要なものだけを入れ直して整理するというテクニックがあります。
これをすることで、常にカバンの中が整理された状態となり、また明日必要なものを頭に思い浮かべるということは、明日の仕事のシミュレーションをしていることにもなり、仕事へ良い影響を及ぼすとしています。

しかし、このノウハウについて更に考察すると、単に物理的な物の準備や仕事の段取りのシミュレーションにとどまらず、仕事へ向かう心の準備という面でも大変効果が期待できるのではないかと思いました。

最近ではよく「仕事だけが人生じゃない」といったことを聞きますが、現実問題として、多くの人にとって仕事が生活時間の大半を占めている訳で、最も重要なものの一つであることは、疑いようのない事実です。
その重要な仕事へ向かう気持ちを高めるという意味で、前日に明日の仕事のことを考えながらカバンを整理する行為は、意味のあるものだと思います。

日曜日の夕方から翌日の仕事のことで気分が憂鬱になる「サザエさん症候群」という言葉を聞いたことがありますが、この症状に対してもカバンを整理するという方法は有効ではないかと思います。
サザエさん症候群は、言わば仕事に対する逃げの気持ちから生じるものだと思うので、こちらから積極的に仕事に向かっていくという意識状態を作る意味で、カバンを整理するという儀式は大変有効だと思っています。

本書について特に私の心に強烈に残っているのはこの2点だけですが、すぐやる人になるためのヒントが色々書かれているので、人によってはもっと参考になることがあるかもしれません。

少なくとも、著者はケンブリッジ大学で学んだ心理学に基づいて、科学的な知見に立って一つ一つのノウハウを紹介しており、紙に書けば目標が達成できるとか、アファメーションを唱えれば人生が変わるといった怪しげな内容が一つもない点は、読んでいて好感を持てました。

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