過去(9)

高校一年の夏休み初めてのバイトに挑戦をした。
ゆいも一緒に。

自分でお金を稼ぐということはとても大変なんだと気付いた。
そして人間関係が学校生活とはまた違い気の使いの連続。

それでも楽しいという気持ちの方が強かった。

初めてのお給料の一部は母さんに渡した。

自分で稼いだお金は何とも言えない格別な思いだった。

高校一年の終わり、長期でバイトをしようと思いスーパーの惣菜部に入った。
そして私が中学校を転校してからずっと行き帰りを共にした友達も一緒に総菜部になりまた一緒にバイトに通った。

ゆいも後から同じスーパーに入りお寿司などのの担当の部になった。

バイトをしている時が一番学校の事を忘れることができた。

先輩社員の方やパートの方に可愛がっていただき、途中から生肉部門も掛け持ちでする事になり午前中は総菜部、午後から閉店迄は生肉部と充実していた。

高校2年になるとクラス替えもあったが同じ担任がいい人は言いに来いという担任独自のルールが我がクラスだけにあり私を含めて3分の1ほどの生徒が同じクラスになった。

私と仲良くしてくれていた女子達は皆違うクラスになり新たに友人関係を作ることに。

唯一1年から同じクラスだった男子と同じ担任組ということもあって話すようになり仲良くなったニックネームは「会長」。
派手な子ではなく真面目で賢い。そして何よりも優しく信頼できる人だ。

高校入学してから初めて気の合う女子達と仲良くなり今までとは違う学校生活を送れるようになった。

ニックネームは「ムー」
ムーとは私と同じで母子家庭で色んな境遇が私と同じで話も合うし何でも相談できる子。

会長を含めムーとよく話し、そこから輪も広がり「ヨウ」という中のいい男子も増え、勉強の事など馬鹿な話などで盛り上がった。

学年が上がっても派閥はあった。
けれど私たちの方は悪口を言ったり、いわゆる不良の方達と関わるのは嫌いだったのであまり他のグループとは当たり障りのない程度しか話さなかった。

何故か悪口を言われるのは私の方なのは変わらなかったが全く気にしないようにする事ができるようになった。

これもムーや会長、ヨウ達のお陰だ。

ヨウはよく私の家に遊びにきた。もう一人中学校で仲良くなって同じ高校に行った男子も加わり我が家がたまり場となり、勉強したり音楽を聴いたりゲームをしたりと楽しい日々を送る事ができた。

高校生活は特に2年生になってからは色んな出来事があったけれどもこの3人の友人のお陰で私は楽しく過ごせた。

大変な出来事もあったけれど、何時でも暖かく迎えてくれ励ましてくれる。

太陽のような存在だった。

ムーとは今でも仲良し。お互いに結婚、離婚、再婚をし話をすれば馬鹿な話から真剣な話までどれだけ時間があっても足りない。ここまで同じ境遇になるとは思わなかった。少し離れてるけど変わらず馬鹿姉妹のよう。

会長とも定期的に会ってお酒を呑み色んな話をする。私と会長しか分かりあえないこともあったりと励まし合う。どんな事があっても私の味方でいてくれる。気持ちを分かってくれるのでとっても有難い。
ムーと同じであっという間に時間が過ぎてしまう。黙っていても焦ることなどなく居心地が良い。

ヨウとも今では家族ぐるみの付き合い。ヨウの両親を含め兄弟、そしてヨウの子供達。ヨウは私が母子家庭になると1番に駆けつけてくれ、
我が家が高校時代のように溜まり場となり時には何人も知り合いを連れてきてくれ我が家の子供達と毎週のように遊んでくれ、坊ちゃんが夜中でも病院に行く時など何時も何時でも助けてくれた。
今でも気にかけてくれ時には叱咤激励もあり頼もしい兄のような存在。

3人とも心の底から大好きだ。

正直私にこんなに大好きな友達が出来るとは想像していなかった。
小学校から辛いしかなかった。でもあの頃から全てが順風満帆だときっと友達への感謝、人の気持ちは分からなかったのかもしれない。
時間はかかったかもしれない。けれど私にはこれだけの時間が必要だったのかもしれない。

小学校の頃の私に伝えたいもう少しの辛抱だと。
終わり

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