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あのミットに向かって 特別編(帰省編)

甲子園が終わり、4日間の休暇を貰った選手達
帰省するもの、遊びに行くもの、部屋でくつろぐものと様々な生徒がいる中、〇〇はというと…

〇〇:久しぶりだなぁ宮城

帰省していた

何故帰省したのか?
それは遡る事数日前…

史L:甲子園終わったら宮城に帰ってきてよ
地元が恋しくなる頃でしょ?

◯L:そうだなぁ
気が向いたら帰るわ!

史L:それだと絶対帰ってこないから
強制です。帰ってこい💢
帰ってこなかったら…

〇L:わかったよ帰ってくるよ
(相変わらず恐いな)

そんな事があり強制的に帰省する事に


◯母:おかえりなさい〇〇
帰省するならもっと早く連絡してよね

〇〇:いや、帰省するつもりなかったんだけど史緒里に帰って来いと強制的に

◯母:史緒里ちゃんも私達に気を遣って偉い子よね

〇〇:それは間違ってると思うぞ
アイツ帰って来なかったら何かやるつもりだったぞ!あのLINE見た時、震え上がったよ

◯父:おう!〇〇帰ってきてたか

〇〇:久しぶりだねお父さん

◯父:惜しかったな

"決勝"

その言葉は俺の心に深く刺さった

〇〇:お父さん、お母さん、決勝の話はよしてくれ


〇〇はあの決勝をまだ整理出来ていなかった

◯父:あぁごめんごめん

◯母:もう◯父さんたら帰って来て早々聞かないの!

〇〇:ごめん!
切り替えたい気持ちはあるんだけどあれから寝れてないんだ

◯母:じゃあ、部屋でゆっくり寝なさい
報告するのはその後でいいから

〇〇:ありがとうお母さん

〇〇は部屋に戻った

俺はベッドに入り、眠りについた…

カキーン!

ドン

〇〇:………

正:しゃー!!

実況:サヨナラ〜
森田最後の1球に泣く。

バックスクリーンに1の文字

バサっ!!

〇〇:はぁはぁはぁ
夢か…

辺りを見渡すともう外は暗くなっていた

〇〇:くそっ!何であの時あの球を投げた

思い出したくもない

ふー、水でも飲みに行くか

◯母:あ、起きたのね

〇〇:嫌な夢見て起きちゃった
水貰ってもいい?

◯母:そこ座りなさい
はい、どうぞ

〇〇:ありがとう
ゴクッゴクッゴクッ

はぁ美味しい

◯母:少し話しをしようかな〇〇
ちょっと◯父さんも来て

◯父:はいよ

◯母:怪我はどうなの?

〇〇:軽くなら投げても大丈夫らしい

◯母:大事にならなくてよかったわね

〇〇:そうだね…

◯母:さて、あの話をしようかな?
あの決勝、結果〇〇が打たれて負けたわね

〇〇:あぁそうだよ…
思い出したくもないよ

◯母:でもね、〇〇これだけは忘れてはいけないことがあるの

「自分を責めてはいけない」

誰もあなたを責める人はいない
あの決勝後、周りの人達なんて言ってたと思う?

〇〇:あの1球に泣いたなとか、だから交代するべきだったとか色々

◯母:相変わらず〇〇ってネガティブよね?
そんなんだから鈍感とかバカって言われるのよ

〇〇:最後のは余計だよ

◯父:〇〇が言った言葉なんて誰1人として言ってなかったぞ
ネットの言葉なんて注目を集めたい奴だけの集まりだから耳に入れるな

〇〇:……

◯母:もしそんな言葉言ってる人いたらお母さんがぶっ飛ばしてやるわ

〇〇:それはやめて

◯父:お父さんから観ても〇〇の投げる姿はカッコよかったぞ!父親として誇らしかった!

