あのミットに向かって 特別編(帰省編3)
ようやく帰宅した〇〇
〇〇:ただいま〜
◯母:おかえり
◯父:おかえり
◯母:楽しかった?
〇〇:楽しかったよ
◯母:それで?
〇〇:何?
◯母:わかってるくせに
〇〇:はぁ
わかったよ
史緒里に告白したよ
母・父:!!
◯母:で、どうだった?
〇〇:OK貰ったよ
遅すぎって怒られた
◯母:まぁ言われるわよ
〇〇:お母さんもそう思う?
◯母:史緒里ちゃんが〇〇のことずっと好きなの知ってたもん
〇〇:え〜〜
お父さんは?
◯父:流石に俺でも気づいたよ
〇〇:マジか〜
〇〇:でも、史緒里には今、野球に集中したいからとは伝えた
それを含めてのOKだよ
◯母:それでいいと思うよ
せっかく野球しに東京に行ってるのに
恋愛一つで生活が変わるようでは高校No.1投手なんてなれないからね
◯父:俺も安心したよ
〇〇が大人で
〇〇:明日史緒里と出かけるから
ご飯食べたら寝るね
◯母:わかったわ
風呂も沸いてるから先に入って来なさい
〇〇:はいよ〜
◯母:◯父さん、もしかしたら高校卒業したら同棲するんじゃないかな?
◯父:えっ!
◯母:私の勘よ
◯父:◯母の勘は当たるからな
◯母:その時どうする?
◯父:俺は相手が史緒里ちゃんならいいと思ってる
史緒里ちゃんは野球に詳しいから
もし、〇〇がプロ目指すってなったらサポートしてくれるはず
◯母:私も賛成だわ
まぁ、いつか〇〇から話すと思うし、それまでそっとしときましょう
◯父:あぁ
◯母:史緒里ちゃんママとは話すと思うけどね?
◯父:それはどうぞ
そして、史緒里サイド
史:お母さん、話があるの
史母:どうしたの?
史:〇〇と付き合う事になった
史母:あら、良かったわね
史:反応薄いね
史母:だって、史緒里から告白できないでしょ?
〇〇君から告白されないと一生先に進まないわよね?
史:まぁそうだけど
史母:でも、ひとつだけ言わせて
〇〇君の邪魔はしないこと
〇〇君は野球をする為にここを離れていったの
それを史緒里の我儘で〇〇君の未来を潰すようなら今すぐ別れたほうがいいわ
史:そんなことは絶対にしない
〇〇からも言われた
今は野球に集中したいと
そして、必ず迎えに来るって
史母:カッコいいわね!
史:私泣いちゃったもん
史母:ごめんね、これで最後
"〇〇君をサポートしなさい"
どんなことが起きようともあなただけは〇〇君の味方でいなさい
史:わかったよママ!
ありがとう
史母:安心したわ
ずっと好きな人だったもんね
(今度〇〇君ママとお茶でもしようかしら)
史:今、凄く幸せ!
史母:他にも報告しないといけない人いるんじゃないの?
史:そうだった!
電話してくる〜
史母:これは〇〇君も苦労するわね ふふっ
プルルルル、プルルルル
梅:グループで電話なんてしかも、史緒里から電話なんて珍しいね
岩:ホントそれ!いつも電話すると寝てるんだもん
史:ごめん〜
梅:それでどうしたの?
史:〇〇と付き合っちゃった
梅・岩:え〜〜〜
梅:ホント?
史:うん!しかも、〇〇から
梅・岩:え〜〜〜
梅:っていうか、帰って来てるの?
史:昨日からかな
明日までいるらしいよ
今日もずっと私の部屋でおしゃべりしてた
岩:え〜会いたいなぁ
梅:私も甲子園でほんの少ししか話せてないから
史:ダメです。
明日はデートなんだから
梅:どこに行くの?
史:着いてこようとしてない?
梅:ギクッ
そんな事ないじゃないじゃないですか〜
史:バレバレ
はぁ〜
明日、水族館の後、映画観に行くから
その後なら参加してもいいよ
いつものファミレスで待っててよ
〇〇連れてくるから
岩:やったね梅!
梅:おしゃれしていこう
岩:私も
史:私の〇〇奪わないでよね
梅:それはどうかな
岩:〇〇君が私たちを取るか史緒里を取るか
史:ブワッ!
梅:あ、これヤバいやつかも
史:梅、蓮加どうなるかわかってるよね?
梅:いやわからないなぁ
岩:私も…
電話越しでもわかるほどに史緒里はとてつもないオーラを放っていた
梅:取らないから
岩:私も取らないから
史:はぁ〜わかってくれて助かります
梅:〇〇君も大変になりそう
岩:絶対に勝てないよ
その頃〇〇は…
ぐ〜、すやすや
損なこととは露知らず
ぐっすり眠っていた
ちゅんちゅん
〇〇:ふぁあ、よく寝た!
