渦中のクリステル、火中の栗捨てる

水が湧き出る場所を泉という。温かければ温泉だ(ああ、たまには温泉に入って畳の上で旨いものでも食べたい気分)。
大は小を兼ねるという言葉がある。では泉はどうだろう。大泉か小泉か。その昔は巨泉という御仁もいらっしゃったが、まぁ、いずれも各界でご活躍である。やはり泉というのは、いい名前なんだな。

さて、このたび、若手セクシー議員の小泉進次郎氏にお子さんが産まれたとのことで、母親はもちろんおもてなしキャスターの滝川クリステル氏であるわけで、自分のプレゼンで勝ち取った東京オリンピックが開催される年に子どもを産むというのは、なかなか憎い演出ではないか。生後半年の赤ちゃんを連れてVIP席で観覧している新米ママの様子が週刊誌やファッション誌に掲載されているところが容易に想像できてしまう。

ま、そんなことはいいのだが、進次郎氏が育児休暇を取得するということで、ダブルで話題になったわけで。議員が育休って意味分からんと思うのは、野党だけでなく与党内からも声があるようだが、そもそも就業規則などないのだから「3ヶ月のうちに2週間取得」って、まあ、頑張れば取れるというか、おそらくその分副大臣や政務官が忙しくなるだけのことでしょう。それで回るなら、そのまま続ければ良いし、他の大臣もどんどん任せられる仕事は「部下」に任せて、その分本当に大事なことをきちんと情報を集めて自分の信念に基づいて決めてもらえればと思う。

政治とはなにか。決めることである。利害の一致しない意見をいろんな手を使って調整して、最後は国民の代表として政治家が決める。それだけだと目先の調整ばかりで、とかく日本人は海外との関わりよりも国内に目が向きがちなので、時にはグローバルな視点から国の行く先・ビジョンを示し、先手を打って決めていく。

その点、メディアを巻き込むことに長けている小泉親子は、これまで議会の中ではなく、メディアを使ってなんとなくの世論を作って決めさせてきた。今回の育休発言も、なかなか進まない男性の育休取得に対して「パタハラはダメ!」の空気をつくる役割を買って出たのかもしれない。

がしかし。彼の本分というか、職務は環境大臣である。これでは厚労大臣 加藤勝信氏のメンツが丸潰れではないか。加藤氏は可哀想なことに「歓迎する」といった後出しのコメントしかできていない。もっとも、そんなことより今は新型肺炎の方が大事だと思うけど。進次郎氏は肺炎の話題から世間の注目を逸らすために(なんのため??)、火中の栗を拾ったつもりにでもなっているのだろうか。そんな栗は捨てるべき!栗捨てる!クリステル!

まぁ、奥さん(クリステル氏)の意見も強かったんだろうね。知らんけど。

というわけで、今日はなにが言いたかったかというと。国会議員、ましてや閣僚なんだから、人間らしい生活は大前提として大切にしながら、ちゃんと隅々から情報収集・勉強して、老練なブレーンをつけて、COPみたいな大事な会議で存在感出して、得意のメディア対応で世論形成して日本を「環境でリードしている国」にしてくれよ!てこと。単発の人気取り発言はもう要らない。

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