◯母:それは私も思ったわ
いい息子に育ってくれたと

〇〇:お父さん、お母さん ポロッ

◯母:泣かないの男でしょ

〇〇:だって俺は最後の最後に御幸先輩のあのミット、リードを信じる事ができなかった
俺の唯一無二であるミットを信じて投げる事を…

◯母:〇〇、完璧な選手なんてこの世に存在しない
悩みながらプレーしてこそ、人は成長するのよ
誰だって揺らぐ時はある!
全部信じてたらおかしくなるわよ
偶には自分の考えを貫くことだって必要!
って言っても、全部信じるなっていうことじゃないからね

◯父:お前はまだ1年生だ!
この経験はお前を一回りも二回りも成長させてくれることだろう
その成長を0にするか1にするかはお前の行動次第だ
このままグズグズして野球人生を棒に振るか?
それともこれを成長の糧にしてより一層努力するか?
それは〇〇が決めることだ
どうであろうと〇〇は森田家の大事な家族だ
〇〇の考えを尊重する

でも、〇〇なら後者になってくれるであろうと思っている

◯母:今すぐにはあの事は忘れられないとは思うわ
正直、あなたに付き纏うと思うわ
でもね、少しずつでもいいから前を向きなさい
時に辛くなるかもしれない
嫌になるかもしれない

〇〇:…………

◯母:でも逆に〇〇を救うかもしれないわよ
成長の糧にはいつか必要なピースになる筈

まぁこれからも野球を頑張りなさいってことよ

〇〇:わかったよ…お父さん、お母さんありがとう
全てを受け止めて野球を続けるよ
来年こそは必ず優勝する

◯母:それでこそ〇〇よ

◯父:頼むぞ!

◯母:さぁ、ごはんよ!
たくさん食べていきなさい
〇〇の好きな唐揚げ作ったわよ!

〇〇:久しぶりのお母さんの手料理

3人:いただきます!

〇〇:パクッ
ん〜美味しい

◯母:よかった〜
マズイって言われたらどうしようかと思ったわ

〇〇:一度も言ったことないと思うけど

◯母:どんどん食べて

〇〇:ありがとう

◯母:あ、そう言えば、史緒里ちゃんと明日どっか行くの?

〇〇:俺は何も聞いてないけど

◯母:〇〇が寝てる間に史緒里ちゃんが来て、明日家に来るよう伝えてくださいって伝言受けたけど

〇〇:わざわざ来て伝えるよりも
LINEすればいいのに…

◯母:何かあるんじゃない?
でも、変なことはしないようにね

〇〇:しねぇーよ
俺を何だと思ってんだよ

◯母:意気地なしの鈍感息子

〇〇:本当に俺の親かよ

◯母:史緒里ちゃん〇〇の事を1番心配してたからね!明日きちんと話して来なさい

〇〇:わかったよ

◯父:史緒里ちゃん、決勝後泣いてたらしいからな
あんな可愛い子を泣かせんじゃないぞ

〇〇:お礼も明日ちゃんと言うから
でも、準決勝は驚いたな
まさか史緒里の高校と対戦するとは…

◯母:ねぇ〜

◯父:本当だよなぁ


◯母:史緒里ちゃんが考えすぎて死にかけてたわよ

〇〇:はぁ!?

◯母:どっち応援しよう?
本校を応援するべきか?それとも〇〇を応援するべきか?ってね

〇〇:いや、流石に自分の高校だろ?

◯母:はぁ、ホントにアンタってバカよね
女の子の気持ちがわかってなさすぎる
何か腹立ってきたわ
誰に似たのかしらチラ

◯父:ギクッ

〇〇:え〜

◯父:流石に俺でも気づく
〇〇、お前は鈍感すぎる

〇〇:そうかなぁ
あまり自分では思った事ないけど

◯母:それが鈍感だって言ってるの

まぁ、明日明後日居るなら史緒里ちゃんと遊んできなさい
というか、どっか連れていきなさい

〇〇:そんな事なんで俺がやらないといけないの?

◯母:当たり前でしょ!
心配させてばっかり、偶には〇〇がエスコートしなさいよ

〇〇:俺たち付き合ってないし

◯母:いろんな人に挨拶もしないとでしょ
史緒里ちゃんに付き添ってもらいなさいよ

〇〇:わかったよ
明日史緒里と話して決めるよ

次回、〇〇と史緒里が久しぶりの再会!
どうなるのかお楽しみに

To be continued…

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