11時だったよな?
今は…10時50分…
ん?
目を擦ってもう一度
10時51分…
やば〜〜い!!!!!
遅刻でもしたら…
(史:あれだけ言ったよね?)
デート1回目で遅刻なんて何されるかわからない
急げ急げ!
いってきます!
バタバタバタバタ!
◯母:あんなに早くどこに行くのかしら?
まだ8時なのに…
〇〇の部屋の時計は電池が切れていて
昨日の夜22時51分で止まっていた
それを知らない〇〇は
走れ走れ!
メロスのように時速10万kmで走れ
ザーッ
着いた
ピンポーン
史母:ガチャ
あら〇〇君じゃない
こんな朝早くからどうしたの?
〇〇:史緒里を迎えに来ました。
史母:あの子まだ寝てるわよ
〇〇:えっ!?
史母:昨日11時集合だからっていつもより長く寝るねって言って部屋に行ったわよ
〇〇:なんかおかしいな
すみませんが、今何時ですか?
史母:今はね、8時20分
〇〇:バタっ!
史母:あら大丈夫?
〇〇:俺の努力が……
一回家に帰ります
トコトコトコ…
史母:待って〇〇君
〇〇:はい?
史母:せっかく来てくれたし、少しお話ししない?
朝ごはんも食べてないでしょ?
〇〇:いいんですか?
史母:勿論!〇〇ママには連絡しておく
〇〇:ありがとうございます。
史母:さぁ上がって
〇〇:お邪魔します。
史母:そこに座って
〇〇:失礼します
史母:はいどうぞ!
そこには美味しそうな朝食が置かれていた
〇〇:本当にいいんですか?
史母:是非是非!
〇〇:頂きます。
パクっ!うま!パクっ!うま〜
史母:喜んでもらえて嬉しいわ
〇〇:これが毎日、朝昼晩食べられるなんて史緒里幸せだなぁ
史母:お世辞はその辺に
史緒里ママは〇〇の前に座った
史母:〇〇くんには感謝しないといけないの
〇〇:えっ!?
史母:史緒里と付き合ってくれてありがとうね
〇〇:いやいや、こちらこそありがとうございます
史母:史緒里にはこれまで不便な想いをさせて来たからこれからはやりたいことをやって欲しいって思ってるの
〇〇君には迷惑をたくさんかけると思うけどよろしくね
〇〇:こちらこそよろしくお願いします。
史緒里には俺も幸せになってほしいです
それでも、史緒里には沢山迷惑をかけると思います
普通の高校生の彼氏彼女のように一緒に登下校したり、遊ぶ事も出来ない
会う事も中々出来ないと思います。
それで苦痛を与えてしまうと思います
お母さんからあまりにも見てられなかったらその時は俺と別れることを勧めて下さい
これは俺からのお願いです。
俺も史緒里の苦しんでいる姿は見たくないです
俺は史緒里が大好きです。
だから、偶には東京での試合を2人で観に来てほしいです
必ず勝ちます。
俺は史緒里が見てると思うと頑張れるんです。
だから、よろしくお願いします。
〇〇は深々と頭を下げた
史:〇〇 ポロッポロッ
史緒里は大粒の涙を流していた
〇〇:史緒里おはよ
史:"おはよ"じゃないよ
〇〇:いつから聞いていたの?
史:少し前から〇〇の声が聞こえて、来たらママと話していたから
史母:史緒里、聞いてどう思った?
史:もう、大好き❤
ギュッ!
〇〇:強すぎ
史:私は〇〇と別れるなんてことはないから
だって迎えに来てくれるんでしょ?
〇〇:あぁそうだよ
史:2年ちょっとの我慢だもん
でも、帰省して来た時はたっぷりと付き合ってもらうけどね
史母:良かったわね彼氏が〇〇君で
こんなに史緒里のこと考えてくれる人なんて早々いないわよ
史緒里もこれから頑張らないとね?
史:うん!頑張る
〇〇:史緒里ママごちそうさまでした。
凄く美味しかったです
史母:お口に合ってくれて良かったわ
〇〇:またよろしくお願いします。
史母:次は夕飯に誘うわ
〇〇:ありがとうございます
この話で終わらせるつもりがまさかの終わらず、書く手が止まらない
野球書かないと
以前言っていた、恋愛編と帰省編をまとめたかたちでこの場をどうにかしようと思ってます
許してください
次回で帰省・恋愛編終わりです
終わったら新シーズンスタートです。
To be continued…
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